ホームステージングの専門家森山由佳さんに教わる、お部屋を魅力的に見せるコツ

MAJOR'S Column

2023年5月16日

賃貸や中古マンションを魅力的にデコレーションするホームステージングという技術をご存じですか?ホームステージングの施工実績500件以上、ルームディレクターの森山由佳さんに、新築マンションのお部屋を魅力的に見せるコツを教わりました。

縦長リビングダイニングを広く見せるコツ


ルームディレクターとして、
お部屋の魅力を最大限に引き出すインテリアコーディネートを企画している森山由佳さん。

ホームステージングという言葉は、聞き慣れない方も多いと思います。ホームステージングとは、不動産の販売や賃貸募集の際、家具や小物をコーディネートして、物件を魅力的に見せるモデルルームを作ることです。空間の魅力を最大限に活用し、入居者や購入者に暮らしのイメージを具体的に伝えます。ホームステージングの専門家である森山さんにお話を伺いました。

森山さんこれまでに500件以上の物件のホームステージングを手がけてきましたが、物件によってさまざまな間取りがあります。それぞれの部屋をいかに魅力的に見せるかという技術は、新築マンションを購入した方のインテリアづくりにも役立つかもしれません。どのようにホームステージングしたのか、事例と一緒にご紹介しますね。


タイムラプスで、細長リビングダイニングのインテリアが完成する様子をご紹介。
なんと所要時間1時間で完成です!

森山さんこの事例は、1LDKの角部屋のマンションです。向かって左側にキッチン、細長いリビングダイニングの奥に、ベランダに面したお部屋があります。二面採光・角部屋の明るいお部屋の魅力を引き出すように、「ナチュラルシンプル」をインテリアのテーマにしました。
1時間でコーディネートが完成したのは、事前に間取り図で家具や小物のサイズと位置をシミュレーションしているからです。私達は搬入と配置を短時間で終える必要がありますので下準備をしっかり行います。これも、皆さんの新居に活用いただけるポイントだと思います。

【POINT①間取り図で事前シミュレーション】

間取り図を見ながら、配置したい家具や小物をレイアウトします。サイズ確認も重要です。またお客様がイメージしやすいように、配置する家具や小物の写真を間取り図まわりにコラージュしたイメージボードで提案します。


細長いリビングダイニングのビフォア&アフター。

森山さん細長いリビングダイニングは、奥の部屋とバルコニーを行き来する通り道でもあるので、大きな家具(ソファやダイニングテーブル)を左側に寄せる配置にして奥行きが出るように工夫し、通りやすい動線を設けました。細長い部屋を家具で2つにゾーニングして、食事の場所と寛ぐ場所を分けて、お部屋での暮らしをイメージしやすく見せています。

【POINT②動線重視】

ホームステージングで注意しているのは、見学者や案内の方が部屋を見やすいよう、動線上に家具や小物を置かないこと。動線を考えることは、暮らす上でも役立ちますし、お部屋がすっきり見えます。

L字型リビングダイニングと眺望を魅力的に見せるコツ


高層階で、晴れた日にはバルコニーから富士山がよく見えるお部屋。
この眺望が引き立つようにインテリアコーディネートを考えました。

森山さんこの事例は、奥にバルコニーとL字型のリビングダイニングがあるお部屋です。バルコニーから富士山がどーんと見える高層階からの眺望が、お部屋の魅力のひとつ。部屋に入った瞬間、眺望に目がいくように、テレビ台はナチュラル系の無垢材、ソファは淡いベージュ色を主体にしました。目に入りやすい大きな家具類をナチュラルカラーで統一すると、眺望への視線の邪魔をしません。
空間の中で最初にぱっと目がいく場所のことを「フォーカルポイント」といいます。私達の仕事では、お部屋の中の魅力ポイントに「フォーカルポイント」を定めるようにしています。


ホームステージング後のL字型リビングダイニング。
キッチンに隣接している右側にダイニングテーブルを置いています
廊下から部屋に入った瞬間、まず眺望に目を奪われます。
【POINT③お部屋の魅力ポイントを決める】

今回は、眺望の魅力を重視したコーディネートでしたが、お部屋によって魅力はそれぞれ。どこを見てほしいのか魅力ポイントをひとつ決め、そこに「フォーカルポイント」を定めて、魅力が引き立つコーディネートを考えていくのもひとつの方法です。

フェイクグリーンはお部屋の万能インテリア


ホームステージングでよく使うのは、フェイクグリーン。
これも「フォーカルポイント」に置くようにしています。

森山さん私のステージングでは、室内でも特にくつろぐ場所(単身用のお部屋ではベッド周り、ファミリータイプではリビングのソファやTV周りなど)にグリーンを置くことが多いです。最近の量販店で売っているフェイクグリーンは、かなりよくできていてバラエティも豊富。フェイクグリーンは土がいらないので、日当たりや置く場所を気にせず置けます。飾り方の自由度が高まる点でも大変おすすめです。「観葉植物はお世話が大変」「あまり日差しが入らない部屋にもグリーンが欲しい」という方にオススメです。


ソファやラグなど、部屋の中で広い面積を占めるものに、赤などの強い色を入れると
空間が引き締まるそうです。そしてここにもフェイクグリーンをあちらこちらに。

森山さんこれらのフェイクグリーンは棚に置いたり、視線の高さに来たりするように、高さを変えて飾ると、動きが生まれて存在感もアップします。最近では、消臭機能を持つフェイクグリーンなどもあります。においの気になりやすい水周りに置いてみるのも効果的です。

【POINT④フェイクグリーン活用】

フェイクグリーンは、「ここを見せたい」という「フォーカルポイント」に置きます。本物の観葉植物と違って日当たりを気にする必要がないので、インテリア小物のひとつとして自由に大胆に使ってみてください。

●間取り図で家具シミュレーション


最初に紹介した「縦長リビングダイニング」のイメージボード。
どんな雰囲気のモデルルームにするか、提案をわかりやすく見せています

森山さん「POINT①間取り図で事前シミュレーション」でお話したように、私達が使うイメージボードを利用すれば、皆さんがインテリアを考える時に役立つはずです。


こちらは「L字型リビングダイニング」のイメージボードです。

森山さんインテリアのテーマを決めることと同時に大切なのが、搬入する家具サイズの確認です。大きな家具は、サイズ的には入るはずなのに、部屋のドアを通れなくて入らない場合もあります。間取り図でサイズを確認したら、玄関や部屋のドアからの搬入経路もしっかり事前に確認しましょう。特に手すり付きソファは、ドアで手すりが引っかかることも多いので要注意です。ホームステージングの技術を、新居のインテリアにご活用ください。


見せ方を考えるホームステージングの技術は、そのまま新居のインテリアに簡単に取り入れられそうです。間取り図を見ながら、どんな家具や小物がいいのか考えるのも、新居選びの楽しみのひとつ。ぜひMAJOR7で新築マンションの間取りを検索してみてください。

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ルームディレクター 森山由佳さん

宅地建物取引士、ルームディレクター、スタイリスト。賃貸アパートやマンションに特化したお部屋のトータルコーディネートやモデルルームのような演出「ホームステージング」などを手がける。一人ひとりの生活スタイルが異なるように、1部屋1部屋をお客様だけのためにコーディネートするスタイリングが好評。元女子プロレスラーという異色の経歴をお持ちの、三児の母。

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記事監修:森山由佳

※取材内容は2023年5月16日現在のもので変更になる可能性があります。

2023年5月16日

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