東京・南青山「ギャルリーワッツ」の山本詩野さんに、自由に表現するテーブルコーディネート術をアドバイスしていただきました。今回山本詩野さんが提案するのは、豪華な器やカトラリー、テーブルクロスが揃っていなくても、食卓を真っ白なキャンバスだと捉えて自由な発想で彩る、テーブルランナーによるコーディネートです。
食卓は真っ白なキャンバス!テーブルランナーを活用して
我が家ではアーティストのテキスタイル作品をテーブルランナーとしても活用しています。
敷くだけでテーブルが楽しい雰囲気に。
山本さんよく「食卓はキャンバス」とお話ししています。食卓は、料理や器、カトラリー、クロスを組み合わせて、一枚の絵を描くように自由に表現できる場です。堅苦しいルールは不要。その時の気分で自分のお気に入りを並べて、クリエイションを楽しみましょう。
テーブルコーディネートを構成する要素はいくつかありますが、今回は簡単に印象が変わるテーブルランナー(テーブルの中央にかける細長い帯状の布、以下ランナー)を活用したコーディネートを紹介します。小さなランナーなら多種多様なものを取り入れられますよ。
【ブランチのテーブルコーディネート】
朝から元気が出るイエローチェックのランナーを敷いて。
赤いステッチや刺繍が手仕事のあたたかみを感じさせます。
ガラスのオブジェやキャンドル、一輪挿しの植物も並べて、明るく楽しい雰囲気に。
【ティータイムのテーブルコーディネート】
赤い縁どりのシンプルなランナーに散りばめた、ティータイムのコーディネート。
ダンスするふたりのオブジェで軽やかさを演出。
花モチーフのティーカップに、蝶々刺繍のナフキンを添えてあそび心を。
このオブジェは、ラファエル・ナヴァスさんの陶作品。
食卓に小さなアートがあれば、そこから何気ない会話が弾むこともあります。
【夕食のテーブルコーディネート】
キャンドルは食卓のムードメーカー。
ボーダーのランナーでモダンに。点と線の繋がりを遊んだナフキンをセレクト。
山本さんテーブルクロスより小さな面積のランナーをテーブルの中央に敷くだけでも、食卓のイメージが変わります。私は、お気に入りの小さなアート作品もよくコーディネートに取り入れます。食卓とは一見関係なくても会話が弾むきっかけになりますし、アートが暮らしの中に溶け込んで、心を豊かにしてくれます。
無地×柄の組み合わせ、画用紙も立派なテーブルプレース
無地の生成りのテーブルクロスに、華やかなテキスタイルを重ねて
柄×無地のクロスのコーディネート。食卓が一気に華やぎます。
山本さんどのご家庭でもシンプルなテーブルクロスをお持ちだと思います。そこにもう1枚布を重ねることで、いつもの食卓の景色が一変します。食卓用でなくてもお気に入りの生地を掛けるだけで、立派なランナーとなりますよ。
柄物生地の上に無地のランナーを敷いた、柄×無地コーディネート。
柄を抑えながらテーブルにコントラストが生まれて、器が映えます。
ランナーをテーブルに垂直に垂らすことでまた違うアクセントに。
器のどこかに同系色を取り入れると全体の統一感が生まれます。
カラフルな画用紙も、立派なプレースマット(1人分の皿やカトラリーを置く布)です。
画用紙にウェルカムメッセージやイラストを描けば、素敵なおもてなしの演出になります。
山本さんビタミンカラーの画用紙をテーブルに敷くだけでも雰囲気が変わります。汚れても気にならないから、お子さんが主役のホームパーティに使ってもよいですね。自由な発想でいろいろな素材を取り入れてみてください。
季節のモチーフをうまく取り入れる
船のロープ結びのテキスタイル。
貝殻や小石と一緒にコーディネートすれば、さらに夏らしい涼やかな食卓になります。
山本さん敷くだけで季節感のある食卓を演出できる布もあると便利です。夏なら貝殻、クリスマスならオーナメントなどの小物も散りばめて。ひとつテーマがあると、コーディネートもまとまりやすくなります。
ランナーはテーブルクロスの上に重ね使いすると、また奥行き感が生まれます。食卓用にこだわらず、お気に入りの色や柄の生地を自由な発想で食卓に活用してみてください。
世界中の言葉で「メリークリスマス」と書かれたテキスタイルのクロス。
赤い無地のテーブルクロスに重ねると、よりクリスマスらしい雰囲気に。
クリスマスモチーフの刺繍が施された80×80㎝クロスをテーブルクロスの上に敷いて。
刺繍モチーフが楽しめるようにガラスの取り皿を置いてみました。
豆皿や箸置き、サーバーも、食卓の名脇役
箸置きは、テーブルコーディネートに欠かせないアイテム。
ガラス、木、金属、陶器、さまざまな素材やモチーフの箸置きが食卓を彩ります。
山本さん箸置き、豆皿、サーバーも、食卓というキャンバスを演出する名脇役です。日頃からお気に入りのデザインのものを探してストックしています。箸置きは、貝や葉っぱなどで見立てても食卓が楽しく賑わいますよ。
豆皿は、楽しい色・形・素材・デザインのものを集めています。
塩やスパイス、フィンガーフードなどを載せても可愛いです。
写真右奥の少年少女が印刷された豆皿は、アンティークのおままごと用皿。
取分け用のサーバーは旅先で見つけることが多いです。
食卓を彩るのに一役かってくれる強い味方。
山本さん最初は基本となるテーブルクロスを1〜2枚持っていて、そこに面白い柄や色の布をプラスして、アレンジを変えていくと気軽だと思います。表情豊かな食卓が出来上がると、会話も弾みます。料理ももちろん大切ですが、料理を囲むひとときがまた心の栄養に。食卓というキャンバスを自由に楽しんでみてください。
テーブルコーディネートというとお客様をお迎えする時の特別なものと考えがちですが、ランナーやクロスを変えることから始めれば、気軽に出来そうです。新居が見つかったら、毎日楽しい食卓を演出したいものです。
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彫刻や絵画などのアートを初め、陶芸、衣、ジュエリーなどジャンルを問わず、国内外の個性的な作家の企画展を開催する南青山のギャラリー「ギャルリーワッツ」主宰。「こだわりを持って日々を過ごそう」という思いをコンセプトに、作品や作家との出会いの場を創造する。作品は購入可能で、ギャラリーや「WA2 ONLINE STORE」で入手できる。
→ギャルリーワッツ
→ギャルリーワッツFacebook
記事監修:山本詩野
取材内容は2022年11月16日現在のもので変更になる可能性があります