洗面所の水周りを心地よくととのえるコツ—エディター・インテリアデザイナー加藤登紀子さん

MAJOR'S Column

2023年4月18日

つい散らかりがちな洗面所ですが、清潔に保たれていれば気持ちよく過ごせます。著書『心をととのえる水周りのインテリア キッチン・洗面・バスルーム』が好評のエディター・インテリアデザイナー 加藤登紀子さんに、洗面所をととのえるコツについて伺いました。

ふだんからととのえるコツ


白の洗面化粧台とブルーの壁が印象的な洗面所。
『心をととのえる水周りのインテリア キッチン・洗面・バスルーム』(光文社)より
撮影/吉澤健太

加藤さんホテルのパウダールームは、居心地がよいですよね。ご自身のメンテナンスもいつもより念入りにできる、という方も多いのではないでしょうか。そうした心地よさが保たれる理由のひとつが、「色数が少ない」こと。2、3色に 抑えられているケースが多いですね。
洗面所を改めて見渡してみると、小物やタオル、クリーナー類など多くの色や形が氾濫していることがよくわかると思います。もう目が泳いでしまって、それだけで落ち着かない。
これらを見直して色を統一するだけでも、格段に居心地のよい空間になるはずです。
たとえば小物は白で統一するなどのご自身なりのルールを決めてみてはいかがでしょう。そうしてモノを見直すプロセスで、ストックとしてもち過ぎていたもの、不要なものも見えてくると思います。


ブルーのタオルは、家族のイニシャル入り。
トイレにもアートが飾られているのが素敵です。
『心をととのえる水周りのインテリア キッチン・洗面・バスルーム』(光文社)より
撮影/吉澤健太

加藤さん上記は、紙面で紹介したご家族の洗面所です。「子どもが小さくてもきれいに暮らすことを諦めたくない」と、洗面所を美しく整えていらっしゃいるご家庭です。ご家族のイニシャル入りのタオルが並べてあり、使うお子様もわかりやすいし、ブルーと白で統一した洗面所のアクセントにもなっています。

ふだんからきれいを保つお掃除のコツ


洗面所やバスルームに置くだけでスタイリッシュな雰囲気を生みだす小物。
『心をととのえる水周りのインテリア キッチン・洗面・バスルーム』(光文社)より
撮影/川上輝明 スタイリング/岩﨑牧子

加藤さん毎日水を使う洗面所やバスルームは、キッチンと同様にラクなクイック掃除を習慣づけて、きれいを保つように心がけたい場所です。バスルームは、使い終わる度にスクイージーでさっと水滴をとるだけでも気持ちのよいもの。まだやっていらっしゃらない方がいたら、ぜひ習慣にしてみてはいかがでしょう。
また、立てたり、フックに掛けたりもでき、水切れが抜群の歯みがき用カップは、愛用しているもののひとつです。水気がすぐ乾く珪藻土のコースターの上にカップを置いているので、カップ周りもいつもサラサラです。毎日洗面所やバスルームで目にして使うものほど、機能性を備えたお気に入りのデザインを選びたいですね。


ドイツZACK社製モダンデザインのバスルームスクイージー(ビザイン)。

洗面所にもアートや好きな小物を


フロランス・エルクビーさんのパリのアパルトマン。
バスタブの壁にアートを飾っています。
『心をととのえる水周りのインテリア キッチン・洗面・バスルーム』(光文社)より
撮影/松永学

加藤さんヨーロッパではバスルームにアートを飾っている素敵な事例もありますが、私たちも洗面所周りに好きなアートや小物を飾ってみるのはいかがでしょう。身支度やメイクをするなど、洗面所にいる時間は決して短くありません。お気に入りのものを飾って寛げる空間にしたいですね。
私は白一色のアートを額装して洗面所の壁に飾っています。またルイスポールセンの小さなモバイルライトを持ってきて、雰囲気を変えることもあります。今はドライヤーなどの身支度をする時に腰かけられるスツールを探していますが、お勧めはマッシュルームスツール(匠工芸)。直径24.5㎝、わずか1.9㎏(Mサイズ、高さ60㎝)と片手で動かせる手軽さも魅力です。

バスルームのタオルは小さくてもOK?


ワッフルリネン、手紡ぎ・手織りのコットン、ヨーロッパ産リネンなど
多種多様なタオルが手に入りやすく、自分の好みのものを選べます。
『心をととのえる水周りのインテリア キッチン・洗面・バスルーム』(光文社)より
撮影/川上輝明 スタイリング/岩﨑牧子

加藤さん洗面所では毎日使うタオルもインテリアになると考えて、色・質感・サイズにこだわりたいものです。私は、一戸建てからマンションへ引っ越してから、タオル選びの基準が変わりました。大判でフワフワのバスタオルは素敵ですが、マンションの洗面所は、収納スペースが限られ、またタオルを掛けるスペースも十分とはいえません。まず ❛色❜ あるいは ❛色のトーン❜ を揃える。そして ❛かさばらず❜ ❛乾きやすい❜ ことを基準にしています。


今回の記事は、加藤さんの著書
『心をととのえる水周りのインテリア キッチン・洗面・バスルーム』から紹介しました。
他にも水周りの実例やアイデアが数多く取り上げられています。
撮影/金子美由紀(Nacása & Partners Inc.)

加藤登紀子著『心をととのえる水周りのインテリア キッチン・洗面・バスルーム』(光文社)

加藤さんトレンドのリネンもマンション向きですが、私が今使っているのはホットマン「一秒タオル」のヘアバスタオルです。肌触り、吸水性も優秀ですが、気に入っているのはそのサイズです。一般的なバスタオル(65×135㎝程)に対して、ヘアバスタオルは53×105㎝とややコンパクト。大柄な男性は小さく感じるかもしれませんが、デイリーに使いまわすにはちょうどいいサイズです。
多くのマンションでは、バスルームの扉にタオル用のバーがついていますね。大きなバスタオルだと引きずったり、もたついたりしてしまいますが、このサイズは掛けた時のバランスもちょうどいいです。
各メーカーのバスタオルのサイズを調べたことがありますが、メーカーにより微妙にサイズが異なります。タオルを選ぶ時は、サイズのチェックもしてみてください。
今は浴室暖房もあって暖かいので、小さいサイズのタオルでも充分かもしれません。タオルは年末に一新すると新しい年を気持ち良く迎えることができますが、新居への引っ越しを機にタオルを一新してもいいですね。


「水周りをととのえることは、心をととのえることにもつながる」と、加藤さん。この記事を参考に、新居のマンションの洗面所やバスルームのインテリアも計画してみてください。

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エディター、ライター、インテリアプランナー 加藤 登紀子さん

東京生まれ。日本女子大卒業。 フリーのエディター、ライター。 「住む人を幸せにするインテリア」をライフワークとし、 国内外の1,000軒以上の家を取材。幅広いネットワークをもち、 ライフスタイルに関わる企画も多数手がける。また「デザインオフィスシュエット」を主宰し、住宅・商業施設のインテリアコーディネートも行う。著書に、雑誌『HERS』の連載をまとめた『大人の幸せなインテリア』、『心をととのえるインテリア』、『心をととのえる水周りのインテリア~キッチン・洗面・バスルーム』(すべて光文社)がある。

→インスタグラム@tokiko.maison

記事監修:加藤登紀子

※掲載の商品情報は、書籍発売当時(2021年8月30日)のものです。予告なく終売・仕様変更となる可能性があります。

※写真撮影:吉澤健太、川上輝明、松永学、金子美由紀(Nacása & Partners Inc.)

スタイリング:岩﨑牧子

※取材協力:光文社ビザイン

取材内容は2023年4月18日現在のもので変更になる可能性があります

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