繊細の生花などの美しさを、ワックス(蝋)で精密に表現するアートキャンドル。灯りの癒やしだけでなく、部屋を飾るインテリアアイテムとしても人気です。キャンドルアーティストの安達良子さんに、アートキャンドルの魅力と、火を使わないアロマキャンドルサシェの作り方を教わりました。
アートキャンドル、癒やしの魅力
キャンドルアーティストの安達良子さん。
ご自宅でアロマキャンドル教室を主宰する他、ワークショップなどでも活躍されています。
——アートキャンドルとはどんなものですか?
安達さんミツロウなどのワックス(蝋)を使って生花のような繊細さや柔らかさでお花などを表現するキャンドルです。出来上がったアートキャンドルを見ると、「まるで本物のお花のよう」とよく言われます。火を灯した時に、ワックスの花びら一枚一枚に光が透ける美しさに魅了されて、アートキャンドル作りを始めました。アートキャンドル協会で特許をとっている技法で、私はそこで学んで資格を取得しました。
まるで生花のような繊細さのベビーロマンチカのアートキャンドル。
一枚一枚の花びらがワックスで作られています。
安達さんアートキャンドルは、一般的な円柱のキャンドルとは違って、繊細な魅力があります。ベビーロマンチカのように花びらの枚数が多いアートキャンドルは、完成までに時間はかかりますが、出来上がった時の美しさは格別です。
キャンドルの炎には、波や雨の音のように、人が心地よいと感じる「1/fゆらぎ」という不規則なゆらぎがあると言われています。実際、キャンドルの炎の揺らぎを無心で眺めているだけで、リラックスできる癒やしの効果があると感じています。
アートキャンドル作品をお部屋のコーナーにディスプレイ。
生花やプリザーブドフラワーも一緒に飾って、花溢れるインテリアになります。
安達さんマンションでアートキャンドルを灯す際には、大きな受け皿に載せて安全に楽しんでください。火を灯す時は、芯の根元付近に着火すると、煤(すす)が出にくいです。キャンドルは、短時間ではなく1〜2時間程灯した方が逆に長持ちします。
火を消すときは、釣り鐘型の専用キャンドル消しを炎にかぶせると、煤が出ることなく安全に確実に消せます。火を消した後、芯回りに残っている液化したワックスは、紙コップなどに捨てると、芯が埋まってしまうことなく、次に使いやすくなります。お部屋では、室内の換気をして、火から目を離さず安全に楽しんでいただければと思います。
揺らぎを楽しめるランタンキャンドル
ランタンキャンドルは、水を入れた風船を、溶かしたワックスの中に5〜6回漬けて、
外側のランタン部分を作ります。
外側のワックスが固まったら、中の風船を割って、水を出して完成。
内側に、カップのような空洞が出来ています。
ランタンキャンドルの中に、ティーキャンドルやLEDライトを入れて灯りを楽しみます。
ティーキャンドルを入れる場合は、中に水を1㎝ほど入れてフローティングにします。
中で揺らめく灯りが白い容器に映ってとてもきれいです。
ティーキャンドル(写真向かって左)とLEDライト(写真右)を入れたところ。
火を使うのが心配という方は、LEDライトを入れてください。
火を使わないアロマキャンドルサシェの作り方
【材料】
ソイ(大豆)ワックス30g/パラフィンワックス30g/合成香料3㎖/耐熱容器(鍋やホーローなど)/シリコン型/プリザーブドフラワー(適量)
安達さん小さいお子さんがいたりして、お部屋で火を使うのが怖いという方は、アロマキャンドルサシェを作ってみてはいかがでしょう?コツを覚えれば、いろいろとアレンジできて楽しいです。材料は、手芸店や最近は100円ショップでも売っていて入手しやすくなっています。
シリコン型にプリザーブドフラワーを配置します。
向かって左の丸い芯は、あとでリボンを通すための穴を作るためのものです。
安達さんキャンドル用シリコン型が入手できない場合は、料理用ワックスペーパーの四隅を立ち上げて四角い型を作っても代用できます。ワックスがこぼれださないように注意してください。リボンを通すための穴は、ワックスが完全に固まる直前に、割り箸を底まで差し込んで、クルクルと回転させてから、割り箸を引き抜くと作れます。
耐熱容器に、ソイワックス、パラフィンワックスを入れて温め、
割り箸などで混ぜ合わせます。
写真のように電磁調理器、ガスの場合は湯煎で温めても。
料理用温度計を使って、温度管理には注意しましょう。
ワックスが溶けて、温度が65〜70℃位になったら、合成香料を入れてよく混ぜます。
高温にすると香りが飛びやすいので注意しましょう。65〜70℃くらいが最適です。
安達さんアロマオイルやエッセンシャルオイルもありますが、合成香料を使うのは熱に強く香りが飛びにくいためです。温めて溶かす時には、温度管理を注意してください。
溶かしたワックスと合成香料を、シリコン型に静かに流し入れます。
浮き上がりやすい軽い小さな葉や花は、ワックスを流し込んでから入れます。
シリコン型にワックスを流し込み終わったところ。
花や葉をワックスの中にすべて収めるのではなく、所々出ている方が立体的な仕上がりに。
このまま冷めるまで置きます。
ワックスが完全に固まったら、シリコン型から取り外します。
安達さんシリコン型の厚さなどによっても、完全に固まるまでの時間は異なります。この位の厚さであれば、20〜30分程度でしょうか。固まるまでは、指の跡などがつくので、むやみに触らないようにしましょう。時間が経って香りが飛んだら、お好きなエッセンシャルオイルやアロマオイルなどを垂らしてください。プリザーブドフラワーは、次第に退色していきますが、2〜3年は色持ちします。パウダールームやトイレなどに飾って、香りと一緒に楽しんでください。
穴の部分にリボンや紐を通して、ぶら下げて飾れるようにします。
安達さんアロマキャンドルサシェは、花の造形と香りが楽しめます。いろいろな形や大きさのものを作ってみてください。
花の美しさを閉じ込めたボタニカルキャンドルや動物キャンドル
プリザーブドフラワーを閉じ込めた、円柱タイプのボタニカルキャンドル。
安達さんアートキャンドルには、他にもボタニカルキャンドル、ワンちゃんの顔のアニマルキャンドル、季節のキャンドルなど、さまざまな種類があります。
生徒さんの中には、お祝いでいただいた生花やプリザーブドフラワーを思い出に残したくて、ボタニカルキャンドルに仕立てる方もいらっしゃいます。生花の場合は、ドライフラワーにしてキャンドルに入れます。思い出を閉じ込めたアートキャンドルも素敵ですね。
赤いバラやクリスマスの小物を飾り付けたランタンキャンドルとマリア像のキャンドル。
季節に合わせたキャンドルを、インテリア小物としてお部屋に飾れます。
トイプードルのワンちゃんキャンドル。
お顔部分はシリコン型があり、目鼻を自分で描きます。
前足の部分は、ワックスをこねて作ります。花柄のクッションも手作り。
「ワンちゃんのお顔が溶けるのがいやで、火は灯せない!」という生徒さんも多いそう。
安達さんアートキャンドルは、自由な発想で製作できて、物作りがお好きな方ならきっと夢中になるはず。もちろん自分で作らなくても、お花のようにお部屋に飾れますので、ぜひインテリア小物としても気軽に取り入れてみてください。
アートキャンドルを飾った新居って素敵ですね。新居のマンション探しは、ぜひMAJOR7でどうぞ。
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一般社団法人アートキャンドル協会スペシャルアーティスト、FC会員。生花のような柔らかさを表現するアートキャンドルの美しさに魅せられて以来、12年以上制作に携わる。インストラクターとして、自身のアートキャンドル教室を主宰する他、クラフトハート トーカイ ららぽーと横浜店、クラフトハート トーカイ 青葉台店などでワークショップを開催。
インスタグラム @lyric_candle
記事監修:安達良子
取材内容は2023年9月19日現在のもので変更になる可能性があります