新築分譲マンションも、環境への配慮や省エネの取り組みを評価して選ぶ時代になりつつあります。断熱性能を大幅に高め、電気やガスをなるべく使わず、地球にやさしい「ZEH-M」(ゼッチ・マンション)づくりに取り組む、株式会社大京にお話を伺いました。
大京の「ZEH-M」の取り組み
株式会社大京 事業管理部 商品開発室 主任 三木優子さんにお話を伺いました。
——「ZEH-M」とはどのようなものでしょうか?
三木さん「ZEH-M」は、断熱性能を大幅に高め、高効率設備・システムを導入することで、電気やガスをなるべく使わずに、快適な室内環境を保ちつつ大幅な省エネを実現(省エネ基準比20%以上削減)するマンションのことです。「ZEH-M」は、地球温暖化対策に貢献し、何より居住者の方の快適で健康な暮らしに貢献します。
大京が提供する「ZEH-M」(ゼッチ・マンション)。
地球温暖化対策として、日本で独自に策定された住宅性能基準
「ZEH」(Net Zero Energy House)を、分譲マンションで展開しています。
——いつから「ZEH-M」に取り組んでいるのでしょうか?
三木さん弊社が具体的に「ZEH」に取り組み始めたのは2017年頃です。2019年に竣工した「ライオンズ芦屋グランフォート」が、日本初(※2)の「Nearly ZEH-M(ニアリー ゼッチエム)」として認証されました。
日本初の「Nearly ZEH-M」として認証された「ライオンズ芦屋グランフォート」。
断熱性能の向上や「次世代エネファーム」による高効率な発電などにより、
専有部の一次エネルギー消費量を31%削減しました。
さらに太陽光発電で創エネすることで一次エネルギー消費量を合計79%削減しています。
三木さん当時は集合住宅のZEH基準が定められておらず、戸建てのZEH基準を基に、集合住宅のあるべきZEH基準を、弊社独自に模索しながら「ライオンズ芦屋グランフォート」を計画していました。
2017年9月から始まった経済産業省による「集合住宅におけるZEH ロードマップ検討委員会」では、弊社の「ライオンズ芦屋グランフォート」が先導的な集合住宅の事例として取り上げられ、その後2018年5月に集合住宅のZEH基準が示されて、「ライオンズ芦屋グランフォート」が日本初(※2)のBELS(※3)による「Nearly ZEH-M」の認証を取得しました。
「ZEH-M」概念図(※4)。
断熱性の向上、高効率な設備・システムの導入、再生可能エネルギー設備の導入により
人にも地球にもやさしい住まいを実現します。
三木さん集合住宅のZEH定義の検討が始まる前からZEHに取り組み、さらに第1号の「ZEH-M」認証を取得したのが弊社でした。その後も積極的にZEHを推進し、2021年4月以降は、弊社では原則「ZEH-M Oriented」仕様のマンション開発を⾏っています。
大京の「ZEH-M」5つのメリット
三木さん「ZEH-M」の主なメリットは、上記の5つです。
「ZEH-M」で目指しているのは、「冬暖かく夏涼しい住まい」です。それはすなわち、室内の温度差が少なく健康的で、家計にも地球にもやさしい省エネと直結します。
今後脱炭素化がさらに進めば、既存住宅でも省エネ改修が義務化となる可能性もゼロではありません。今、省エネ住宅を選んでおくと、そういった将来のリスクに備えることもできます。
さらに今後、省エネ住宅の資産価値が上がる可能性があるので、中古住宅市場での価値が高くなり、リセールバリューの上昇につながるかもしれません。
「ZEH-M」マンション選びの指標の一つとして
マンションの最新性能が、新たな価値を生みます。
——お客さまの「ZEH-M」への反応はいかがですか?
三木さん販売中の物件や完売物件でのアンケート(※5)では、ご来場者さま・ご契約者さま共に高い評価をいただいています。物件の特性によりますので一概には言えませんが、60歳以上のご契約者さまの評価が高い傾向にあるように感じています。
今後新築では省エネ住宅が義務化されることが2022年4月に閣議決定されました。「ZEH-M」が新たなマンション選びの基準のひとつになるはずです。ぜひ、新築マンション選びの指標のひとつとしてご検討いただければと思います。
「ZEH-M」のその先、サステナブルな未来を目指して
「ライオンズ青砥レジデンス」は、
「ZEH-M Oriented(ゼッチ・エム・オリエンテッド)」認証を取得。
「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」による第三者認証で
最上級の五つ星を全棟・全住戸で取得しました。
——最近の新築マンションの「ZEH-M」事例をご紹介ください。
三木さん2023年竣工予定の「ライオンズ青砥レジデンス」は、「ZEH-M Oriented」認証の基準となる断熱性能をクリアし、住戸の一次エネルギー消費量をすべての住戸で20%以上削減いたしました。
「ライオンズ青砥レジデンス」各住戸玄関前に設置された
「ライオンズスマートボックス」(2021年度グッドデザイン賞受賞)。
三木さんまたライオンズ青砥レジデンスで初導入した「ライオンズスマートボックス」は、国土交通省が掲げる「宅配便の再配達削減」への寄与を期待しています。再配達のトラックから排出されるCO2量は、年間でおよそ42万トン(2015年国土交通省調査)と推計されています。再配達削減も、脱炭素化や環境への配慮につながります。このように、マンション全体として、脱炭素化、環境配慮、地域共生への配慮を行っています。
——今後は「ZEH-M」以外にも、さらに先進的な取り組みを考えていらっしゃいますか?
三木さん弊社は2010年より、開発する分譲マンションで、駐車区画数の10%にEV充電コンセントを標準設置していますが、今後は設置率を50%に引き上げるとともに、残りの駐車区画には、将来的にEV充電コンセントの増設が可能な空配管を設置することを決定いたしました。これにより、この先、EV充電コンセントの需要が拡大した際、管理組合さまの希望により増設工事が可能なので、当社分譲物件の駐車区画すべてでEV充電をご利用できるようにしております。将来的なEVの需要拡大を見据えて手軽に充電ができる駐車設備を備えることで、EVの普及を促進し、サステナブル社会の実現に貢献します。
弊社は、いち早く「ZEH-M」に取り組み、業界を先導してきたという自負がございます。今後も人と地球の未来を考えた暮らしの実現を目指して、さまざまなサステナブルな取り組みを行ってまいりたいと思います。
快適で健康的な暮らしに貢献できて、さらに省エネにも地球環境にもやさしい「ZEH-M」は、今後どんどんその性能を高めていきそうです。マンション選びの指標のひとつとしてぜひお役立てください。
【MAJOR7で大京の新築マンション一覧を見てみよう!】
1968年に第1号が誕生したライオンズマンションは全国へ広がり、累計供給戸数トップ(※6)の実績を築きました。大京の施工基準は300項目以上。専門のスタッフが厳しい管理を行い、マンションの基本品質を厳しく守り、お客さまに安心をお届けしています。
→株式会社大京
記事監修:株式会社大京
(※1)日本政府は「第6次エネルギー基本計画」の中で、2050年に住宅・建築物のストック平均でZEH・ZEB基準の水準の省エネルギー性能が確保されていることを目指すことを目標として掲げており、大京と穴吹工務店ではこの目標達成に向けて、ZEH-Mの普及に取り組んでいます。(出典:経済産業省「第6次エネルギー基本計画」より)
(※2)一般社団法人 住宅性能評価・表示協会が公表するBELS評価書交付物件より。
(※3)Building-Housing Energy-efficiency Labeling System(建築物省エネルギー性能表示制度)のことで、新築・既存の建築物において、省エネ性能を第三者評価機関が評価し認定する制度。
(※4)物件により設備・仕様は異なります。
(※5)ライオンズ東町公園ザ・ロイヤル(分譲済)、ライオンズ徳重グランヒルズ(分譲済)、ライオンズ茨木総持寺ステーションレジデンスのご契約へご来場時にアンケートを実施。(2019年9月~2022年2月)
(※6)全国の事業主別累計供給戸数ランキングで大京は第1位。不動産経済研究所調べのデータを基に算出。(2021年12月末現在)
2022年6月8日