マンションのキッチン、新築時のまま、いつもきれいに保っておきたいものです。とはいえ毎日使う場所だけに、つい汚れが溜まりがち。今回は、ハウスクリーニングの専門家キレイデザインの齋藤 順さん・順子さんに、実際にキッチン汚れのクリーニングを実演してポイントを解説していただきました。新築マンションのキッチンをきれいに保つコツのアドバイスもありますよ！
キッチンクリーニングに役立つお掃除アイテム
キレイデザインの齋藤 順さん・順子さんご夫婦。
この制服姿でお客様のお宅へお伺いします。
「女性スタッフに同行してほしい！」というリクエストにもお応えしています。
——齋藤 順さんは、現役デザイナーで音楽制作もハウスクリーニングも行うという異色の経歴ですね？
齋藤 順さん私の中では、デザイン、音楽、クリーニング、すべて同じ。どれもセンスが必要な仕事だと想います。もともと掃除好きな義父が仕事を引退して時間をもてあましていることから、一緒にクリーニングの仕事を始めることにしました。どの仕事も、やるからには本気。大手掃除会社に勤務して、プロの技術を身につけた上でスタートしました。掃除ってやってみると楽しいし、お客様が笑顔になってくださる仕事。デザインや音楽と共通の喜びがあります。
——一般の方が自分でキッチン掃除をする場合のポイントは何でしょう？
齋藤 順さんこれはどの場所にも言えることですが、とにかく汚れを溜めすぎないこと。週に1回は掃除するように習慣化してください。
またキッチンにはモノが多いですが、モノを避けて掃除するのは面倒になるので、できる限りキッチンにはモノを置かないようにすると、掃除が楽になります。
100円均一ショップやドラッグストアで、合計1,500円程度で揃うお掃除道具一式。
写真左上から、漂白剤、台所用洗剤、ネットスポンジ（ドラッグストアで購入可能）、
写真左下から、ツインブラシ、焦げとりスポンジ、ビニール手袋、耐水サンドペーパー240〜2000番入り（100円均一ショップで購入可能）。
——どんな洗剤や掃除道具を揃えればいいでしょう？
齋藤 順さんキレイデザインは、専門業者なのでさまざまな洗剤を使っていますが、お客様がオーガニック洗剤を使って欲しいというリクエストにも対応しています。赤ちゃんやペットのいるご家庭では、特にフローリングの床や戸棚などの手を触れる場所は、オーガニック洗剤を使いたいという方が多いです。
できればすべてそうしたいところですが、一度溜まった汚れは、オーガニック洗剤ではなかなか落としきれません。
一般の方は、上の写真のように、漂白剤や油汚れ用洗剤など、強力に汚れ落としができる一般洗剤、スポンジや焦げとりブラシなどを用意してください。また、アルカリ洗剤は強いので、指先を守るためにもビニール手袋は必須です。他に、長年放置してしまって洗剤では取れなくなったひどい水垢取りには、耐水サンドペーパーを用います。これだけあれば、一般家庭の掃除は一通りできるはずです。
水周りシンクと火周りガスコンロクリーニングのBefore&After
【シンクのお掃除①Before】
では実際に、水垢の溜まったシンクを掃除していただきます。
毎日使っているシンクは、水アカで曇りがちな状態です。
【シンクのお掃除②】
水栓のパーツ周りには、水道のカルキが水垢となって、なかなか落ちません。
【シンクのお掃除③】
水垢は中性洗剤で全体に汚れを落とした後に、
耐水サンドペーパーに水を含ませて磨いていきます。
サンドペーパーは、粗目の240番から極細目の2000番にかけて使っていきます。
新築マンションのキッチンなら、一番細かい2000番位で優しくこするといいでしょう。
【シンクのお掃除④After】
お掃除後のシンク。ピカピカの状態になりました。
毎日こうだと嬉しいですね。
齋藤 順さん水垢を溜めないためには、1日の最後に水を拭き取ることです。これは洗面所もお風呂場も同じです。使用後に水を拭き取るだけで、頑固な水垢対策になりますので、やってみてください。
【シンクのお掃除／専門家の場合】
キレイデザインでは、専用のポリッシャーで一気にシンクを磨き上げていきます。
みるみるきれいに磨き上がります。
（キレイデザインYouTubeチャンネルより）
【ガスコンロのお掃除①Before】
こちらはガスコンロのお掃除です。
お掃除しやすいガラストップはきれいですが、
五徳や火周りにしつこい油汚れがこびりついています。
【ガスコンロのお掃除②Before】
このこびりつきがなかなか落とせません。
【ガスコンロのお掃除③】
五徳はまとめて重曹を入れたお鍋でぐつぐつ煮込みます。
30分以上沸騰させたお湯で煮込むと、落ちやすくなります。
その後で、焦げとりスポンジでこすります。
【ガスコンロのお掃除④】
コンロ周りは、アルカリ洗剤をつけた焦げとりスポンジでこすって落とします。
掃除中のゴム手袋はお忘れなく！
【ガスコンロのお掃除⑤After】
すごーい。ピッカピッカに仕上がりました。
換気扇クリーニングのBefore&After
【換気扇のお掃除①Before】
換気扇カバーを外すとフィルターにツララのように油汚れがついていました。
換気扇って、できるなら見たくない場所。
でもこのままにはしておけません。
齋藤 順さん油は、実は2.5メートルも飛んでいます。知らぬ間に、キッチン周りの壁紙にくっついていることも！なので、調理後は壁面を拭くこともお忘れなく。レンジフードもこまめに拭いてください。
【換気扇のお掃除②Before】
換気扇のフィルターを外した奥には、シロッコファンがあります。ここもギッシリ油汚れが！
一般家庭だと、なかなかシロッコファンを外してまでの掃除はできませんよね。
【換気扇のお掃除③】
シロッコファンも重曹で30分以上沸騰したお湯で煮ます。
その後、焦げとりスポンジで汚れを落とします。
【換気扇のお掃除④】
煮沸しても落ちない汚れは、ツインブラシとアルカリ洗剤で汚れを取っていきます。
それでも落ちないガンコ汚れは、アルカリ洗剤をつけたマイナスドライバーなどで
直接汚れにアプローチしてください。
※金具などで、本体を傷つけないように注意します。
【換気扇のお掃除⑤After】
シロッコファンの掃除が終わりました！
油汚れは溜めると大変。やっぱり定期的なお掃除って必要ですね。
【換気扇のお掃除⑥】
換気扇まわりの油汚れもアルカリ洗剤とスポンジで落としていきます。
【換気扇のお掃除⑦After】
さっぱりきれいになった換気扇。
新しいフィルターもつけてさっぱり。気持ちいいですね。
齋藤 順さん掃除が終わった後に、お客様がニコニコ笑顔で喜んでくださると、この仕事やってよかったなあと思います。喜んでいただいてありがとうございます。
●新築マンションのキッチンをきれいに保つコツ
キレイデザインが、ガラスコーティング剤を塗布したキッチンシンクのBefore&After例。
くすんでいたシンクがピカピカに！
（キレイデザイン提供写真）
——これから新築マンションを購入する方に向けて、キッチン周りのきれいを保つためのアドバイスをいただけますか？
齋藤 順さん昨年、自分が新築を購入した際に、面倒がらずに最初にやっておけばよかった...と、とても後悔しているのが、シンクのガラスコーティングです。これからマンションを購入される方には、強くお勧めしたいです。最初にやっておけば、種類によりますが1〜2年は効果が持続します。シンク、洗面ボウル、浴槽などの水周りに、ガラスコーティングをしておくと、後のお掃除も楽になります。
※新築分譲マンションでは、購入時にオプションで水周りコーティングを選べる場合があります。また、システムキッチン、洗面ボウル、湯船によっては、防カビ・抗菌・撥水の加工済み商品もありますので、最初にご確認ください。
【水周りのガラスコーティングのメリット】
・汚れが落ちやすい
・水垢がつきにくい
・カビの発生を予防
・傷が付きにくくなる
齋藤 順さんこれから新築マンションを購入する方は、水周りや火周りなどの汚れやすい場所を中心に、汚れを溜めすぎないように心がけてください。掃除って、毎日の繰り返しです。それでも落ちない汚れが出た時には、ぜひ我々専門家をお呼びいただければと思います。
新築のうちからこまめな掃除を心がけて、きれいを持続させたいものですね。新築マンションのキッチンや洗面所、浴室には、最新の設備が導入されていますよ。MAJOR7でぜひご確認ください。
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記事監修：キレイデザイン
取材内容は2023年11月21日現在のもので変更になる可能性があります
