整理収納アドバイザー望月由貴子さんに聞く!行動動線で考える子育て世帯の間取り選び

MAJOR'S Column

2017年12月21日

希望の広さと予算が合わないからと、マンション選びをあきらめていませんか?
住みやすい間取りを選び、整理収納を行えば、子育て世帯でも2LDKで快適に暮らす方法があります。整理収納アドバイザーの望月由貴子さんに、子育て世帯の間取り選びや行動動線に沿った整理収納のコツをアドバイスしていただきました。

子ども部屋が必要かどうかはライフスタイルに合わせて


整理収納アドバイザーの望月さん。

——子育て世代のマンション購入では、子ども部屋をどうするかというのが大きな問題のようです。何か良い解決方法はあるでしょうか?

望月さんご家族やお子さんの性格や好みによりますが、最近リビングで勉強する子どもが増えていますよね。うちの娘もダイニングテーブルで勉強するタイプです。我が家はリビングダイニングに接した和室に娘の勉強机を置いていますが、いつも引き戸を開けたままで、子ども部屋というよりは家族の共有スペース的な使い方になっています。

——子ども部屋は、必ずしも必要ではないのですね。

望月さん個室が集中できるというお子さん、リビングが勉強しやすいお子さん、いろいろだと思います。その点は、お子さんの性格や家族のライフスタイルに合わせて考えれば良いと思います。
将来必要になったら、家具で間仕切りして子ども部屋を作ることもできます。肝心なのはフレキシブルに変更できる、行動動線に沿って使いやすい間取りを選ぶことですね。

行動動線シミュレーションで使いやすい間取りを検討する

——行動動線とは、どんなものでしょう?

望月さん部屋の中で、人が自然に動く経路を線であらわしたものです。その人の行動パターンや癖に合わせて効率的な行動動線を考えれば、お部屋はぐんと使いやすくなります。
写真は我が家の間取りです。ブルーが夫、ピンクが私、グリーンが娘。帰宅時の我が家の行動動線を線で書き入れました。


間取り図に線で書き入れると、考えが整理しやすいそうです。

——行動動線は、家の中の行動シミュレーションなんですね。

望月さん娘は帰宅すると、まず洗面所で部活の洗濯物を出してから和室に入って「一時置き場」に荷物を置き、リビングダイニングへ。私は、寝室のウォークインクローゼットに上着や荷物を置いてから、キッチンへ直行。夫は、玄関隣にある部屋に荷物を置いてから、リビングに入ります。家族が家に帰って最初に入る場所にモノの定位置を決めておくと、モノが迷子にならないし、動きやすいですよ。


娘さん用の一時置き場。
学校から帰ってきたら、ここに荷物やプリントを置きます。

——購入検討時に家族の行動動線のシミュレーションをすると、どんな間取りが使いやすいかわかりますね。

望月さん間取り図で行動動線を考えれば、購入前の比較検討時に役立ちますし、購入後もお部屋の役割を考えるのに役立ちますよ。ぜひ一度やってみてください。

共働き世帯にオススメの2LDK間取りは、水回り集中型!


望月さんのキッチンは吊り戸棚のないオープンスタイル。
家族一緒にキッチンを使えます。

——たとえば2LDKを選んだ共働き家族には、どういう間取りがオススメですか?

望月さん共働き家庭は、家族がキッチンに入りやすくすると、誰もが手伝いやすくて助かると思います。さらに水回りの行動動線が一直線につながっていると、家事の時短になります。
2LDKでも3LDKでも、大切なのは行動動線と整理収納がしっかり練られているかどうかです。リビングは家族の共有スペースとして、置くモノを厳選し、いつもスッキリ片付けておきたいですね。省スペースかつバリアフリーでもある引き戸は、設計変更が出来るならやっておくと良いと思います。


共働き世帯にオススメの使いやすい2LDK(約60〜65平米)の間取り。

上記の間取りは理想のタイプですが、他の間取りから選ぶときは、望月さんからの4つのアドバイスを参考にして考えたいですね。
①キッチンの作業スペースの確保
②水回りへの生活動線
③リビングにはいま使うモノだけを選ぶ
④引き戸で多目的に部屋を使う

整理収納は、「いま使う・使わない」で取捨選択

——整理収納で、部屋を広く住むポイントを教えてください。

望月さんよくアドバイスするのは、「いま使う」「いま使わない」でモノを分別していただくことです。
「いま使わない」モノでも、全部捨てる必要はなくて、別の場所にしまうこともあります。
幼稚園や小学校での整理収納講座で子どもにモノの整理をしてもらうと、お母さんも知らなかったと 驚くようなモノが、いま大好きで使うモノだったりします。マイブームってありますからね。お子さん自身も自分のモノを整理収納する方法を学べば、お母さんも楽になりますよ。

「いま使う」モノは変化して当然。ラクに気持ち良く!

——望月さんのリビングはスッキリ片付いていますね。

望月さんありがとうございます。夫も「テレビまわりをスッキリさせたい」ということで、模様替えしたばかりです。この場所で「いま使う」「いま使わない」でモノを整理し直し、白いテレビボードを新たに購入。ブラウンウッド系が好みだったので、インテリアに白を取り入れるのは冒険でしたが、スッキリしました。


【BEFORE】以前のリビング。家具やプリンタ、さまざまなモノが混在していました。

【AFTER】新しく購入したテレビボードは、組み合わせや形を変えられるシステムです。

望月さん家族が「いま使う」モノって、旬があるというか日々変わっていくものなので使いやすいか、居心地がいいか、家族の意見を聞きながら一緒に家づくりを考えていくといいと思います。

モノの定位置は、行動動線から考えるとバッチリ!

望月さん行動動線の例でいえば、我が家にはキッチンにプリントや書類の一時置き場が設けてあります。大切な紙の情報はここに一カ所にまとめるルールです。不要になったものは抜き出して、すぐ隣にある分別ゴミ箱へ。瞬時に片付けが終わります。


学校のおたよりや仕事書類はキッチンのファイルボックスに一時置き場を確保。

書類の一時置き場から、不要な紙は資源ゴミ入れへ!
瞬時にアクセスできる行動動線が出来上がっています。

望月さんマンションに住んで本当に良かったなと思うのは、敷地内、しかもマンションを出てすぐのところにゴミ置き場があり、出勤時に立ち寄れるため、ゴミ箱もこんなに小さくてOKなんですよね。
マンションは、行動動線と整理収納をきちんと考えればコンパクトに住めるので、夫と私はときどき「もう少し小さな部屋に住み替えてもいいよね」って話しています。
行動動線と整理収納をきちんと考えることで、3LDKでも2LDKでも、住みやすいスタイルが出来上がると思いますので、ぜひ取り入れてみてください。


マンションの間取り選びって一番悩むポイントですが、家族の行動動線で間取りを考えるのって楽しそうです。早速、希望の間取り図に行動動線を書き入れてみたくなりました! 

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整理収納アドバイザー

望月 由貴子さん

うきうきスタイル  ~毎日たのしく、心地好く~モノの整理で、自分らしさをみつけよう!

ハウスキーピング協会認定 整理収納アドバイザー、整理収納アドバイザー2級認定講師。整理収納作業や講座を通じて、心地好い暮らしのお手伝いを行う。8年間の学校図書館勤務で「こどもの時から整理のスキルを身に付ける」ことの重要さを痛感し、幼稚園や小学校で親子向け整理収納講座もおこなっている。営業事務のフルタイム勤務。地域の防災活動「溝の口 減災ガールズ」でも活躍中。

記事監修:望月由貴子

取材内容は2017年12月21日現在のもので変更になる可能性があります

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