新しくマンションを買うなら、快眠のために最高の寝室環境を整えたいものです。老舗寝具メーカー 昭和西川株式会社の経営者であり、睡眠研究家の西川ユカコさんに、良質な眠りのための寝室や住まい方のアドバイスを伺いました。快眠を得るためには、寝室だけでなく、朝や日中の過ごし方、室内環境にも鍵がありました！
夜だけではなく、日中の過ごし方が睡眠の質を決める
昭和西川株式会社が運営する
睡眠のための総合サロン「MuAtsu Sleep Lab.本店」でお話を伺いました。
ムアツプラスのすべての商品や独自の計測システムなどが実際に試せます。
昭和西川株式会社 代表取締役副社長であり睡眠研究家の西川ユカコさん。
——快眠を得るためには、寝室の位置や間取りから考えるべきなのでしょうか？
西川さん寝室の位置や間取りはさほど気にする必要はありません。むしろ朝・昼・夜の起きている時間をいかに心地よく過ごすかということが、睡眠の質を上げます。夜に質のいい睡眠を得られるかどうかは、実はその日の朝の段階ですでに決まっているのです。たとえば、日中長い時間を過ごすリビングなどのお部屋が、快眠のために良い環境であることも大切です。
日当たりのいいリビングやバルコニーの充実したマンションが快眠を誘う！
西川ユカコさんの近著『最強の睡眠』は、快眠の画期的メソッドとして大好評です。
睡眠負債の返済と、睡眠の質を上げるための効果的な方法が紹介されています。
西川さん心身のバランスを保つさまざまな脳内物質（ホルモン）の分泌が、睡眠に深く関わっています。中でも別名「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンは、「睡眠ホルモン」であるメラトニンに変化します。メラトニンがたくさん分泌されると、深くて質のよい眠りが得られやすくなります。睡眠時間を確保するのはもちろん、日中にメラトニンのもととなるセロトニンの分泌を促すように工夫することが必要です。
太陽光を浴びると、メラトニンの元であるセロトニンが分泌。
日中つくられたセロトニンは、夕方にはメラトニンに変化して良質な睡眠を促します。
日中、太陽光がさんさんと入るリビングで過ごすことも、実は快眠につながるのですね。
西川さん網膜で太陽光を感じると、セロトニンの分泌が促進されます。日焼け止めなどで肌を守りながら、1日に数回、連続して10〜30分日光を浴びる生活習慣にしてみてください。太陽光を直に浴びるのがいいので、たとえばリビングであれば窓を開けて窓の近くで、バルコニーであれば椅子を持ちだして読書やお茶をいただきながらくつろぐのもおすすめです。
バルコニーで太陽光を浴びるのが、快眠の秘訣。
第二のリビング的に使える、日当たりのいいバルコニーのあるマンションだといいですね。
西川さん朝や日中、太陽光を浴びるのは、快眠のための“一丁目一番地”みたいなもの。現代人の日光不足が睡眠をダメにしています。在宅勤務が増えて日中は家に籠もりがちな昨今、太陽光を浴びる生活習慣へ意識的にシフトしてみてください。
快眠のための寝具や寝室の環境づくり
足利工業大学睡眠科学センター（現足利大学）の協力を得て開発した、
「MuAtsu Body Fitting System」。
その人に合わせた最適なマットレスの測定ができます。
西川さん寝具は「①正しい姿勢で寝られるか」「②寝返りが打ちやすいか」が快眠のための二大ポイントです。理想的なマットレスや敷布団は、「寝ている時も起きている時のような正しい姿勢が保てること」です。柔らかすぎても硬すぎても睡眠が浅くなります。
また健康な人の場合は、一晩に20〜30回は寝返りを打っています。重い布団をかけていたり、タオルケットを体に巻き付けたりして寝ていると、自然な寝返りができずに、眠りが浅くなってしまいます。当社では、自然な寝返りができる、薄めの羽毛ふとん（ダウンケット）をおすすめしています。
スリープスタイリストに「MuAtsu Body Fitting System」で
計測していただきました。
横たわるだけでセンサーが計測し、最適な寝姿勢のマットレスを提案します。
照明や音などの寝室環境を再現したコーナーで、
自分に合った最適なマットレスの寝心地を確かめます。
このままうっかり寝落ちしてしまいそうでした。
正しい寝姿勢を完成させるための枕。
横顔の角度に基づいたオーダー枕は5分位の計測で出来上がります。
「首が痛い」「肩が凝る」といった枕難民のお客様も多いそうです。
寝返りが打ちやすい、総量0.25~4㎏の羽毛ふとん（ダウンケット）（写真向かって右）。
従来の羽毛ふとん（写真左）と厚さの違いがよくわかります。
西川さん知的好奇心が旺盛な方達の間で注目されている「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」（光を閉ざした"純度100％の暗闇"の中で視覚障害者のアテンドによって案内されて体験するソーシャルエンターテイメント）と、当社のムアツプラスがコラボした、「午睡」プログラムを東京・三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミアで現在開催中です。
こちらのイベントでは、マインドフルネスな環境で、ムアツプラスマットレスによる極上の睡眠を体験いただけます。「極上のお昼寝」体験で、ご自分の睡眠を見直してみるのもよいと思います。
ダイアログ・イン・ザ・ダーク「内なる美、ととのう暗闇。」の新プログラム「午睡」は、
西川ユカコさんによる睡眠環境の監修と、ムアツプラスのマットレスを協賛しています。
漆黒の暗闇の中で極上の眠りを体験できます。
→ダイアログ・イン・ザ・ダーク「内なる美、ととのう暗闇。」「午睡」
開催：2022年4月9日〜6月30日
東京・三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア内の会場
アロマや音などの快眠ツールを活用する
日中のパフォーマンスを上げるためのアロマ
「MuAtsu Sleep Aroma Performance Up」。
ARTQ ORGANICSとのコラボでオリジナルの香りを作成しました。
西川さんアロマや音などの快眠のためのツールを利用するのも役立ちます。特に、良質な睡眠は日中の適切な過ごし方にありますので、日中のパフォーマンスを上げるためのアロマやオリジナルサウンドを開発しました。夜は、逆に快眠のためのリラックスするアロマやサウンドを使って心地いい寝室環境をつくりだします。
CD「MuAtsu Sleep Sound Performance Up」。
ハワイのカウアイ島や屋久島など世界各地で収録した自然音を編集した
オリジナルサウンドで、体の活力を上げます。
西川さん日中に太陽の光を浴び、自然音のCDを聴いて十分にメラトニンを作ったら、夜は快眠のための寝室環境を整えてください。完璧に整えるのが難しいとしても、暑い・うるさいといった五感で感じるストレスをできる限りなくしていくとよいと思います。スクリュータイプやスポンジタイプ、シリコンタイプなどの耳栓をつけて騒音対策をする、カーテンで光や音を遮断する、快適な温度・湿度を保つなど、マイナス点をカットしていけば、快眠のための寝室環境が整います。
また、寝る前のスマホは、ドーパミンの作用でなかなかやめられないもの。本当は避けたいのですが、もしも見るなら、喜怒哀楽を呼び起こすような刺激的なものではなく、可愛い猫や犬などの癒し系動画を。
快眠を呼ぶ寝室環境を整えましょう。
寝室は、冬16℃以上・夏26℃以下の温度／冬夏共に50〜60％の湿度が最適
と言われています。
西川さん「なんとなく眠りが浅い」「疲れが取れにくい」という方は、日光を浴びて、マットレス・枕・掛け布団を見直すだけでも改善される場合があります。「MuAtsu Sleep Lab.本店」では、スリープスタイリストによる快眠アドバイス（予約優先制・無料）のご用意もあります。お話を伺ってみると、ご本人が気付いていない問題点がわかります。睡眠は、非常にパーソナルな問題なので、一人ひとりにとってのベストな状態を探すことが必要ですね。
快眠を得るには、寝室環境はもちろん、日中の過ごし方も関わってくるというお話に目から鱗でした。快眠のために日当たりのいいリビングやベランダを中心に、マンション選びを考えてみたくなりました。快眠アドバイスを、ぜひMAJOR7でのマンション選びに役立ててください。
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昭和西川株式会社 代表取締役副社長
睡眠研究家／温泉入浴指導員／セロトニントレーナー
学習院大学卒業後、ハースト婦人画報社で「ヴァンテーヌ」「25ans」「婦人画報」の編集者として10年間勤務。現在は家業である昭和西川の代表取締役副社長を務め、また睡眠研究家として「東洋経済オンライン」で睡眠記事を連載中。「ミス日本」ファイナリスト勉強会や「NHK文化センター」青山教室などでの睡眠講義のほか、各種メディアへの寄稿や企業での講演活動も行っている。科学的データを参考にしながら、自身の身体を実験台に、日中にパフォーマンスUPするための快眠法をまとめた「最強の睡眠（SBクリエィティブ）」が中国、韓国、台湾、香港、マカオなどアジアでも好評発売中。事業者・仲介者・ユーザー・アカデミアなど睡眠業界を横断する企業・団体で設立した睡眠サービスコンソーシアムの理事も務める。
→昭和西川株式会社
→ムアツプラス
→西川ユカコ
記事監修：西川ユカコ／昭和西川株式会社
取材内容は2022年6月8日現在のもので変更になる可能性があります
