夫婦でインテリアテイストを揃えるコツは、イメージボードづくりでビジュアル化!

MAJOR'S Column

2018年6月28日

個人宅のインテリアコーディネートを手掛ける東樹(とうじゅ)麻理子さんに、インテリアの選び方についてお話を伺いました。自分の好みを見つけるためのイメージボードづくりや、夫婦でテイストを揃えるコツについて、ディンクス・2LDKの間取りを見本にしてアドバイス。これからマンション購入予定のカップルには、目からウロコのTIPSがいっぱい!ぜひお役立てください。

「ディンクス・2LDKのインテリア選び」をテーマにアドバイス


丁寧なカウンセリングと手描きのインテリアプランボードの提案が人気!
インテリアコーディネーターの東樹(とうじゅ)麻理子さん。

マンションを購入する楽しみのひとつが、お部屋全体をお気に入りのインテリアで統一できること。
とはいえ、「どこから手を付けていいのかわかない」「そもそも自分らしいインテリアって何?」と悩んでいる方々も多いのでは?
今回は、インテリアコーディネーターの東樹麻理子さんに、インテリアのお悩みに答えていただきました。今回のご相談者はこんなディンクスカップルです。

【ご相談者プロフィール】
・世帯年収1800万円
・夫40歳 外資系金融会社勤務
・妻35歳 出版社勤務
・都心の2LDKマンション在住
・好きなインテリアテイスト
夫:スタイリッシュ、モノトーン、すっきりシンプル
妻:シンプル、ナチュラル(天然素材など)、明るい色
・休日の過ごし方
2人で過ごす休日はショッピングやライブラリーのあるカフェで読書。ホームパーティも好き。別々に過ごす休日は、夫は仲間とゴルフやテニス、妻は料理教室やフラワーアレンジメントを習う。

——ご相談者様は、2人ともシンプル好きで共通項が多そうですね。

東樹さんそうですね。でも一言で「シンプル」とおっしゃっていても、実際に会ってお話してみると、ご夫婦間で「シンプル」の方向性が微妙に違っていることもあります。そのズレを修正して、本当にお好きなテイストを具現化するために、丁寧なカウンセリングと分析を行ってまいります。

イメージボードづくりで見えてくる!2人の好みの傾向

【東樹さんのインテリアコーディネートの手順】

①ご相談者様の情報収集(家族の性格・趣味・好み・日常生活のパターン)
②住まいの空間の分析(間取りの詳細情報)
③ご相談者様家族によるイメージボードづくり
(それぞれ好きなテイストやカラーを知り、目指す方向性を定める)
④手持ちの家具や雑貨の見直し(そのまま使う、買い替えるものを把握)
⑤家具の配置・照明計画・フォーカルポイント(注視点)・ディスプレイコーナーの決定
⑥インテリアプランボードによるインテリアスタイルの提案
(家具、カーテン、ラグマット、ファブリック、雑貨のセレクト)

——カウンセリング後に行う③のイメージボードづくりが気になりますね!

東樹さんイメージボードづくりは、2人のテイストの方向性をしっかりと見きわめるためのものです。海外のインテリア雑誌から、それぞれ好きなシーンやお気に入りのカットを切り抜いて、A3サイズのイメージボードを作っていただきます。作業中は、皆さんとても楽しそうですよ。


海外のインテリア雑誌から、自分の好きなものを切り抜いてランダムに貼っていきます。
切り抜くのはインテリアだけでなく、たとえばお皿や小物などでもOK!

2人の好きなものが切り抜かれたイメージボードの完成。
比べてみると、好みのテイストの違いが明らかに!

——イメージボードづくりのメリットは何でしょう?

東樹さん一番のメリットは、ご自身のインテリアテイストが明確にビジュアル化できることですね。ふだん「これ好き」「あれ、いいね」と、お互い感覚的にわかっていた好みが、ボードによって明確になります。ある意味、2人のテイストをお互いに知る作業でもあります。


ご主人のイメージボードをインテリア写真で表現すると、
ブラック&ホワイト、クール、スタイリッシュなイメージ。
奥様は、ナチュラル、ウッド、麻・コットン、アクセントカラー、ぬくもりのあるイメージ。

——2人のイメージボードを、インテリア写真のイメージで表現してみました。「シンプル」な好みが共通項でしたが、「シンプル」と言ってもクールとナチュラルでは方向性が違っているのがわかりますね。

東樹さんご相談者様の中には、インテリアショップで夫婦喧嘩して帰ってきてしまったという方もいます。お互いに気に入っていないものを無理強いすれば、小さな不満がストレスになっていきます。ご夫婦同士だと趣味や嗜好は、結構似通ってくるものですから、イメージボードで違いがわかれば、どの方向性で行くかが具体的に見えてきますよ。


好みの写真をピンボードに貼るようにコレクションできる
Pinterestなどの写真共有サイトも、イメージボードづくりに役立ちます。

——マンション購入前にこうやってご夫婦でイメージボードづくりをしておけば、内装やオプションプランを決めるのに役立ちそうですね?

東樹さんそうですね。まず自分の好みを知るというのが一番大切なことなので、ワークショップで、インテリアのイメージボードづくりをすることもあるんですよ。
利用する海外のインテリア雑誌は、マガジンマートという洋雑誌や洋書の輸入専門店に豊富に揃っています。ピンボード風の写真共有サイトPinterest(ピンタレスト)に、自分の好みのインテリア写真をコレクションしてみても楽しいです。

2人のテイストを取り入れたインテリアプランボードの提案


インテリアプランのBefore & After。リビングを広く使う提案です。

——今回の提案のポイントはどこでしょうか?

東樹さんご主人はアイアンや直線使いのものがお好き、奥様はナチュラル系のベースの中にアクセント的に色を使いたいという傾向がわかりました。全体的にデコラティブな要素は避けて、シンプルな形の家具を取り入れ、クッションやラグでアクセント的に色を入れてぬくもりのあるテイストにしています。


東樹さんが提案された手描きのインテリアプランボード。
これに加えて、オススメの家具や雑貨などの具体的な商品の紹介資料が添えられます。

——リビングダイニングを広く使うように提案されていますね。

東樹さんいまはディンクスとしての生活を楽しんでいらっしゃいますので、リビングとダイニングの仕切りを取り払って広く使えるようにご提案しました。将来お子さんが誕生したときにはまた変わってくると思いますが、いまのお好みや暮らしを優先するのが最適だと思います。


東樹さんのオススメは、必ずどこかに「ディスプレイスペース(見せ場)」を設けること。

——ダイニングの壁面に「ディスプレイスペース」を提案されていますね?

東樹さん部屋に入ってすぐ人の視線が向かいやすいフォーカルポイント(注視点)に、インテリアの見せ場となる「ディスプレイスペース」を設けることを、皆様におすすめしています。今回の間取りでは、一番視線が向かいやすいダイニングの壁面にコンソールチェストを置くことをご提案しました。

——「ディスプレイスペース」にはどんなものを飾ればいいのでしょう?

東樹さんフォトフレームやランプ、植物など、ご自身の好きなものを飾ってください。季節折々のディプレイを楽しむことで、生活に潤いが生まれ、お部屋にいる時間が楽しくなります。
お友達を招くときも、まず「ディスプレイスペース」をきれいに整えれば、心の余裕が生まれて「とにかく部屋を片付けなくちゃ!」というプレッシャーからも解放される効果があります。


インテリアディスプレイには、「3つの法則」と「三角形の法則」を取り入れて!

東樹さん何か同じものを並べるときは、「3つの法則」を取り入れてみてください。コンソールチェストの上にキャンドルやオブジェなどを飾るなら3つ、ソファのクッションならば3つ。奇数にすると収まりがいいですよ。小物の飾り方も、直角三角形や正三角形になるように、高さのバランスを「三角形の法則」にすると失敗がありません。


リビングのソファのクッション使いも3つ。
サイドテーブルは直線のアイアンの足でご主人のテイストも取り入れました。

ご夫婦が納得出来る、居心地の良い部屋づくりが「マイホーム」

——これからマンション購入を検討している方に、インテリアのアドバイスをいただけますか?

東樹さんマンションを購入すると床材や壁紙の色・オプションを選べる場合もありますが、皆さんとりあえず流行しているものや、白・ベージュの無難なものをセレクトしがちです。入居してからあとで整えようと思いつつ、数年経ってもそのまま。気に入らないインテリアに囲まれているのがストレスになって、ご相談いただく方もいらっしゃいます。
せっかくのマイホームです。イメージボードづくりでそれぞれの「自分らしいインテリアテイスト」を明確にしたら、それに沿って、家具やファブリック、インテリア小物などをひとつひとつ丁寧に選んでいきましょう。そうした作業を積み重ねていくことで、「後悔しないインテリア」が完成します。ぜひ2人のテイストに合った居心地の良い部屋づくりをしていただければと思います。

【MAJOR7で東京23区内のマンションを見てみよう!】

インテリアコーディネーター

東樹 麻理子(とうじゅ まりこ)さん

インテリアコーディネーター、生活空間コーディネーター、フラワーデザイナー。フラワーアレンジ教室Atelier Ecru主宰、LAVENDEL代表。大手インテリア専門商社に勤務。インテリアコーディネーターとして個人宅、店舗のコーディネート、インテリアセミナー講師など、多岐にわたる業務に従事。現在は、フリーのインテリアコーディネーターとして主に住宅のインテリアコンサルティングを手掛ける。

SMILE INTERIOR

LAVENDEL

記事監修:東樹麻理子

取材内容は2018年6月28日現在のもので変更になる可能性があります

編集部のおすすめ記事

カテゴリ一覧

物件をお探しの方へ ※大手不動産デベロッパー7社の物件情報に特化したポータルサイト『メジャーセブン』の物件一覧ページに遷移します