市民が踊るAEDムービー、女性の働き方支援、ねぶくろシネマ、調布の新しいムーブメント

都心から約20kmに位置する調布市は、京王線特急で新宿から約15分。近年「ねぶくろシネマ」発祥の街としても盛り上がっている調布市には、街と仕事と暮らしを楽しくするムーブメントが始まっているようです。調布に住み暮らす、非営利型株式会社ポラリスの山本弥和さんと調布企画組の主宰 長尾純平さんに、街の魅力を伺いました。

新宿から特急で約15分の便利さと、自然がそこかしこに残る調布


非営利型株式会社ポラリスの山本弥和さんは、お子さんと夫の4人暮らし。
ここ調布で、地域と仕事と暮らしとが密接に結びついた生活を実現されています。
調布のコミュニケーションバー「紗ら+(さらさら)」でお話を伺いました。

——山本さんは、調布に住んで何年ですか?それまではどちらに?

山本さん調布に住んで15年です。以前は京王線の池ノ上に住んでいましたが手狭になって、子育てにいい環境で広い部屋を探して調布に決めました。新宿から京王線特急で約15分。夫も都心の職場に通いやすくて満足しています。スーパーや個人商店が豊富で、子育てのしやすさが違いますね。

——調布の街の雰囲気はいかがですか?

山本さん引っ越してから驚いたのは、まわりに畑や田んぼが多いことでした。無人野菜販売所もあちこちにあるし、畑で育つ野菜を見て季節を感じています。深大寺自然広場内の通称「かに山」には、雑木林や自然がそのまま残されていて、子どもが小さい頃によく行きました。

働くことと暮らしを両立する!調布ワーキングスタイル


年に2回、調布で開催している「はたらき方マルシェ」の出展ブースの様子。
調布で起業中・起業をめざしている女性達の交流の場を提供しています。

山本さんは、7年前に仲間と一緒に非営利型株式会社ポラリスを、ここ調布で創業しました。
調布で起業している人達が出店する「はたらき方マルシェ」や、子育て中などの女性がスキル登録して自由に働ける場を提供する「セタガヤ庶務部」など、潜在的な可能性を秘めた女性達が地域で多様な働き方を実現するための仕組みづくりを行っています。

——調布を中心に、女性が働く場や交流の機会を積極的に提供されていますね。

山本さん調布がベースですが、さまざまな地域の多様な人たちと、愛着ある地域で働くための土台づくりを行っています。一緒に働く人が「調布っていい街だな」と思えるように、“調布系ワークスタイル”を確立することを目指しています。ここ数年、調布にはおもしろい活動をしている人が男女問わず増えてきた気がします。いまお話をしているこの場所「紗ら+(さらさら)」の長尾純平さんもそうですね。

——調布の魅力って一言でいうと何でしょう?

山本さん調布は、ON/OFFの境界が混ざり合っている気がします。仕事だけど暮らしで、暮らしだけど仕事で(笑)。いまちょうど、市民それぞれが活動してきた「点」と「点」がつながりあって、「線」や「面」になりつつあるところで、これからもっとおもしろい街になりそうでワクワクしています。

調布をブランディングしたい!調布企画組


コミュニケーションバー「紗ら+(さらさら)」は、調布駅から徒歩15分ほど。
昭和48年から続く武蔵野市場「調布卸売センター」のビルの2階に入っています。

「紗ら+(さらさら)」は、調布ブランディング集団「調布企画組」が手がけるコミュニケーションバーで、週末にはさまざまなクリエイターがマスターとなって人が集まる場です。


「調布企画組」主宰の長尾純平さん。

長尾さんは、2015年に調布市民と行政の協力のもと、市民がダンスしながら市内にあるAED(自動体外式除細動器)の場所を教えるという「調布AEDマッピングムービー」を制作。国連防災世界会議で、シビックテック(市民が地域課題を解決するためのテクノロジーや活動)の理想的な事例として紹介されるなど、多くの人に着目されました。踊るAEDムービーに喜んで参加した市民も、サポートした行政も、スゴイと思いませんか?


AEDの設置場所がわかる「調布AEDマッピングムービー」

調布AEDマッピングムービー

——「調布企画組」はどんな団体ですか?

長尾さん調布に住む仲間が集まって「田舎以上、都会未満の街、調布でおもしろいことをやろう!」と始まりました。地元を足場にいろいろな人とつながって、街をおもしろくしていこうとしています。AEDムービーもそうですが、調布という街で人と人が出逢い、そこからまた新しいつながりや新しいことが生まれてきています。


布多天神社境内で行われた「いろどりマルシェ2018」。
調布の美味しい野菜、飲食店、和の小物の店が出店したマルシェ型フェスティバル。

——どんな新しいことが生まれてきていますか?

長尾さん「調布企画組」の活動では、この近くにある鎮守の森の布多天神社の境内で、調布のお店や人・モノを集めて、和のファッションショーまでやってしまう「いろどりマルシェ」を開催しています。昔から住んでいる人や新しく住み始めた人、新旧の住民全員が楽しめる新しいスタイルの「調布のお祭り」として続けていければ嬉しいですね。

映画のまち、調布のこれから


「映画のまち調布 シネマフェスティバル2019」は、
2019年2月16日(土)~3月10日(日)の期間、調布の街が会場となって開催。

——調布は、映画の街でもあるんですね。

長尾さんそうですね。日活調布撮影所を始めとした映画・映像関連企業が多いので、調布市が「映画のまち」として推進しています。2月に開催される「映画のまち調布 シネマフェスティバル2019」のクリエイティブワークは、調布企画組で担当しました。調布は、映画にしてもサッカー(※)にしても、本物に触れられる街なんですよね。原石はいっぱいある。だから行政だけに任せるのではなく、我々市民がそこを耕していけば、もっとおもしろい街になっていく予感がします。

※調布市は、FC東京とのパートナーシップによるスポーツ振興などを推進しています。

——調布の魅力とは何でしょう?

長尾さん人口23万人位のコンパクトな街だから、ちょうどいいサイズ感なんじゃないでしょうか。自分のパーソナルスペースも確保しつつ、パブリックとしても付き合える。多様なプレイヤーが活躍しやすい街なんだと思います。

調布市観光協会公式サイト 調布観光ナビ

長尾さんのコミュニケーションバー「紗ら+」と同じフロアには、調布の人気イベント「ねぶくろシネマ」や「いっぴんいち」を手がける合同会社パッチワークスさんが今後入ってくるなど、調布でユニークな活動を行っている会社が集まる場所になりそうです。


調布で活動する合同会社パッチワークスが企画運営する「ねぶくろシネマ」。
調布に住む父親達が子どもと一緒に屋外で映画を楽しむために始めたもので、
京王線の橋桁や駅前で上映していた調布発の企画が、いま全国に広がっています。
写真は、調布駅前ビルをスクリーンにして開催された「ねぶくろシネマ」の様子。

合同会社パッチワークスが企画した、調布のマルシェ「いっぴんいち」。
こだわりの逸品を一品(1種類)持ち寄って屋台やテーブルで売ります。
「手作り籠」「調布産野菜の八百屋さん」「絶版古書屋さん」などの出店のほか、
街で使われていないもののリユースを目的とした「ガレージセール」や、毎回好評の子どもが自分で売るものを決め、
自分で実際に販売までする「こどもマルシェ」も登場しました。

調布在住の子育てご家族にも聞きました!調布の魅力


季節の花々が美しい神代植物公園や
BBQのできる京王フローラルガーデン アンジェが、Gさんの調布オススメスポット!

さらに、3人のお子様とご夫婦で暮らすGさんご家族にも調布の魅力を伺いました。

——いまお住まいのマンションでの暮らしはいかがですか?

Gさん少し駅から歩きますが、騒がしくなくて環境が良く、自転車で買い物や遊びに行けるので便利で気に入っています。住民の皆さんも、会うと声をかけあう関係で安心して生活できるマンションです。あるお宅で誤ってアラームが鳴ったときも、無視することなく住民が「大丈夫か?」と駆け付けたこともありました。

——調布の子育て環境はいかがですか?

Gさん共働きの親として気になるのは、保育園事情でしょうね。保育園が近くにあるマンションを探すなど、保育園や幼稚園・小学校・学童保育などを、事前に調べて選ばれるとよいと思います。私は学生時代から調布に住み続けていますが、同じように大学卒業後も調布に住み続けている人の話をよく聞きます。それだけ離れられない、居心地のいい住みやすい街だと思います。


調布に暮らす皆さんのお話を伺っていると、職住育近接な上に、自分たちの街を楽しくよくしようと、それぞれの活動からアプローチしてる市民が多いことに驚かされます。調布で開催されているイベントを通じて、調布の街の住みごこちを体感してみてはいかがでしょうか。

【MAJOR7で調布市のマンション一覧を見てみよう!】

非営利型株式会社ポラリス

誰もが暮らしやすく、はたらきやすい社会の実現を目指す非営利型の株式会社。新しい働き方を目指す人のための講座の実施場所かつ拠点であるコワーキングスペースの「cococi」を運営。主婦を中心に170名が登録する庶務代行事業「セタガヤ庶務部」などがある。

ポラリス

調布企画組 主宰 長尾純平

調布ブランディング集団「調布企画組(株式会社 LockUP 調布支社)」主宰、調布市観光協会理事、株式会社LockUP代表取締役社長、日韓合同ライブコマース推進委員会会長。地域活性ビジネスとコミュニケーションをテーマに、コミュニケーションバー「紗ら+」運営も手掛ける。

調布企画組

紗ら+(さらさら)

記事監修:ポラリス、調布企画組

取材内容は2019年1月31日現在のもので変更になる可能性があります

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