お部屋の収納にラベルを使っていますか? 意外と途中でラベリングに挫折する人も多いようですが、それはラベリングの必要な場所と不要な場所を仕分けしていないことに原因がありました。ラベリングの本来の意味と使い分け方法を、整理収納アドバイザー野中幸子さんにアドバイスしていただきました。
ラベリングは誰のために・何のために必要?
整理収納アドバイザー野中幸子さんが、自宅で実際に作って使っている
ラベリング例を拝見しながらアドバイスを伺いました。
野中さんラベリングは、デザインに凝ると楽しいものですが、やりすぎると本来の目的を見失いがちです。ラベリングは、誰のために、何のために必要なのか、少し整理してからとりかかると良いと思います。例外もありますが、大まかに以下のような分類ができます。
・目的:使う人みんなが探さず、迷わず、必要な物を必要な時に使えるため
・決めた定位置の目印になる
・どんな物にいい?:使用頻度の低い物、家族で共有する物など
・どんな場所にいい?:押入の中の収納、引き出しなど
・どんな物には不要?:毎日頻繁に使う使用頻度の高い物、個人所有の物など
・どんな場所には不要?:物が見える収納場所、よくつかう物の場所
野中さん宅のリビングにあるテレビボード下キャビネット。
リビングでよく使う物(充電コードなど)は、ここに収めています。
よく目にする場所なので、統一したボックスにラベリングして収納。
「缶ビール350㎖が6本入るトレーを冷蔵庫内に入れて定位置を決めてからは、
夫が自分のビールを管理・補充するようになりました」と野中さん。
野中さん夫婦間では毎回「あれどこ?」と聞かれることが、夫婦喧嘩に発展する場合も。家庭の平和を守るためにも、ラベリングが家族のメリットになることを伝えましょう。「不便なら変えるから言ってね」と、相手に選択権を残しておくのも大切です。家庭で共有している物のことなので、物の定位置と同様にラベルに書く文字もいつも家族と話し合いながら決めるのが良いですね。それは子どもとでも同じです。
用途に応じて、文字・イラスト・写真の3種類
野中さん我が家のラベリングは、①文字②イラスト付き③写真付きの3種類です。イラスト付きラベリングは、小さいお子さんのいるご家庭でおもちゃなどの整理によく使います。我が家では、私のストレス解消のためにイラスト入りラベルを使っています(笑)。
【①文字ラベル】
家族で共有する物、リビングや押し入れなどに収納している物に
文字ラベルを貼っています。
【②イラストラベル】
入浴の度に、夫から「タオルどこ?肌着どこ?」と訊かれるのが
実は私のイライラの元でした(笑)。
入浴に必要な着替えやタオルは、洗面所の引き出しに収納。
手書きイラストでラベリングすれば、書く時も見る時も楽しくて、自分の気分も上がります。
【③写真ラベル】
押入のストック品の収納は、中の写真を撮って一目でわかる写真ラベルにしています。
写真ラベルは、備蓄食の収納など雑多な物をひとまとめにした収納にも適しています。
スマホでイラスト入り&写真入りラベル作り
【市販のラベリンググッズを使う】
市販品の「ラベルプレート」「ラベリングカード」もあります。
イラスト入りカードをプレートに入れて、お子さんと楽しみながら簡単に作れます。
野中さん市販品のイラスト入りラベルを使って、お子さんと一緒におもちゃや学校用品のラベル作りをしてもよいですね。お子さんと一緒にラベル作りをすれば、お片づけへの意識も高まります。
【写真入りラベルを作る方法】
写真入りラベルは、スマホのアプリで文字を入れてカラープリンターで出力します。
写真で内容は一目瞭然なので、大まかなジャンルだけ文字で説明しておきます。
野中さん写真入りラベルは、箱や引き出しにしまったストック品やおもちゃなどに適しています。作り方はスマホとプリンターでごく簡単です。
①スマホのカメラで、収納した物を写真に撮ります。
②印刷前に、スマホの写真アプリで文字を入れて、プリンターでカラー印刷します。
③プリントアウトしたものをハサミで切り分け、セロテープをクルンと輪にして裏に貼り付けて完了。
押し入れに収納しているボックスは、中を開ける必要がないように
文字入り写真でラベリングしています。
本来の目的「わかりやすさ」からブレない!
キッチン横にあるタッパーやストック品のオープンシェルフ。
毎日使う物ばかりで誰が見ても一目瞭然の棚は、あえてラベリングする必要はありません。
ストックが目に見えて補充しやすいという効果もあります。
野中さんラベリングは楽しいですが、ラベル作りに夢中になりすぎないように注意してください。貼ればきれいに片付くというわけではないので、そもそもなぜラベリングするのか?という根本に立ち返ってみてください。家族からいつも物の場所を聞かれてイライラすることがなく、みんながわかりやすい・使いやすい戻しやすいことが最優先課題です。ラベリングの前に、「なぜここにラベルが必要なのか?」と、一度自分に問いかけてみてくださいね。
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整理収納片づけを通してこころを育む「ここはぐおかたづけ」代表。物は、持ち主の価値観や潜在意識が表れます。物を整えることで、住む環境だけでなく心と思考の癖を同時に整理できます。片づけを通して、その人の「らしさ」である「好きと得意」を生かし、心地よく生きるための住環境づくりを、大人と子どもたちと一緒に行っています。整理収納アドバイザー1級、整理収納教育士、発達支援教育士、親・子の片づけインストラクター1級、企業内整理収納マネージャー。
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記事監修:野中幸子
取材内容は2022年7月5日現在のもので変更になる可能性があります