整理収納アドバイザーの望月由貴子さんに聞く!「2LDKで4人家族が気持ち良く住む行動動線」

MAJOR'S Column

2018年4月26日

住む人の行動動線に沿った合理的な提案が人気の、整理収納アドバイザーの望月由貴子さん。今回は、子育てママさんお2人のマンションライフのお悩み解決に挑戦します。
これから新たにマンションを購入する方も必読!の暮らしのアイデアがいっぱい詰まっていますよ!

3LDKを2LDKに間取り変更、でも子どもが成長するに連れて何かと問題が…


ご相談者の平尾美絵さん(写真左)と畑野ちか子さん(右)。

今回のご相談者は、畑野ちか子さん(夫、13歳の長男、4歳の次男の4人家族)と平尾美絵さん(夫、9歳の長男、5歳の長女の4人家族)のお2人。
お2人共、当初3LDKの間取りを変更して広い2LDKにして暮らしていらっしゃいます。しかしお子さんが成長してくるに連れて、何かと不都合を感じるようになってきたのがお悩みです。

畑野さん長男が中学生になって、最近リビングで寝るようになりました。息子のお友達もお泊まりに来ることがあって、家族の場所だったリビングが息子の部屋のようになりつつあります。
※畑野家の間取りはこちら

平尾さんうちはまだ子どもが小さいから私と一緒に寝室で寝ていますが、男の子と女の子なので、成長するときっと別々に子ども部屋が必要になってくるはず。「3LDKを2LDKにしなければ良かったのかなあ」と感じる時が最近増えてきました。
※平尾家の間取りはこちら


整理収納アドバイザーの望月さんは、娘さんと夫の3人暮らし。

望月さんでも、子ども部屋って本当に必要でしょうか?
以前先輩のお母さんからアドバイスされて、目から鱗だったことがあるんです。
「大きくなっても子ども部屋なんていらないわよ。中学生になったら部活で忙しくてほとんど家にいないんだから。土日も部活でいないんだし」と。確かに、いま部活で忙しい中学生の娘は、4〜5時間も家にいるかいないか。うちには、子ども部屋を設けていません。結局リビングで勉強するんですから。ONとOFFを切り替えて、ぐっすりと眠れる寝室さえ確保できていれば、問題ないと思います。

確かに私達は「部屋数が多くないといけない」とか「子ども部屋がなくちゃいけない」と、つい先入観を持って考えがちです。でも「マンションは、人が動きやすい行動動線と整理収納をきちんと考えれば、住みやすく変えられる」と、望月さんは言います。
では、具体的にお2人の悩みを伺って、一緒に考えながら対応策を検討してみましょう。

▼以前、望月さんにアドバイスいただいた行動動線の考え方はこちらの記事です。

リビングと寝室に子どもの洋服や勉強道具が分散しているのが悩み


畑野さん(夫、13歳の長男、4歳の次男の4人家族)。

畑野さんリビング・ダイニングは、元々和室だった部屋をリフォームしてPCスペースにしたので、息子はそちら側でゲームをしていることが多いです。いずれはここを仕切って、兄弟の子ども部屋にするべきなのかなと思っています。

望月さんそうですね、ソファを真ん中に置いて簡易的に仕切ってもいいし、可動式の壁で仕切ってもいいかもしれません。元々2部屋だったリビングなので、エアコンは2台あるということですから、仕切っても空調的に問題はありませんね。
きっちりと壁を作って子ども部屋にしてしまうよりは、簡易仕切りでフレキシブルな空間にしておいた方が、お子さんたちがいなくて空いている時間は、リビングを別の空間としても使えます。


畑野家の間取り。
「家族が使うモノは、それぞれの行動動線に合わせて
まとめて収納すると散らかりにくくなります」と、望月さん。

畑野さんいまは、便利だからリビングの片隅に下の子の着替えを置いてあったり、夫の部屋のクローゼットに長男の衣類が置いてあったりするんです。やっぱりひとつにまとめた方がいいですか?
それと2人兄弟なので、上の子の服はサイズ別に箱に入れて下の子用のストックとして取り置いてあるんです。そのストック箱が、あちこちの空きスペースに押し込んであって、これも悩みの種です。

望月さん家族の行動動線を考えて、よく使うモノはいつもよくいる場所にまとめる方が、散らかりにくくなります。お子さんのふだんの衣類が分散しているので、ひとつの場所にまとめるのが良いですね。
ストック服の段ボールは、ゴチャゴチャと点在していると、自分のストレスになります。すべて同じ箱に規格統一して、サイズがすぐわかるようにラベリングしてみては? ふだんすぐ出し入れするものではないので、クローゼットの最上段の棚にまとめておくとスッキリしますよ。

【これからマンションを購入する方へワンポイントアドバイス】

マンションのクローゼットは天井の高さまであるので、手の届きにくい最上段には、ストック服やふだん使わないものをまとめておくと良いと、望月さんはアドバイスします。箱には、ラベリングの他、中身の写真を貼っておくと、わかりやすくて使い勝手がいいそうです。

リビングの子ども用収納が満杯なのに、夫のベンチコートまで!


サーフィンが趣味の平尾さん(夫、9歳の長男、5歳の長女の4人家族)。

平尾さんうちもリビング・ダイニングと和室をひとつにしたので畑野さんの間取りとほとんど同じなんですが、庭付きの1階で庭側の出入り口を頻繁に使っているんです。本来の玄関は、宅配便の受け取りで使う程度。家族はみんな庭の出入り口から帰ってくるので、リビング・ダイニングへ夫や子どもの持ち帰ったモノで余計に混乱しがちです。ただ、キッチンカウンターの場所だけは庭から一番見える場所なので、このエリアのインテリアはキレイにしておこうと気を付けています。

望月さん玄関が2つある訳ですね。行動動線を考える上で、これはかなりレアなケースです。

平尾さんリビングには子ども用家具が置いてあって、ここからモノが溢れたら捨てるというルールで、子ども達には1ヶ月に1回の断捨離タイムを設けるようにしています。
リビングの押入には、サッカーや英語を習っている子ども達の習い事のバッグや教科書、着替えなどを収納しているんですが、引き出しがパンパン。1日30回位開け閉めするほどよく使う場所なのに、毎回イライラしてしまいます。さらにその子ども用のスペースに、冬の間は夫のかさばるベンチコートまで入れられていて、それもイライラの種です(笑)。


平尾家の間取り。庭の出入り口を主玄関として、
家族の行動動線を考え直し、本来の玄関まわりの収納は
オフシーズン物のストッカーとして活用する。

望月さん本来の玄関はあまり使っていないならば、ふだん使わないモノを玄関に収納して、庭に外置き可能なクローゼットを置いてお子さんのスパイクシューズやコートを置くというのも一つの方法です。
ご主人がベンチコートをリビングに置いているのは、主玄関として使っている庭の出入り口に近いからですね。ご主人の行動動線としては、理に叶っているんです。
リビングの子ども衣類を入れている収納の側に、突っ張りタイプのパネル式シェルフや簡易パーティションを置いて簡易仕切りを作り、そこを新たな収納スペースとして、お子さんやご主人のウォークインクローゼットにしてみてはどうでしょう? 

【これからマンションを購入する方へワンポイントアドバイス】

突っ張りタイプのパネル式シェルフや簡易パーティションは、部屋を仕切る他に、壁面に設置してコートやバッグ掛けとしても活用できますと、望月さん。間取り変更をする前に、お子さんの成長や部屋の用途に合わせてフレキシブルなパーティションを取り入れてみるのもひとつの方法ですね。

平尾さんサッカーをしている息子が1日に3回位着替えをするので衣類が多くて。押入の引き出しも、開けたままの方が使いやすい位です。

望月さん衣類はかさばりますからね。下着やパジャマなどの着替えは、洗面所に収納したらどうでしょう? お子さんもすぐ着替えが出来るし、着替えたらすぐ洗濯機に入れられて、行動動線もバッチリですよ。

「部屋の時間割り」と「リセットタイム」で、2LDKもぐんと使いやすくなる!


相談後に、今日考えた改善テーマを各自まとめていただきました。

畑野さんはふだんの子ども服もストック箱も含めて「子ども服の住所変更」を、平尾さんは、子どもの衣類の収納場所に置かれてしまうご主人の「ベンチコート」を打倒するため、リビングにウォークインクローゼットコーナーを検討することになりました。
最後に、これからマンションを購入しようと考えている方々に向けて、皆さんからアドバイスをいただきました。

畑野さん今回アドバイスを受けてみて、家族の暮らしや子どもの成長に合わせて、もっと自由にスペースを考えたい、工夫したいな、と思いました。ということで、自分へのエールも込めて「2LDKにしちゃっても大丈夫!」とアドバイスしたいです。今まで満喫した広めのリビングは、やっぱり開放感があり、好みには合っていたと思いますから。

平尾さん私は、もし将来子ども2人を想定しているご家庭であれば、最初は空き部屋になっても、仕切りを取らずに3LDKや4LDKで生活するのも良いかと思います。子どもが生まれる前や小さい間は、空き部屋をストレスフリーな静かな空間として活用して楽しめますし。今日教わった行動動線を取り入れれば、「仕切りがある・なし」に関係なく、家族が使いやすい部屋づくりが出来そうですね。

望月さんお2人のようにマンションの3LDKを2LDKに間取り変更している子育て世帯って多いと思います。そこで問題になるのが、共有の場であるリビング・ダイニングの使い方です。
「リビング・ダイニングは家族でシェアする部屋なのだ」と考えて、一日の内に誰がどの位の時間そこにいるのか、「お部屋の時間割り」を考えて、誰かが使う時間になったらきちんと片付ける「リセットタイム」を家族のルールにしてみてください。「時間割り」と「リセットタイム」で、ストレスなくみんなでリビング・ダイニングをシェアできるようになるはずです。
こうした使い方を、マンション選びの参考にしていただければ幸いです。


マンション選びに部屋数や間取りは重要な問題ですが、家族の成長と共に部屋の使い方は変化していくものです。まずは先入観を取り払って、「家族でどう暮らしたいか」「どう使いやすく住むか」を考えてみてもいいかもしれませんね。
まもなく大型連休です。ご夫婦や家族でゆっくり話し合える時間を利用して、これからマンション購入を検討中のカップルや子育て中のご夫婦も、リビング・ダイニングのフレキシブルな活用方法を検討してみてはいかがでしょう? きっと間取りやサイズ選びの参考になるはずです。

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整理収納アドバイザー

望月 由貴子さん

うきうきスタイル  ~毎日たのしく、心地好く~モノの整理で、自分らしさをみつけよう!

ハウスキーピング協会認定 整理収納アドバイザー、整理収納アドバイザー2級認定講師。整理収納作業や講座を通じて、心地好い暮らしのお手伝いを行う。8年間の学校図書館勤務で「こどもの時から整理のスキルを身に付ける」ことの重要さを痛感し、幼稚園や小学校で親子向け整理収納講座もおこなっている。営業事務のフルタイム勤務。地域の防災活動「溝の口 減災ガールズ」でも活躍中。

記事監修:望月由貴子

取材内容は2018年4月26日現在のもので変更になる可能性があります

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