リモートワーカー必読!住まいと暮らしのスタイリスト三宮佳美さんに聞くワークスペースアイデア

MAJOR'S Column

2021年7月5日

コロナ禍により、リモートワークが日常化してきました。新築マンション選びでも、どの部屋にワークスペースを設けるか、間取りを検討される方々が多いようです。今回は、ワークスペースのインテリアについて、住まいと暮らしのスタイリスト三宮佳美さんにアドバイスをしていただきました。きっと間取り選びに役立つはずですよ!

ワークスペースは、個室か?コーナーか?


住まいと暮らしのスタイリスト三宮佳美さん。
これまでに手がけた建物は350棟を超えるという、プロフェッショナル。

——これから新築マンション購入を検討されている方々に向けて、リモートワークのためのワークスペースをどうやって確保すればよいのか、アドバイスいただけますか?

三宮さんご自宅にワークスペースを設ける場合、大きく分けて2つ考えられます。1部屋まるごとワークスペースに充てる「個室」。もうひとつは部屋の一角にワークスペースを設ける「コーナー」。それぞれにメリット・デメリットがあります。


三宮さんのワークスペース。
カゴやサイドテーブルに、仕事に必要な道具を収納。さっと片づけられるのも便利です。
ダイニングテーブルをワークスペースにしている人は見習いたいアイデアです!

三宮さん「個室」だと仕事に集中しやすい一方、インターホンから遠くなって宅配便などの対応に手間取ります。リビング・ダイニングに設けた「コーナー」だと、小さいお子さんに目が届きやすく、家事がしやすい分、集中力が削がれがち。それぞれにメリット・デメリットがあります。ただご家族で暮らす場合、1部屋まるごとワークスペースに充てるのはハードルが高いでしょうね。

シングルやDINKsならば、「個室」を丸ごとワークスペースに充てられそうですが、子育て家族の場合は、夫婦の寝室の一角をリモートワーク兼用にしたり、ダイニングテーブルの一角で作業する「コーナー」利用が多いようです。次に「コーナー」でのワークスペースづくりについて、事例を交えてアドバイスしていただきました。

寝室にコーナーを設ける①パーティション型


寝室のコーナー「A」にワークスペースを設ける場合。

三宮さん寝室の一角にワークスペースを設ける場合は、つい横になりたいという誘惑に負けないように、ベッドが視界に入らないレイアウトづくりを心がけるとよいと思います。間取り図のAの位置にデスクを置く場合は、ベッド側にパーティションや棚を、バルコニーまたは窓側にデスクを置きます。


組立式の壁面収納「OSAMARU(オサマル)」。
自由に組み合わせできる32.5㎝角1マスの壁面収納と
L字形のデスクを組み合わせて、室内を区切るパーティションとしても活用できます。
(写真提供:株式会社 浪忠)

「壁面収納・本棚OSAMARU(オサマル)」(株式会社 浪忠)

三宮さん「OSAMARU」のような組み立て家具を寝室のパーティションに使えば、大がかりな工事の必要もありません。オープンタイプなので圧迫感がなく、1マスがA4サイズファイルボックスの高さにぴたりとはまるので整理がしやすいです。「OSAMARU」は、寝室だけに限らず、リビング・ダイニングなどのお部屋のゾーニングや壁面収納にも活用できます。

▼シングル世帯の一部屋まるごとワークスペース事例
マンション購入は資産形成のひとつと考える!シングルのタワーマンション購入術

寝室にコーナーを設ける②ヘッドボード裏面の活用


三宮さんが手がけた事例。
ベッドのヘッドボード裏に、パーティションとデスクを造作して、
寝室とワークスペースを二分しました。
(写真提供:yoriie)

三宮さん上記写真のように、ベッドのヘッドボード裏面にワークスペースを設けて、就寝スペースとワークスペースをゾーニングするだけでも、作業の集中度が増します。就寝時もワークスペースが目に入らないことで、仕事のことを考えなくて済みます。パーティションは、天井までの高さではなく低めにしておくと、圧迫感がありません。

これなら、マンション購入後にあとから造作しても良さそうですね。寝室という個室にワークスペースを設ければ、オンライン会議や守秘義務のある作業にも適しています。

リビング・ダイニングにワークスペースのコーナーを設ける


2LDKの間取りで、リビング・ダイニングにワークスペースを設ける場合。

——リビング・ダイニングのダイニングテーブルをワークスペースとして作業する方も多いようです。リビング・ダイニングにきちんとしたワークスペースを設けたい場合は、どうしたらいいでしょう?

三宮さん省スペースで取り付けられる「DOCODEMOdesk」のような薄型の折り畳み式の壁付け家具を壁面に取り付けるのもひとつの方法ですね。壁面だけでなく、上記の間取り「B」の位置のように、柱面を利用して取り付けることもできます。何より、邪魔にならない薄さの折り畳みデスクが秀逸です。


壁面に取り付けられる「DOCODEMOdesk」(設置工事必要)。
閉じている状態でもインテリアとして美しいのが良いですね。
サイズはワイド550〜1200㎜まであり、扉の色も選べます。
(写真提供:CUUMA)

DOCODEMOdesk(CUUMA)


物入スペースを改造して、ワークスペースにした事例。
(写真提供:yoriie)

三宮さん他に、リビング・ダイニングの物入れ(間取り図C)を、ワークスペースに改造する方法もあります。リビング・ダイニングに背を向けて、仕事に集中しやすいコーナーになります。物入を改造するための造作が必要ですが、棚板の色・設置高さ・枚数などを、インテリアに合わせてカスタマイズできるのが利点です。


こちらは、リビング・ダイニングの壁面一面をワークスペースにした事例。
長いデスクなので、お子さんと並んで作業することも可能です。
(写真提供:yoriie)

リビング・ダイニングの片隅に、お子さんの勉強スペース兼ワークスペースを設けた事例。
作業中の視線を囲むことで集中しやすい環境を生み出しています。
(写真提供:yoriie)

——リビング・ダイニングはお客様を通す「家の顔」とも言える場所なので、これら事例のように、最初からインテリアに合わせたワークスペースを計画しておくと、長く使いやすいですね。最後に、ワークスペース全体で注意することはありますか?

三宮さんワークスペースで気を付けたい3大NGがあります。「暑い・寒い・暗い(ASK)」。これがあると、思うような作業効率が得られなくなってしまいます。冷暖房の観点だけでいうと、最初から床暖房やエアコンが備わっているリビング・ダイニングの一角の方が、「暑い・寒い」は避けられますね。「暗い」は、ワークスペースに手元灯を置いて、照明の補完をすれば問題ないでしょう。今回ご紹介した事例を、お部屋選びの参考にしていただければと思います。


三宮さんのワークスペースでは「BALMUDA The Light」のデスクライトを使っています。
これは独自の光拡散技術によって、目線の先に影を作らないというもの。
「天井照明やデスクライトで明るさを補完すれば、目が疲れにくく集中力も続きます」

寝室やリビング・ダイニングの一角にワークスペースを設ける方法を数多く知っていれば、マンションの間取りを選ぶときにもきっと役立つはずです。逆に、どんな風にワークスペースをつくろうかと、間取り図を見るのが楽しみになるかもしれません。
また新築マンションのモデルルームでは、ワークスペースをうまく組み込んだインテリア提案もありますので、ぜひチェックしてみてください。

【MAJOR7で新築物件特集のマンション一覧を見てみよう!】

住まいと暮らしのスタイリストyoriie 三宮佳美さん

インテリアスタイリスト、住空間収納プランナー、家事セラピスト。24時間365日をいかに快適に住まうかをテーマに、人と住まい、人と暮らしのより良い関係をさまざまな見地から、研究・提案している。各種モデルハウスや個人邸の暮らし提案・インテリアディレクション・スタイリング、暮らしに関する各種研修企画・講師、住関連企業へのコンサルティング(商品企画・販売企画など)を行う。これまで手がけた建物は350棟を超える。

記事監修:三宮佳美
取材協力:株式会社 浪忠、CUUMA

取材内容は2021年7月5日現在のもので変更になる可能性があります

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