【住民座談会・プレシニア編】マンションの住み替え適齢期は50歳前後が鍵?体験者にお話を聞きました!

50〜60代のプレシニア世代は、仕事にも趣味にも、人生全般をイキイキと楽しんでいるアクティブな方々が増えているようです。また、ライフスタイルの変化に合わせたマンションの住み替え・買い替えにも積極的です。

今回は、マンションを買い替えたプレシニア世代の皆さんにお集まりいただき、現在のマンションを選んだ理由や、老後の理想の住まい方についてお話を伺いました。


写真向かって左からSさん、Kさんご夫妻、Hさん
参加者 年齢 居住エリア 間取り 居住形態
Hさん 60代 江東区 3LDK 92歳のお母様と一緒に暮らすため、12年前、木場のマンションを購入。現在お母さまと2人暮らし。
Sさん 50代 品川区 2LDK 2人のお子様が巣立ったのを契機に、5年前に品川のタワーマンションを購入。奥様と2人暮らしへ。
Kさんご夫妻 50代 中央区 4LDK 4人家族の住み替えで、8年前に勝ちどきのタワーマンションを購入。現在は、お子さん1人と奥様との3人暮らし。

親との同居、子育て後の夫婦二人暮らし、家族の暮らし、プレシニア世代のマンションライフはさまざま!

——現在お住まいのマンションは、どういう経緯で選ばれたのかお聞かせいただけますか?


92歳のお母さまと2人暮らしのHさん。
駅前2分のマンションというアクセスの良さもあって、遅くまで都心で遊んでいたお友達が泊めてほしいといってよく来られるそうです。

Hさん12年前、当時80歳の母と同居するために現在のマンションを購入しました。いまはリタイアしていますが、その頃はまだ働いていたので、勤務先の銀座へ出るのに便利がいい場所で、母と私それぞれの個室が持てる3LDKの物件ということで選びました。偶然にもこの物件は、結婚が決まった娘のマンション探しのときにも一度見ていた物件でした。ご縁があったのですね(笑)。

——マンション探しに関して、お母さまのご希望はありましたか?

Hさんすべて私におまかせだった母ですが、1点だけ「和室の部屋がいい」というリクエストがあったので、和室のあるマンションに決めました。

その後母の膝関節が悪くなり正座できなくなったので、いま和室は使っていません。母との同居だから、それぞれ個室を持ってプライベートを大切にするように考えて選んだ間取りでしたが、加齢と共に住まい方も変わってくるのだなと気づきました。あらかじめシニアにとっての住まい方を見越して住み替えることも必要ですね。


30階建てタワーマンションの27階・2LDKで、子育て後の夫婦2人暮らしをスタートさせたSさん。

Sさん2人の子どもが自立して巣立ち、妻と2人暮らしになったので、それまでと同じ広さでも、3LDKから2LDK位のゆったりとした間取りで暮らしたいと考えて、5年ほど前に住み替えました。
私は、職場までの距離が30分以内の範囲の立地がいいと考えていました。妻は自宅で仕事をしていますので、昼間気持ちよく過ごせる空間で、ごみごみしていない環境がいいというのが彼女の希望でした。

もっぱら彼女が情報収集して、毎週末一緒に物件を見に行くというマンション探しを半年ほどやっていましたかね。最終的に、渋谷と現在の品川のマンションの2つが候補に残りました。僕は渋谷の物件が良かったのですが、妻は品川がいいと言って、大喧嘩になりまして、結局僕が負けました(笑)。

——奥様の説得に負けたかたちですか?

Sさん「家に一番長くいるのは、私だから」と言われて押し切られました(笑)。いまのマンションには16畳のリビングがあって、結果的には希望通りゆったりした広い空間で暮らせるようになったのは良かったなと思っています。


8年前の購入時は、2人のお子さんとの4人暮らしだったKさんご夫妻。
その後、上のお子さんは巣立っていき、現在は下のお子さんとの3人暮らし。

Kさん(夫)2005年に、経済誌の「去年最も売れたマンション」特集で、いまのマンションの紹介記事を読んで、直感的に「ここだ!」と思って購入しました。その前は砂町の古いマンションに住んでいまして、勝ちどきはバイク通勤の際によく通っていたエリアでもあったし、銀座にも隣接していて、アクセスの良さも気に入りました。

マンションの買い時には、建築価格や住宅ローンの金利など、いろいろな説がありますが、自分がマンションをほしいと思ったときがいちばんの買い時なのではないかと、ここを購入してから思いました。

——住み替えには、奥様もすぐ賛成されたのでしょうか?

Kさん(妻)最初は、今更借金をしてまで住み替えるのかとか、引っ越しが面倒だとか、いろいろ思うところもあって反対でした。それで、多分そんな部屋はあまりないだろうと思って、「角部屋で、4人家族が1人1部屋持てる4LDKでなければ、いやだ」という条件を付けたら、まさに希望通りの部屋がありまして。それで反論できなくなってしまいました。

プール通いがご縁となった近所付き合い、老親との同居にはオートロックが安心


戸数の多い大規模マンションでは、ゲストルーム、プール、スパ(温浴施設)などの共用施設が充実している傾向があります。
(イメージ写真)

——買い替え後、いまのお住まいはいかがですか?

Kさん(妻)マンション内に、朝7時から22時までオープンしているプールがあるので、毎日泳ぎに行くようになりました。それまでプールで泳ぐ習慣はなかったのですが。プールで知り合ったお友達も数人できて、最近ではお部屋を行き来するようなご近所付き合いにもなりました。

Kさん(夫)2人とも働いているので、以前より通勤電車が混まなくなったのはすごくありがたいですね。上の子どもは結婚して家を出たのですが、もう一人の下の子どもが、銀座に近くて通勤にも便利なせいか、なかなか家を出ていきません(笑)。53階に住んでいて、まわりに高いマンションやビルができたとはいえ、富士山や東京タワー、スカイツリーが見えて、景色は抜群です。

東日本大震災のときは家族全員仕事で家にいなかったのですが、何一つ落ちたり壊れたりしていませんでした。その後の余震でも不安な揺れ方はしなかったので、このマンションにして良かったなと改めて思いました。

Sさんうちもタワーマンションの27階ですが、悲惨な室内の状況を覚悟して部屋に戻ったのに、額ひとつ割れていませんでした。
マンションの共用施設は、フィットネスやゲストルームなどの他に、各階に共用のバルコニーがあってレインボーブリッジや花火大会が見えるようになっています。共用施設が充実しているのもタワーマンションの魅力のひとつですね。

——マンションでのご近所付き合いはいかがですか?

Sさん250戸以上あるマンションですが、お互いの部屋を行き来するご近所さんが数名います。妻が家で仕事をしているので、エレベーターやマンション内で話をするようになったのがきっかけで仲良くなったみたいですね。

Hさんうちは、私の希望であえて40戸弱の小規模マンションで、地震恐怖症なのであまり階数が高すぎない9階建てマンションの8階を選びました。ワンフロアに2世帯だから、隣の部屋の方とはエレベーターで出会ったらご挨拶はしますが、ご近所付き合いというほどの関係ではありません。以前一戸建てに住んでいましたが、その当時のご近所付き合いのわずらわしさから、マンションに住みたいと思った経緯がありましたので。それと、老親と一緒に暮らすので、マンションの方がセキュリティや治安面でも断然安心だから決めたということもあります。

今年の9月から大規模修繕が始まるので、いま副理事を務めています。大規模修繕の年の理事は大変だと言いますが、何も知らないでいるよりはいいし、自分の意見も言えるからいいかなと思っています。

いまのマンションは、終の棲家? それとも住み替えたい?

終の棲家の考え方は人それぞれですが、いつまでも健やかに自分らしく暮らしたいというのが皆共通の願いではないでしょうか?

——皆さん、いまお住まいのマンションは、老後もずっと住みつづける終の棲家なのか、それとも老後にはまた住み替えを考えているのか、どちらでしょうか?

Hさんいずれひとりになったら3LDKは広すぎるので、もう少しコンパクトなマンションに住み替えたいと思っています。いま92歳の母が元気なので、まだまだ先のことかもしれませんが(笑)。

いま住んでいるマンションは駅から2分くらいですが、実はスーパーやホームセンターが少しずつバラバラの方向に離れていて、わりと不便なのです。いまはネットスーパーを使って買い物をしていますが、郊外のマンションだとショッピングモールにいろいろな店が集約してモノも揃っているので、ひとり暮らしになったら郊外でもいいのかなと思っています。

——Hさんには結婚された娘さんがいらっしゃいますが、将来は娘さんご家族の近くに住みたいというお気持ちはありませんか?

Hさんそれはありませんね。いまは都内の駅近マンションなので、娘家族が車で遊びに来てもなかなか駐車できなくて、都心ゆえの不便さも感じています。逆に、いずれ私が郊外のマンションに住み替えれば、もう少し行き気がしやすくなるかなという気がしています。もうリタイアしたので通勤の必要もありませんし、インターネット環境と宅配便と医療施設さえ整っていれば、そこまで立地条件にこだわる必要はないかなと考えています。

——プレシニア世代になると、ネットショッピングや旅行の予約にインターネットを使うのは当たり前。インターネット環境などがあれば立地にはこだわらないというHさんのような意見もあるように、プレシニア世代の老後のマンションの選び方は、いまのシニア世代よりもっと多様化していくかもしれませんね。

Sさん私達夫婦は、ずっとこのマンションに住み続けていこうと考えている訳ではないのですが、他に具体的な老後の住み替えプランがある訳でもありません。いまどき珍しく、僕も妻も免許を持っていません。だから、歩いて生活できるところでないと困るというのが大前提でして。妻は、「海外移住もいいかな」と言っていますが、僕はそんなに積極的に行きたい気持ちはない…。マンション購入時みたいに、また僕が負けて押し切られちゃうかもしれませんが(笑)。

Kさん(夫)私はいまのマンションが気に入っていますので、東京にいる限りはずっといまのマンション住まいで、住み替えはないと思っています。二人とも九州出身ですから、故郷に引っ込むという選択肢もない訳ではないのですが。

Kさん(妻)定年退職したら、故郷の九州へ遊びに行くとは思いますが、子どもたちが東京にいるので、ずっと向こうで暮らすということはない気がしますね。

——故郷の親御さんの問題が絡んでくると、Hさんのように住み替えで同居という選択肢もあり得えますね。

Sさん僕の母は神奈川に、妻の母は岡山に住んでいます。二人の母はいま元気ですが、この先介護が必要になったらどうするのか?という問題は将来出てくるでしょうね。ただ、我々の世代は60歳になっても年金が出る訳ではないですし、まだまだ働かないといけない。親の介護で故郷に帰ったとしても仕事面での問題がありますね。

Hさん私は、母との同居を始めてから数年後に定年退職したのですが、再就職を探してもフルタイム勤務しか選択肢がなくて、結局あきらめました。いまは、母の世話と、拾った猫2匹の“猫育て”に大忙しです(笑)。

ただ、ここに住んでいると、母は病院への通院でもタクシーをすぐ拾って行けますし、そういう都内の交通の便利のいいエリアに住んでいるメリットはあるなと思います。

——プレシニア世代は、リタイア後の暮らし方、親の介護の問題など、考えておくべきことがさまざまにあります。将来の住み替えにも、終の棲家にも、フレキシブルに対応するには、現在お持ちのマンションが、いつでも売ったり貸したりできるような資産価値があるかということを前提に選んだ方が良さそうですね。

老後にほしいのは、ボタンひとつのエマージェンシーサービスや電気自動車のあるマンション!?


未来には、電気自動車の充電ポイントがあるマンション駐車場も増えていくのでしょうか?

——老後の住み替えを考えている方も、いまのマンションに永住したいという方も、自分の老後に住みたい「理想のマンション」のイメージはありますか?

Hさんまだ漠然としていますが、老後は養護施設に入るのではなくて、介護付きでレストランも数軒あって先進的なシステムが整っているスマートシティ的な場所にあるマンションがいいのかなと思っています。

Sさんいまのマンションに住みながら、何かあったときには、ボタンひとつのエマージェンシーコールですぐに駆けつけてもらえる体制が整っているとか、そういう介護サポートの便利なサービスができればいいなとは思いますね。

——24時間セキュリティサービスの介護版という感じですね。やはり、いま住んでいるマンションからは離れたくないという気持ちは、どなたにもありますよね。他にはいかがですか?

Kさん(夫)いまのマンションの駐車場は電気自動車の充電ができないので、充電ができる設備に改造してくれるともっと便利になるのに、と思います。うちはハイブリッドカーを所有しているので、プラグインで充電できるようになると、もっと燃費もよくなりますし。

ヨーロッパだと、電気自動車のスタンドが主要な場所にあって、そこで電気自動車のシェアカーに乗って、隣の駅で乗り捨てできるというサービスがあります。うちのマンションにも普通のシェアカーサービスはあるのですが、電気自動車のシェアカーサービスや充電設備がマンションにあれば、みんなが車を持たなくても、もっと気軽に車をシェアして使えるようになると思います。

——近未来のマンションのサービスは、介護とエコ、そしてシェアリングエコノミーが重要なポイントになりそうですね。本日はありがとうございました。


プレシニア世代のマンションライフは、子育てが終わったあとの夫婦2人暮らし、親との同居など、それぞれの家庭の状況に合わせた住まい方や考え方が必要になってきます。 ただ、どの状況であっても、駅に近い都内のマンションであれば、老後の日常生活にも便利なことは間違いないようです。

また、今回お話を伺ったプレシニア世代の皆様は、どなたも50歳前後でマンションを住み替えされています。子育てが終わったタイミングや、歳を取った親御さんの健康状態を考えると、その年齢がひとつの区切りとなってくるのでしょう。

老後の生活も見越して、新たなマンションへの住み替えを決断するには、50歳前後がひとつのターニングポイントになってくると言えるのかもしれません。プレシニア世代のマンション買い替えの参考になさっていただければ幸いです。

取材内容は2016年8月30日現在のもので変更になる可能性があります

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