おかたづけトレーナーの山中治子さんに聞く、引っ越し前のマインドセットづくり

MAJOR'S Column

2023年5月16日

新築マンションへ引っ越す際に一番大変なのが「おかたづけ」。引っ越し前には、これから使うものと使わないものの分別。引っ越し先では、整理と収納場所も大きな問題です。せっかくの新築マンションへのお引っ越し。ポジティブに効率良く作業したいものです。「床が見えなくても、驚かないよ~!」という、おかたづけトレーナーの山中治子さんに、引っ越しに際して「リバウンドしないおかたづけ」の考え方をお話ししていただきました。

おかたづけが楽しくなる魔法のスイッチをON!


「はるちゃん」の愛称で親しまれている、おかたづけトレーナー山中はるこさん。
ご自身も「おかたづけが好きではない」と公言されているように、
おかたづけが苦手な方の心に寄り添ったおかたづけが人気です。

山中さん「おかたづけって、上から目線で怒られるんでしょう?」と、よく聞かれます。いいえ、私は怒りません。私は、おかたづけが好きなのではなく、人が大好き。その方が、おかたづけによって、みるみる気持ちまで変わっていくさまを見るのが大好きなのです。
だから私が勝手にどんどん捨ててしまうとか、何も聞かないでかたづけてしまうことは決してありません。対話しながら、それぞれのお客様の生活に合った「カスタマイズおかたづけ」をご提案するので、「リバウンドしないおかたづけ」だといって喜んでくださいます。私のプログラムは、「お客様がご自分でおかたづけできるようになる」ことが最終目標です。


【1分でわかる!】はるちゃんのおかたづけは怖くない動画で自己紹介をしています。

山中さん「床の見えないお宅が大好物」です(笑)。お部屋がかたづいて床が見えてくると、お客様ご自身が劇的な変化に驚き、「心」も「体」も「思考」も変わるのです。床が見えなくなるまで物があふれてしまったのは、人それぞれ、さまざまな理由があります。実は真面目な几帳面な方ほど、ゴミの仕分けや分別・「寄付しよう」「誰かにあげよう」で悩み、あふれてしまいます。私は、お客様のおかたづけのスイッチをON状態にするお手伝いです。そこから自分に合ったおかたづけのコツがわかって、物を出し戻しする仕組みができれば、みるみる変わっていくのです。
皆さんも、ひとつのお部屋やクローゼットの片隅に物があふれていませんか?引っ越し前といわず、引き出し一つでも今すぐ片付けてみると、おかたづけスイッチがONになってぐんとマインドセットが変わりますよ。

スーツ60着処分、メイクタワー、戻しやすい仕組みづくり


6畳のお部屋が、ほぼ旦那様の洋服であふれていたお客様のお宅。
旦那様のおかたづけをサポートして、60着のスーツを手放されることになりました。

山中さんあるお客様は、「床の見えないお部屋」のおかたづけを奥様と進めているうちに、当初は「僕の物には触らないで」とおっしゃっていた旦那様の気持ちにも変化が生まれてきました。旦那様から「かたづけたい!」というご依頼で、たくさんお持ちの洋服をかたづけることに。
洋服をすべて出していただくと、腰の高さまで洋服の山ができました。オン/オフシーズン・冠婚葬祭で、着ている洋服だけを分けていただき、必要な物だけクローゼットに戻していきました。すると、残ったのはスーツの山60着。実はサイズが合わなくて着なくなったスーツをどう処分していいかわからないまま、山のようになっていたそうです。60着のスーツは、古着の買い取りで手放すことができました。必要な洋服がわかって、不要な洋服の手放し方がわかるだけで、どんどんかたづくのです。


メイク道具やヘアーアクセサリーをたくさんお持ちのお客様には、
「コスメタワー」と「ヘアーアクセサリータワー」での分類をおすすめしました。

山中さんメイク道具やヘアーアクセサリーがお好きなお客様は、山のように物であふれていました。まず、未開封と使用中のコスメに分けることから始めました。次にベースやアイシャドーなどのジャンル分け。ヘアーアクセサリーもジャンルで分類して、お宅にあった背の高い引き出し2つに分類してラベリング収納しました。それぞれ「コスメタワー」「ヘアーアクセサリータワー」として、今も使っては戻して、心地よい生活を維持してくださっています。
おかたづけして元に戻す仕組みまでつくったことで、何をどのくらい持っているのかということがわかり、元に戻す行為も簡単にできるようになります。

不要になったものの行く末は、多様な選択肢から選ぶ


お客様のお宅にたくさんあった絵本やおもちゃは、保育園に寄贈したそうです。
使ってくださる相手の顔が見えるところに渡すのっていいですね。

山中さんおかたづけが進んでいくと、老若男女関わらず、どんどんおかたづけのスピードが上がっていきます。それは自分で、「使っている」/「使っていない」の判断ができるようになったから。
「使っていない」に分類された物は、すべて「捨てる」のではなく、売る・寄附する・資源ごみとして処分するなど、最近はさまざまな選択肢があります。私は、お客様に選択肢とメリット/デメリットをお伝えして、物を手放すお手伝いをするだけです。


たとえば、英語や資格勉強の参考書や問題集が使わないままたまっていることも多いはず。

山中さん使わないけれど、「いつか使うから」と残してあるものも多いと思います。常に「未来の自分が使うのかどうか?」という問いかけを、自分に繰り返して考えていくことが必要です。今使わないのなら、使いたい方に売る・譲るのもひとつの方法です。

物のおかたづけの固定概念にとらわれない


「玄関のたたきに三角に空いたスペースがあるだけで、床が見えないお宅もありました。
でも、ご本人ががんばってくださったので
ちゃんとおかたづけができましたよ!」と、はるちゃん。

山中さんおかたづけに伺う前に、お客様自身にお部屋の写真を5枚程度撮影していただきます。写真を撮ることで、客観的に自分のお部屋を見ることができ、おかたづけが終わった後に以前の写真を見て、「もうこの状態には戻りたくない」とお客様が感じてくださることが大事なのです。
頑張ったご自分を褒めていただきたいためにも、Before写真の撮影をおすすめしています。 皆さんも、お引っ越し前のかたづいていない状態を、写真で撮影してみてください。これは引っ越しに向けてマインドセットを変える意味でも役立ちます。「自分の未来にとって必要な物はどれかしら?」とご自分と対話しながら、未来の自分に必要な物だけを残すようにしてみませんか?


物が山積みだった90㎡の家から、50㎡のマンションへ引っ越しされたご夫妻。
お部屋が広いとつい物がたまり、最終的には荷物の山のような状態に。
おかたづけでスッキリして、新居へお引っ越しできました。

山中さんおかたづけをしていて気付くのは、お客様の固定概念です。洋服はきれいに畳んで収納するもの、掃除道具はここに置くもの…どれも固定概念に縛られて、自分に合った場所に物が置かれていない、楽なかたづけ方になっていないのです。だから物を元に戻せなくなってしまう。物を元に戻すのが楽になる、そんな自分に合ったおかたづけを、ご自分と対話しながら見つけるようにしてみてください。まずは、新居のマンションで「使っている物」/「使っていない物」の分類から初めてみませんか?


引っ越し前におかたづけの仕組みができあがっていれば、新居での暮らしも安心です。リバウンドしないおかたづけを心がけて、お引っ越ししたいものですね。

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おかたづけトレーナー 山中治子さん

「はるちゃんの なんでも おかたづけ!」代表。「おかたづけ」の向こう側にある、お客さまが本来持っている物(能力)、ステキな未来や本当にやりたかったことを引き出す「おかたづけ」を目指す。日本全国どこまでも!楽しく!楽ちん!笑いっぱなしのおかたづけ!を提供中。著書に『実は、おかたづけが好きではない おかたづけトレーナーはるちゃんの「おうち」「こころ」「からだ」が軽くなるおかたづけ』(KDP)。

はるちゃんの なんでも おかたづけ!

記事監修:山中治子

取材内容は2023年5月16日現在のもので変更になる可能性があります

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