マンションの駐車場のEV化を推進—大京の先進的な取り組み

サステナブル社会の実現に向けて、EV(電気自動車)への関心が高まりつつあります。株式会社大京では、今後開発する分譲マンションにおいて、駐車区画数の50%にEV充電コンセントの標準設置を決定しました。今回は、その詳細についてお話を伺いました。

2010年からマンションのEV充電コンセント標準普及に取り組む


株式会社大京 事業管理部 商品開発室 三木優子さんにお話を伺いました。

経済産業省は「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」に於いて、「2035年までに乗用車の新車販売で電動車※1100%を実現する」 という目標を掲げています。現在さまざまな支援策が実施され、EV(電気自動車)普及が進められています。

新築分譲マンションの駐車場でも、EV普及に備えた充電コンセントの設置が増えてきています。大京では、以前から業界に先駆けてマンションのEV普及を見据えた取り組みを行ってきました。

——いつ頃からEV充電コンセントの標準設置に取り組まれているのでしょうか?

三木さん2010年4月以降に着工したマンションの駐車場区画数の10%にEV充電コンセントの標準設置を決定・開始しました。これは、環境配慮型マンションの推進、将来的なマンション居住者さまの利便性の向上、EV普及に関する支援・促進を図るためのもので、業界初の取り組みでした。
弊社では、すべての分譲マンションにおいて、省エネを実現する「ZEH-M Oriented」※2の基準を満たす取り組みを行っており、地球温暖化対策に貢献するとともに、居住者さまが快適な暮らしができることを目指しております。EV充電コンセントの設置も、居住者さまの将来的な利便性を考えて実施するものです。

EV充電コンセントの標準設置率を10%から50%に引き上げ


「マンション駐車場にEV充電設備があれば、
車も人も安心して「おうち」に帰ることができます。
(イメージ)

——2022年5月のニュースリリースでは、設置率が50%に引き上げられましたね?

三木さん弊社が今後開発する新築分譲マンションの駐車区画数の充電コンセント設置率を50%に引き上げることを決定しました。また残りの駐車区画には、将来EV充電コンセントの増設が可能な空配管※3を設置いたします。弊社開発物件で2024年以降、対応している新築分譲マンションが随時入居開始となります。対応マンションでは、駐車区画すべてでEV充電(空配管設置含む)をご利用いただけるようになります。

——将来的な増設にも対応できるということですね?

三木さん先程申しました通り、弊社は2010年からマンションの駐車区画へのEV充電コンセント設置に取り組み、13年の実績とノウハウを蓄積しています。今後EV充電の技術が著しく進化した場合にも、空配管が設置されていれば最新設備へのバージョンアップが可能です。居住者さまのEV所有率増加にも配慮した設計となっています。

EV充電はスマートフォンのアプリで利用から支払いまで完結


駐車区画に設置された「WeCharge」対応のコンセントと充電器。
スマートフォンで、コンセント部分のバーコードを読み取ります。
(イメージ)

——実際にEV充電はどのように操作・料金の支払いをするのでしょうか?

三木さん今回の取り組みでは、ユビ電株式会社(以降ユビ電)の電気自動車充電サービス「WeCharge」を導入しました。課金運用コントローラー「WeCharge HUB」をマンションに設置しており、ご利用者さまは、スマートフォンの「WeCharge」アプリ操作で充電コンセント上のバーコードを読み取ります。アプリの操作で、充電開始や終了の遠隔制御から料金の支払いまでのすべてを簡単に行えます。

【充電の手順】

「WeCharge」対応のコンセントとEVを充電ケーブルでつなぎます。

スマートフォンの「WeCharge」アプリでQRコードを読み込み、操作することで充電開始。

指定時間経過後、EV充電が完了します。

——充電にかかる時間はどの位ですか? またマンションの場合、駐車場は共用設備ですが、充電した電気代はどういう決済となるのでしょう?

三木さん居住者さまがマンションへ帰宅して駐車場に車を置き、たとえば毎日100km運転される方でも、毎日6〜7時間・200Vコンセントで充電すれば一晩で満充電となります※4
EV充電コンセントは共用設備ですが、充電にかかる電気代は利用者負担とする、公平な運用としました。利用料金は、EV利用頻度などに応じた複数の料金プランからお選びいただけます。また、利用料金は各利用者からユビ電がアプリを通じて直接集金をするので、管理組合の集金手間の軽減につながります。

問い合わせ続々!高まるマンションEV充電への期待


充電コンセント付き駐車場で充電中のEV。
(イメージ)

——昨年5月の発表後の反応はいかがですか?

三木さんおかげさまで発表以来多くのお問い合わせをいただいており、既存ライオンズマンションの管理組合さまからもお問い合わせをいただくなど、新築・既存マンションどちらもEV充電の設置への期待値が高いと実感しております。
EVの普及に向けては「車が先か充電設備が先か」という議論がよくなされています。次の時代のスタンダートになると思われる設備を先取りして導入することで、マンションの将来の資産価値の維持に貢献できると考えています。弊社開発マンションの居住者さまに必ず喜ばれる共用設備になるはずです。

——今後は、どのような展開を予定されていますか?

三木さん業界を先導してマンション駐車場へのEV充電設備を導入している弊社としては、今後もマンションのEV充電設備をより良く改善していきたいと考えています。機械式駐車場にEV充電設備を設置する際にはさまざまな問題があります。これはすべての駐車区画で充電できる環境を整えることを目指したからこそ気付けた点です。マンションの設備側だけではこの課題は解決できないため、今後は行政機関や自動車業界へも問題点改善を働きかけ、EV普及促進のためのお手伝いをしていきたいと考えています。


EVが近い将来のスタンダードになっていくことを考えると、最初からEV充電設備を導入しているかどうかは、これからの新築分譲マンション選びの重要なポイントになりそうです。マンション探しにお役立てください。

【MAJOR7で大京の新築マンション一覧を見てみよう!】

1968年に第1号が誕生したライオンズマンションは全国へ広がり、累計供給戸数トップ(※5)の実績を築きました。大京の施工基準は300項目以上。専門のスタッフが厳しい管理を行い、マンションの基本品質を厳しく守り、お客さまに安心をお届けしています。

記事監修:株式会社大京

※1.電動車とは電気自動車、燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド自動車のこと。
※2.一定の断熱性能や高効率設備の導入により省エネ性能を上げることで、共用部を含むマンション全体で一次エネルギー消費量を基準一次エネルギー消費量より20%以上削減するマンションのこと。
※3.充電設備は共用設備となります。増設する場合の費用は、管理組合負担での対応となります。
※4.「WeCharge」HPによる https://www.wecharge.com/aptcnp
※5.全国の事業主別累計供給戸数ランキングで大京は第1位。(株)不動産経済研究所調べのデータを基に算出。
(2021年12月末現在)

取材内容は2023年3月9日現在のもので変更になる可能性があります

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