企業に勤務する一方で、ソーシャル系大学「こすぎの大学」やシビックプライドに溢れる街づくりを目指した「川崎モラル」を企画運営するなど、地域デザインを考える岡本克彦さん(通称オカポンさん)。地域活動を担う人材が揃う武蔵小杉エリアの中でも重要なキーパーソンです。現在はCOVID-19対策に伴い在宅勤務で過ごしている岡本さんのマンションライフをご紹介します。地域との関係、テレワークのリズムづくりなど、参考になるアイデアをたくさんいただきました!
まだタワマンもなかった頃の武蔵小杉、多摩川沿いのマンションで即決
多摩川に近い立地が気に入って即決したマンションで、家族3人と暮らす岡本克彦さん。
PCデスクの横に、『コップのフチ子』さんのサインを発見!
岡本克彦さんが、武蔵小杉エリアの新築分譲マンションを購入したのは、いまから16年前の2004年。武蔵小杉ではまだ、再開発計画やタワーマンション建設も始まっていなかった頃のことでした。当時岡本さんが勤務するオフィスは武蔵小杉にあり、その近くで住んでいた社宅がなくなるため、このエリアでマンション探しを始めたそうです。
岡本さん多摩川や公園が近くにあり、自然豊かな環境が気に入っていたので、このエリアでマンションを探そうと決めていました。いま住んでいるマンションは、別のモデルルームを見にいくときに偶然見つけた物件です。駅からは遠いけれど、多摩川まで30秒の近さ。駅近物件でない分、コスパも良かった。即決でした。マンションから当時のオフィスまでは自転車で15分。等々力緑地を通り抜けていく自転車通勤は、リフレッシュできて爽快でした。
その後都内のオフィス勤務に変わったため、岡本さんは電車通勤となりましたが、それまでグラウンドや大規模工場跡地などで居住者がほとんどいなかった武蔵小杉エリアは、複数の駅前再開発事業が進み、新しい街として大きく発展していきました。岡本さんのマンション購入は、ある意味で「先物買い」だったといえるかもしれません。
「自宅まで出勤」「家族にただいま」で在宅勤務のリズムづくり
在宅勤務中の「自宅まで出勤」ルートの多摩川河川敷。
四季折々の風景を自身のTwitterやブログに日々アップされていますが、
武蔵小杉の多摩川沿いはこんなに自然豊かだったのかと気付かされます。
岡本さんは、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)問題が持ち上がった2月下旬から5月に至るまで、3分の2以上の日数をマンションでの在宅勤務(テレワーク)で過ごしています。
在宅勤務期間中に岡本さんが心がけているのは、「自宅まで出勤」と「家族にただいま」。「自宅まで出勤」は、始業のTIPS。毎朝自宅マンションを出て、近くの多摩川河川敷を散歩して、帰宅してから仕事を始めるというもの。
「家族にただいま」は、終業のTIPS。一日の仕事を終えるときに、会社のメンバーにチャットで「お疲れさま」とメッセージして、その1秒後にはリビングにいる家族に「ただいま」と言って、意識的に仕事モードのスイッチを切り替えています。
岡本さん以前から在宅勤務やコワーキングスペースでのリモートワークはやっていましたが、こんなに長期間の在宅勤務が続くのは初めてのこと。在宅勤務になってから起床時間が毎日10分ずつ遅くなっていて、このままではダメだ!と思っていたところ、会社の先輩から「出社時間と同じ時間帯に家のまわりを散歩している」と聞いて、僕も多摩川河川敷を散歩して「自宅まで出勤」することにしました。緊急事態宣言が発令されてからは、朝の河川敷にも人が増えて「三密」的な雰囲気になり、少しずつ散歩時間を早めるようになって、いまや日の出を見ながら5時台の出勤(散歩)になっています(笑)。
トリプル使いのPCコーナー。
デスクワークもミーティングもすべてPC画面を見つめることになるので、
画面の位置を変え、ブルーライトカットメガネを活用して、
疲れの軽減に努めているそうです。
マンションには竣工時から高速インターネットが入っていたため、在宅勤務にあたって新たな回線契約の追加やセットアップの必要はありませんでした。「その点は新築分譲マンションのメリットですね。回線の速度も問題ありません」と岡本さん。在宅勤務にありがちなインターネットトラブルはなかったそうです。
岡本さん娘と妻のいるリビングで仕事をしていますが、オンラインミーティング中は家族がテレビやゲームの音量を小さくして気遣ってくれるので問題ありません。家族のありがたさを感じますね。
外出自粛期間中、ベランダ生活が大活躍
ベランダ生活平日編。ベランダはリフレッシュ&リラックス空間、
タブレットでの読書やコーヒーブレイクを楽しみます。
岡本さんは、もともとベランダで週末の一人ミニキャンプを楽しんでいましたが、緊急事態宣言以降は、ベランダ生活がさらに活発化しました。キャンプ用のテーブルと椅子を置いたベランダでは、ときに娘さんも一緒に宿題をすることもあります。
ベランダ生活休日編。バーナーで缶詰を温めてビールや日本酒のお伴に。
ときには、ひれ酒をお燗することも!本格的ですねー。
隣近所に迷惑にならないよう、ニオイの強い食べものは作らないように配慮しています。
お気に入りは、夏にベランダで寝袋にくるまって眠ること。
目覚ましではなく、強烈な日差しで目ざめるのが爽快だそうです。
街との関係づくり、「こすぎの大学」を企画運営
2013年に誕生したソーシャル系大学「こすぎの大学」のHP。
武蔵小杉が大好きな人々が集まって、自由に楽しくつながる“学び舎” 。
「武蔵小杉に関わる人を知る・語る・好きになる」を体験できます。
岡本さんうちは、総戸数40戸弱の小規模マンションです。輪番制の理事も担当し、顔見知りもいますが、そんなに親密なコミュニティがある訳ではありません。逆に小規模だからこそ、住民とは適切な距離感を保ちたいという意識が働きます。しかし入居して10年ほど経ってから、自分は街に知り合いがいないなと強く感じるようになりました。
「公」としての仕事では、会社の枠を越えた交流の場「企業間フューチャーセンターLLP」を仲間と創設するなどしていた岡本さん。「私」として地域活動へ参加していくことに決めたあとは、目を見張るような行動ぶりです。
まず、エリアマネージャーが主催する街の読書会に参加。一冊の課題本を読んでいても読み切っていなくてもいい、いつ参加してもしなくてもいい、縛りのないゆるいつながりが心地良くて通っているうちに知り合いが増えていきました。そこで知り合った仲間たちと、武蔵小杉に住む人が得意なテーマを語る・教える「こすぎの大学」を立ち上げることに。
岡本さん街の知り合いゼロからスタートして、いまでは街で出会う知り合いもぐんと増えました。親が街で楽しんでいる姿を子どもに見せれば、子どももこの街が好きになって、ずっと住み続けたいと思ってくれるはず。「NPO法人小杉駅周辺エリアマネジメント」という組織も実験的な取り組みを積極的にやっています。「こすぎの大学」も見習って、誰かのやりたいという気持ちを支援する部活動を立ち上げました。毎月の定例イベント(授業)とは別にパパ部やポタリング部、餃子部など多くの部活動が生まれ、コミュニティの輪が広がっています。
岡本さんは、多摩川のある自然環境が気に入って武蔵小杉に住み始め、引っ越して10年経ってから地域との関わりを積極的に持つようになりました。ちょうど武蔵小杉の街が成長していく過程と重なり合って、いいムーヴメントが生まれてくるタイミングだったのでしょう。 これまでMAJOR’S BLOGで取材した武蔵小杉の住民も、そんな街の魅力に惹かれるように集まってきています。
岡本さん東急沿線の街って駅と駅の間隔が狭くて近いんですよね。元住吉は洗練された大人の街、新丸子は古い昭和の雰囲気が残った街、武蔵小杉はそんな先輩たちに見守られている成長盛りの子どもみたいなイメージですかね。ちがう魅力を持った3つの街がぎゅっと凝縮されて集まり、お互いに尊重して助け合っている印象があります。街や住民の雰囲気は、住んでみないとわからないかもしれませんが、その街に実際に行って五感で感じる部分が、マンション選びには重要な気がします。僕の場合は、多摩川をいつも身近に感じられるというのも良かったです。
マンションとそのエリアを選ぶことは、人生を変えてくれるほど影響力のあることみたいですね。これから成長していく街を選んで住むと面白いことが起こりそう! そんな気がしました。あなたも自分に合ったエリアや街で、五感で感じるマンションを選んでください。
【MAJOR7で神奈川県川崎市のマンション一覧を見てみよう!】
NECに勤務し、ブランド戦略を担当。2011年、企業人が会社の枠を超えて価値共創する「企業間フューチャーセンターLLP」の立ち上げに関わる。その経験を活かして、自分が住む街・武蔵小杉を中心に地域デザインに取組み始め、2013年よりソーシャル系大学「こすぎの大学」、シビックプライドに溢れる街づくりを目指した「川崎モラル」を企画運営する。公私を融合させた「働き方」や「楽しみ方」を模索中。
⇒KATUHIKO OKAMOTO
記事監修:岡本克彦
取材内容は2020年5月28日現在のもので変更になる可能性があります