インテリアデザイナーの小野由記子さんに聞く!五感をフルに活用する楽しいキッチン

MAJOR'S Column

2022年8月17日

マンション選びに、キッチンは重要な要素。どんなキッチンが自分を楽しくワクワクさせるのか? 見た目も美しく、収納力を高めるためのキッチンアイデアを、インテリアデザイナーの小野由記子さんに伺いました。視覚・触覚・聴覚・嗅覚・味覚の五感に訴える楽しいキッチンまわりの小物やツールも紹介していただきました!

キッチンのカラーリングを考える


キッチンのシステム家具の薄い木目色と、床の濃いフローリング色との濃淡の組み合わせ。
写真提供:エスプリブラン(ip20 Einrichten)

——最近の新築マンションでは、数パターンのカラーセレクトが用意されています。どのカラーを選ぶと良いのか悩む点でもあります。

小野さん新築マンションのカラーセレクトは、数パターンのカラースキームが用意されていて、そこから選ぶことになります。マンションによって異なりますが、大体「ライト」「ミディアム」「ダーク」系のカラーセレクトでしょうか。
キッチンとリビングダイニングが隣接しているので、システムキッチンのカラーもセレクトできる場合は、フローリングや建具(戸や窓など)のカラーとの調和を考えて、統一感を持たせます。カップボードや収納家具を置く場合も、システムキッチンのカラーと合わせて計画したいものです。

カップボードやパントリー収納を考える


ドイツ製システム家具「ip20 Einrichten」で構成したキッチン。
ちょっとした隙間にも引き出し式のパントリーを設けることができます。
写真提供:エスプリブラン(ip20 Einrichten)

小野さん新築マンションでは、キッチンに隣接してパントリースペースがあったり、システムキッチンに向かいあうかたちでカップボード置き場が用意されていたりします。このスペースをフルに有効活用するために、使い勝手に合わせたシステム家具をオーダーすると、予想以上に収納が確保でき快適になります。私は、ドイツ製システム家具「ip20 Einrichten」をよくお勧めします。このシステム家具は、数年〜10年後に違う形に組み替えることもできます。家族構成に応じて形を変えながら一生使えるのもいいですね。


小野さんのキッチンのパントリースペース。
こちらもオーダーで作った棚なので、
隙間スペースもクロスやトレー置き場として活用できるように設計しました。

システム家具で冷蔵庫をすっぽり隠すこともできます。
冷蔵庫が見えないだけでスッキリとした印象。
写真提供:エスプリブラン(ip20 Einrichten)

小野さんシステム家具は、パネルカラーも選べるのでマンションのカラーリングとも合わせやすいです。また新築マンションでは、オプションで選べるカップボードも用意されています。キッチンスペースを100%フル活用できるように、自分の調理上のニーズを明確にしてからパントリーやカップボードを考えると、後々の使い勝手がぐんと違います。

ごみ箱は使いやすく美しく収納する


料理をしながらカウンターキッチンで過ごすことも多いという小野さん。
85㎝のカウンターに合わせて特注した、温もりある木製スツールを使っています。

小野さんマンションのシステムキッチンは使いやすく機能的ですが、ごみ箱を収納するスペースまで設けられているものは少ないと思います。最近の新築マンションはディスポーザーや24時間ごみ出し可能なので大きなごみ箱は不要とはいえ、キッチンに一時置き場としてのごみ箱は必要です。キッチンにごみ箱が飛び出して見えるだけで生活感が出てしまうのは残念です。ごみ箱もうまく収納できるカップボードやカウンターをあらかじめ計画しておくとよいですね。


小野さんのキッチンの場合。作り付けのキッチンカウンター下に
キャスター付きごみ箱を2つ置けるスペースを設けています。

キャスター付きだから、調理中はシンクの近くにごみ箱を引き出して使うことも。
これならごみ箱置き場の掃除も簡単ですね。

五感に訴える自然素材やグッドデザインのキッチンツール


キッチンカウンターにはいつも数種のグラスのトレーを置いているという小野さん。
気に入ったデザインや色のグラスを並べておくと、目にも嬉しいし、すぐに使えて便利。

小野さん毎日過ごすキッチンなので、キッチンツールはお気に入りのものを揃えてはいかがでしょう。大好きなグラスや調理道具があるだけでも、テンションが上がります。木や土などの天然素材、Bluetoothで音楽を流すスピーカー、グリーンなど、五感を刺激するツールもよいですね。いつも自分をご機嫌にしてくれるものばかりを集めて、素敵なキッチンインテリアを考えてください。


旅先で拾ってきた小石のコレクションは、来客時の箸置きにも活用。
樹形を活かしたカッティングボードは手になじんで触れるだけでも気持ちいい。

「手前の塩入れは八ヶ岳の作家もの、蓋付き容れ物は、塩入れとしています。
カナダの島の陶芸家の作品に、幼いころの娘が絵付けして焼いてもらいました」
思い出の刻まれた器を集めるのも、キッチンの歴史を作っていくようで素敵です。

ヴェネチアの手吹きグラスを使ったランプスタンドをキッチンカウンターに。
電球スピーカーをつけてあるので、iPhoneから音楽を流せます。

ガーデニングで育てているハーブ類を摘んできてキッチンに。
キッチンのグリーンは目を和ませ、その香りが食欲を刺激します。

小野さん私が代表理事を務める一般社団法人ケアリングデザインでは、「Good Over 50's®」という、50代以降の大人の暮らしの自己実現のために、自分らしい暮らし方を大切にした住まいづくりを提唱しています。もちろん50代以上に限ったことではなく、30〜40代のうちからこだわりを大切にした住まいを考えることは大切です。自分らしい暮らし方を突き詰めて考えていけば、自ずとマンション選びもしやすくなるのではないでしょうか?


ヨーロッパでは家の守り神的存在の「キッチン・ウィッチ(台所の魔女)」を飾って。

小野さんマンションを購入してキッチンの隅々のことまで考えるのは大変かもしれませんが、ここが踏ん張りどころです。キッチンまわりがピシッと出来上がっていないと、お部屋の印象も左右されます。安易に決めないで自分なりの使い勝手をとことん考え、必要があればオーダー家具も検討するなど、じっくりと計画してみてください。


自分らしくワクワクするようなキッチンは、自分でよく計画して一緒に育てていくものなのですね。素敵なキッチンのあるマンションをMAJOR7で探しませんか?

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インテリアデザイナー 小野由記子さん

一般社団法人ケアリングデザイン 代表理事、小野意匠計画代表。武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科インテリア専攻卒業。株式会社乃村工藝社、ロンドン研修を経て独立。インテリアの企画からコンセプト、デザイン、デコレーションまで行う。文化学園大学、多摩美術大学非常勤講師(〜2017)。
一般社団法人ケアリングデザイン
株式会社小野意匠計画

記事監修:小野由記子
取材協力:エスプリブラン株式会社(ip20 Einrichten)

2022年8月17日

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