一戸建てからマンションへ—2人の事例で見えてきたシニアの住み替え成功3つのポイント

MAJOR'S Column

2017年7月27日

一戸建てからマンションに住み替えて、新しい人生を楽しんでいるシニアが増えています。今回は、住み替えに成功したお2人のシニア女性に、住み替えのポイントやライフスタイルの変化を伺いました。趣味に、交友関係に、毎日忙しく過ごしていらっしゃるようですよ。

【事例1】新築の大規模マンションで娘さんと2人暮らしをスタート


今年1月に引っ越したばかりの永元さん。

千葉県流山市にお住まいの永元さん(77歳)は、新築マンションの3LDKで娘さんとワンちゃんとの、二人と一匹暮らし。約300戸弱の大規模マンションは、駅から徒歩8分。広大な森を眼前に望むロケーションにあります。

4人のお子さんに恵まれた永元さんご夫婦がそれまで住んでいた市内にある一戸建ては、24畳のリビングダイニングがある広いお家。結婚したお子さん3人とお孫さんを含めて14人ほどのご家族が遊びに来ても問題ない広さでした。7年前にご主人がお亡くなりになり、娘さんと二人暮らしだった永元さんは、ある決意をされました。

永元さん昨年で社会福祉ボランティアの役目を終え、今年6月の77歳の誕生日までにそろそろ身の回りを整理して「引き算」の生活に入ろうと、昨年決意しました。大家族で住んでいた一戸建ては、娘との二人暮らしでは広すぎて持てあまし気味で、2階に上がるのは1週間に1回位。7年前にリフォームしたばかりでしたが、コンパクトなマンションへ住み替えることを決めました。

一旦住み替えを決意したら、あとの行動はスピーディだったようです。広告チラシが入っていた現在のマンションのモデルルームへ行って、森に隣接したジオラマを見て気に入り、直感的に購入を決意したそうです。

永元さん最初は、一緒に暮らす下の娘の職場にも近く、上の娘家族が住む川崎方面でマンションを探したら?という話がありました。けれど、長年地元のボランティアやオカリナサークルで活動していてこちらにお友達が多かったので、子ども達も「日中一人だから、友達が多い地元がいいだろう」と言ってくれました。

【事例1】「引き算」の新生活のおかげで、心豊かな「足し算」の暮らしへ


「居住者交流会」イベントでオカリナ演奏を披露する永元さん。

永元さんこのマンションはイベントやサークル活動が活発で、先日は「居住者交流会」イベントで、仲間とオカリナを演奏いたしました。子育て世帯の方が多く、いつも挨拶が交わされる良い雰囲気です。この間も「あ!オカリナのおばちゃんだ!」と小さいお子さんから声をかけられました(笑)。

——マンションへ住み替えた感想はいかがですか?

永元さん家を建てる前にマンションに住んでいましたが、昔と今ではまるで設備が違います。昔と違って上の音もほとんど聞こえないし、お風呂も寒くなくて暖房付き。ゴミがいつでも出せるのが助かっています。何といっても、鍵ひとつで出かけられる気軽さがいいですね。

——住み替えで大変だったこと、良かったことは何ですか?

永元さん引っ越しまで1年の猶予があったのですが、前の家が広かったので荷物の処分が大変でした。前の家はいま売りに出しているので、まだ少し残っている荷物を取りに行っています。娘には「捨てなさい!」と叱られているのですけど(笑)。
住み替えを、いま決断して実行して本当に良かったと思います。これまでに4人いる母方の叔母や伯母たちの世話をしてきて、自分が元気で動けるうちに身の回りを片付けなければと痛感しました。住み替えを誕生日前で区切ったのは、いい踏ん切りとなりました。これ以上歳をとると、体力的にも難しかったと思います。

【事例2】眺望が気に入って購入した2軒目のマンションに大満足


リビングの窓一面に見える緑豊かな眺望が気に入った、と山本さん。

山本さん(78歳)は、神奈川県横浜市の3LDKのマンションに一人暮らしです。高層・低層の7棟が広大な敷地にゆったりと配置されているマンションは、駅から徒歩7分。山本さんは、リビングに入った瞬間目に飛び込んできた緑豊かな公園の景色がひと目で気に入って購入を決めたそうです。

千葉県の一戸建てで3人のお子さんの子育てをしてきた山本さん。ご主人は早くにお亡くなりになっていて、ご自分の仕事をリタイアされたときに、一戸建てからマンションへの住み替えを決心されました。

山本さん17年前に引っ越してきました。千葉県に住んでいたのですが、一戸建てに一人暮らしだと、夜中の門戸の音や風の音が気になって怖くて、家の管理もやりきれなくて。3人の子ども達が川崎市や相模原市に住んでいるので、同じ神奈川エリアに住む方が何かと安心だと思い、マンション探しを開始。私はすぐ行動するタイプなので一旦決めると早いんです(笑)。鷺沼駅から6分の2LDKのマンションを見つけて、そこで1年半暮らしました。

10軒ほどの物件を見て決めたそうですが、いざ住んでみると、駅近物件ということもありコンパクト過ぎて閉塞感を感じ、だんだん居心地が悪くなってきた山本さん。自分は「開放感のある広めの部屋が好きなのだ」と気付いて、またマンション選びをやり直し。現在住んでいる横浜市のマンションは、広めの3LDK。窓からの眺望と広さはもちろん、都会ほど混雑していなくて暮らしやすい住環境に大満足しているそうです。

山本さん住み替えをしたのは60代の頃ですから、選び直しもできたんですね。緑の眺望が気に入ってここを購入しましたが、桜、新緑、紅葉、雪、四季折々の景色は毎日見飽きません。家で過ごす時間が長いシニアの方は、自分が本当に住みたい住まいはどんなものか、こだわって選ばれると良いと思います。

【事例2】歳を取ったら、子どもの近くに住むのが「子ども孝行」!


なんと山本さんはCDを発売している歌手でした。

山本さんは、趣味の歌のレッスンから教える側になって、さらにはレコード会社の専属歌手としてCDデビューまで果たし、趣味が仕事となって現在は大忙しの毎日を過ごしていらっしゃいます。

山本さん所属している歌謡スクールの事務局のお手伝いもしているので、スタッフがリビングに集まって作業をすることもあります。元々社交的で一戸建てに住んでいたときも人を大勢招いていたのですが、歌がご縁で交流の輪がぐんと広がりました。実はこのマンションにも、歌の仲間がお一人住んでいらっしゃることがあとでわかりました。

——マンションに住み替えてみていかがですか?

山本さん最初は失敗しましたが、このマンションは大満足です(笑)。マンションって、2階の掃除も必要ないし、フラットで効率よく生活できるようにうまく出来ています。歳と共にそのありがたみがよくわかります。一戸建てで使っていた家具類はサイズが大きすぎたので、仏壇と和ダンスを除いてほとんど処分して買い直しました。住み替えは、家具や不用品の処分や整理が大変なので、体力と気力があるうちに決断するのがいいと思います。

——お子さん達の近くに住んだことはいかがですか?

山本さん車で20分の場所に息子家族が住んでいて、「風邪でダウンした」「電球を取り替えて」と電話したらすぐ駆け付けてくれる、その安心感が心強いですね。
私は、愛知に住む両親や母方の叔母の世話で、千葉と愛知を頻繁に行き来して本当に大変な思いをしました。歳を取った親が子どもの近くに住むのは、ある意味で「子ども孝行」だと思います。

シニアの住み替え成功事例に学ぶ、3つのポイント


永元さんと暮らす7歳のワンちゃんと、
お孫さんが描いた山本さんの似顔絵。

永元さんと山本さんのお話を伺うと、一戸建てからマンションへの住み替え成功のためには、以下の3つの重要なポイントがありました。

【シニアの住み替え成功 3つのポイント】

①家族との近居がオススメ
家族の近くに住んでいることが、物理的サポートだけでなく「いざというときに家族が駆け付けてくれる」という精神的な安心感にもつながります。

②住まいの好みを明確に
お二人に共通していたのは緑豊かな住環境の好みでした。家で過ごす時間が長いシニア世代は、住環境、部屋の広さや向きなど、自分の好みを通すのがベストといえます。

③自分で決めたときがタイミング
誰かに言われたのではなく、自分で決めたときが住み替えタイミング。お二人共通のアドバイスは、「体力・気力のあるうちに住み替えを!」でした。

さらにお二人は、オカリナや歌などの自分が好きなことが、住み替えによってさらに充実した印象を受けました。毎日好きなものに触れ・囲まれている生活は、心を豊かにします。住み替えが、シニアライフをさらに輝かせるものになっているのって素敵ですね。
また、近居が「子ども孝行」になるという山本さんのお話にも納得です。親世代の方々は、いままで遠くに住む高齢のご両親や親戚のお世話や介護を体験されてきました。「自分の子どもにはそんな苦労をさせたくない」という親御さんの思いやりを感じました。

お二人の住み替え事例が、一戸建てからマンションへの住み替えを検討されている方の参考になれば幸いです。


他にもMAJOR’S BLOGには、シニアの住み替えに関するマンションライフ記事がたくさんあります。ぜひ参考になさってください。

⇒5軸のペンタグラムで住み替えタイミングがわかる!?シニアライフを健やかに楽しく過ごすマンション選びとは

⇒物を減らし、思い出も引き継ぐ。第二の人生を心豊かに暮らすための“生前整理”

⇒80代のお母さまがワンちゃんと一緒に、息子夫婦が暮らす東京へ“肉じゃが”の冷めない距離に住む「マンション近居」の安心感とは

⇒一挙解説!マンションの購入・保有・売却・賃貸に関連する税金・控除について

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取材内容は2017年7月27日現在のもので変更になる可能性があります

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