引っ越しも生活も、もっと使用頻度を意識すると上手くいく 整理収納アドバイザー野中幸子さん

MAJOR'S Column

2025年2月18日

新築マンションを購入したら、次は引っ越し。引っ越しでは、事前に不要な物を減らして、新居で使いたい物がすぐ取り出せるよう、効率的に荷造りしたいものです。整理収納アドバイザーの野中幸子さんに、使用頻度と分類収納を意識したパッキング術を伺いました。大きな家具の購入についてもアドバイスがあります!

●使用頻度と分類収納は引っ越しにも使える!


新居への引っ越し作業。
新居への期待はありますが、荷物の選別とパッキングは大変な作業です。

野中さんウォークインクローゼットキッチン収納の記事でもお伝えしましたが、使用頻度と分類収納の方法は、引っ越し荷物のパッキングにもそのまま活用できます。
日常的に使う物、ほとんど使わない物を混在して収納していると、使う度に「探す」「迷う」作業が増えて、「生活の無駄」が増えます。この場合の「生活の無駄」とは、探すなどの動きの無駄、自分を責めたり記憶をたどったりする思考雑念の無駄、それによって気持ちの余裕をなくすことなどを指します。引っ越しは、「生活の無駄」をなくす良いチャンスです。自分の普段の行動を、「使用頻度」を軸に振り返りましょう。

【使用頻度による4分類】

①高頻度:毎日使う物

②中頻度:週に1回以上使う物

③低頻度:シーズンオフの物、ストック品

④ゼロ頻度:使わない・見ないけれど、保管しておきたい物(思い出の物、保管物)

野中さん「使用頻度」は、上記のように分類できます。
本当に大切な「高頻度」で使う物を確認し、次によく使う「中頻度」、必要だけど頻度自体は低い「低頻度」、使わない・見ないけど保管しておきたい「ゼロ頻度」に分類して収めます。これはクローゼット、キッチンなどの場所に応じて、頻度分類した収納に応用できます。普段から「頻度分類」による収納ができていれば、引っ越しもそれに応じてラベリングしてパッキングしていくだけです。次に、具体的なラベリング方法を説明します。

●荷造りは、3つのラベリングで効率的に


「①置く場所」を大きく書き、「②品名」「③使用頻度」は小さめでもかまいません。
引っ越し業者のダンボールには、置く場所の記載箇所があるのでそこを利用してください。

野中さん引っ越しの荷物は、「置く場所」毎にダンボールを分けていくので、「①置く場所」「②品名」「③使用頻度」の3つのラベリングを付けて、ダンボールに物を収めていきます。
「①置く場所」毎に「使用頻度」で分けておくと、引っ越し当日のダンボールの開封も収納も捗ります。ご家庭によって異なりますが、たとえばキッチンなら以下のような物が、使用頻度に応じて分類できると思います。

【使用頻度による4分類:キッチン(例)】

①高頻度:やかん、すぐ使う食器、包丁、まな板、布巾、よく使う調味料

②中頻度:ごみ袋、調理器具・家電、食器、タッパー類、たまに使う調味料

③低頻度:ストック品、カセットコンロ、季節の調理器具・家電

④ゼロ頻度:思い出の食器、引き出物、調理家電

など

野中さん新居では、「使用頻度」の高・中・低に応じて、高頻度の物から動線的に取りやすい場所に物を収めていくと、日常的に使う物を使う度に探すことのない、「使用頻度」を軸にした収納が完成します。

●「ゼロ頻度」の物は、日常品と分けておくとスムーズ


便利な調理家電も、嗜好や生活が変わると、そのまま死蔵してしまう結果にも…。

野中さん所持している物のなかには、見返さない・使わないけれど持っている思い出の物など、さまざまな理由で「ゼロ頻度」状態になっている物が、どのご家庭にもあるはず。そんな「ゼロ頻度」の物は、日常品とは分けて、トランクルームなどに移動させましょう。その際に、本当に必要な物かどうか検討してみてもよいと思います。
高頻度・中頻度にあたる「日常品」の中に「ゼロ頻度」の物が混在していると、物が使いにくかったり散らかったり、生活の無駄を生む原因になるからです。「使用頻度」を軸にして、置く場所を分けると、「物と自分とが向き合い過ぎる」「“捨てる” “捨てない”の二択で物を減らす」ことよりも精神的負担が少ない状態で、生活に必要な物が揃う快適な生活環境をいち早く整えることができます。

●引っ越し後、大きな家具の購入は急がないで


部屋が広くなったら、3人掛け用ソファーのような大きな家具を置きたくなるものですが
新居に住んでからサイズを決めても遅くはありません。

野中さん新居へ引っ越しすると、新しい家具が欲しくなると思いますが、大きな家具については、住んでしばらくしてから購入するのでも遅くはありません。お片づけの相談で多いのが、部屋のサイズに合っていないソファーとベッドの処分です。大きな家具は処分にも困ります。家具は、長く使うことになる暮らしのパートナーなので、将来も見据えて熟考してください。


最近は、好きな場所に移動できる
Yogibo(ヨギボー)などの、体にフィットするビーズソファーも人気です。

野中さん特にソファーは大きな家具なので、動線の使い勝手が悪くなると、あっという間に物が溢れて部屋が散らかることもあります。引っ越し前の購入は一旦踏みとどまって、動線が分断されないかよくシミュレーションしてみてください。住んでみると、間取り図で見えてなかったこともよくわかります。「大は小を兼ねる」と言いますが、家具に関してはその考えはNGです。


子ども用ベッド・デスク・チェストが一体化しているロフトベッド(システムベッド)。

野中さん子育て家族のご相談で多いのが、お子様のロフトベッド(システムベッドとも言います)の処分です。お子様が成長して使われなくなったロフトベッドやその下の棚などが、物置化してしまうことでお困りなのです。
小学校入学時期になると、多くのご家庭がお子様のために勉強机やベッドを購入されます。しかし一体型のロフトベッドは、ベッド下が120㎝位しかなく、小学校高学年にもなると頭がぶつかって使いにくくなり、煩わしくなって活用しなくなり、物のたまり場になることも多いです。ベッドや机を購入する時は、将来を見据えて別々にできるものにするなど、慎重に検討して買うことをおすすめします。買うタイミングも、「〇年生だから」という理由でなく、本当に必要になってから買いましょう。
大人のベッドも、新居に移ってから生活スタイルが変わる場合があります。ダブルベッドがいいのかシングルベッドを並べるのがいいのか、将来的なことも見通してよく検討しましょう。


ベッドを買わないで、敢えて布団を使うのも選択肢のひとつです。

野中さん慣れない新生活でも、高頻度=日常的に使うものをすぐ取り出せるようにしておくこと、動線を邪魔しないサイズの家具を選ぶことで、使い勝手が良く居心地のいい暮らしがスタートできます。「使用頻度」を軸にした、物の仕分け・配置は、収納の基本。「使用頻度による4分類」を、ぜひお片づけに役立ててください。


物の「使用頻度」を考えることは大切ですね。引っ越しが楽しみになりそうです。新居をお探しの方は、MAJOR7でお探しください。

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整理収納アドバイザー 野中幸子さん

整理収納片づけを通してこころを育む「ここはぐおかたづけ」代表。物は価値観や人生の歴史が詰まった持ち主そのものという思いのもと。物を通して住む環境だけでなく心と思考のくせを丁寧に共に見つめていく対話を大切に活動中。片づけを通して、その人の「らしさ」である「好きと得意」を生かし、心地よく生きるための住環境づくりを。大人だけでなく小学生向けにも片づけレッスンをしています。整理収納アドバイザー1級、整理収納教育士、発達支援教育士、親・子の片づけインストラクター1級、企業内整理収納マネージャー。
ここはぐおかたづけ公式HP
ここはぐおかたづけインスタグラム

記事監修:野中幸子

記載内容は2025年2月18日現在のもので、変更になる可能性があります。

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