中止予定だった鎌倉花火大会が市民主導で復活!「カマコン」メンバーに聞く鎌倉の魅力

実際に住んでいる方に人気の街の住みごこちを伺うシリーズ。今回は、鎌倉の街をご紹介します。鎌倉の街を盛り上げるために設立された「カマコン」に参加して、それぞれの市民活動を行っている皆さんに、鎌倉の魅力や住みごこちをお伺いしました。

住んでみたい街アンケート13位!鎌倉の魅力とは?


海岸沿いを走る江ノ電の姿も、鎌倉の魅力のひとつ。

MAJOR7「住んでみたい街アンケート2017年」の20位までにランキングされている街のうち、東京以外の街は、武蔵小杉、横浜、鎌倉の3つでした。

→「第26回 住んでみたい街アンケート(首都圏/関西圏)2017年

鎌倉といえば、歴史ある古都の風情、神社仏閣の点在する山サイド、由比ヶ浜や七里ヶ浜の海サイドといった自然環境に恵まれ、古くから政治家・学者・文人が好んで住んでいた街でもあります。
とはいえ、なんとなく観光地のイメージが強い鎌倉。実際に住んでいる人は、どんな点に魅力を感じているのでしょうか?
今回お話を伺った皆さんは、鎌倉を良くしたい!盛り上げたい!という、企業・団体・個人が集まって、さまざまな鎌倉活性化プロジェクトアイデアを発案・具現化している「カマコン(KAMACON)」に関わっている方々です。

面白カヤックなどの鎌倉を拠点とするIT企業を中心に、地元企業・団体・個人が集い、「この街を愛する人を、ITで全力支援!」というテーマを掲げて活動している。

あえて不便さを楽しむ、丁寧な暮らしが実現する街


写真左から、ヒトノコト渡辺みさきさん、Jump Start桑畑健さん、
ふらっとカフェ代表理事 渡邉公子さん。皆さん、
公私ともに鎌倉に関わる活動を行っています。

渡辺みさきさん渡邉公子さんは、NPO法人鎌倉市市民活動センター運営会議・前理事長を務め、市民活動センターに登録されている440もあるNPOをつないでいる重要なキーパーソンです。最近は、多世代が集って食事を食べるみんなの食堂「ふらっとカフェ鎌倉」での交流の場づくりを開催していらっしゃいます。

桑畑さん公子さんは、昔のこともいまのことも、鎌倉のことなら何でも知っている「鎌倉ウィキペディア」のような方ですよね。みんながお世話になっています。

渡邉公子さん自分ではそんなつもりじゃないんですが(笑)。鎌倉に住んで40年ほどになります。哲学者西田幾太郎などが住み「学者村」と呼ばれた稲村ヶ崎の姥ヶ谷に住んでいます。坂道が多くて、我が家まで133段の階段を上らないといけないけれど、逆にそれがあるから、足腰が鍛えられる街なんじゃないかしら。自然が豊富で、ナズナを摘んだり海へワカメを取りに行ったりすることもあります。お台所から富士山や江ノ島が見えると、それだけで気持ち良く過ごせますね。

鎌倉—品川は電車で約50分。グリーン車に乗れば仕事しながら快適通勤も。


海から富士山が見えるのも、鎌倉の財産。

桑畑さん僕は2012年秋の「カマコン」の立ち上げのタイミングでオフィスも住居も、都内からこのエリアに移しました。いまも経営している会社のオフィスが小町通りにあります。
「鎌倉は都心から遠い」という印象があると思いますが、実は品川から鎌倉まで電車で50分です。グリーン車に乗れば仕事も読書もできます。他の東京近郊路線とさほど時間的に変わらないのに、たった50分でこんなに別世界を感じられる場所も珍しい。
個人商店は早い時間に閉店するし、都心のような24時間都市ではないけれど、「ほどよい僻地感」が鎌倉の良さだと思います。

渡辺みさきさん私は、大船で15〜16年、母が海の近くがいいと言い出して由比ガ浜に引っ越してから20年ほど住んでいます。鎌倉は、大きな事件もなくて治安の良い街だと思います。夜道でも、家の灯りや街灯があって、なんとなく人の雰囲気を感じて安心できますね。

市民の手で取り戻した鎌倉花火大会、街のことをジブンゴト化する鎌倉市民の気風


カマコンのクラウドファンディングiikuniでは、なんと11,326,000円の協力金を達成!
見事に市民の手で実現できた2017年鎌倉花火大会。

——「カマコン」で実現したプロジェクトでは、どんなものが有名ですか?

渡辺みさきさん最近では、期日前投票を終えた方を人力車で自宅まで無料で送るイベントを開催した「鎌倉の市議会選投票率向上プロジェクト」や「2017年鎌倉花火大会」ですね。
毎年開催していた鎌倉花火大会が、昨年は「予算不足で中止」と発表されました。
そこで地元の市民、商店、企業、各団体、皆さんが、楽しみにしていた花火大会を存続させたいと動き始めました。「カマコン」でも、クラウドファンディングiikuniの仕組みを活用して、協賛金を募り、予定の113%を超す資金を集めました。

クラウドファンディングiikuni鎌倉花火大会

渡辺みさきさんこのプロジェクトが素晴らしかったのは、鎌倉市の皆がお金を出し合ったことだけではなく、花火大会を開催した直後と翌朝の清掃まで、市民ボランティアが自主的に行ったことです。行政から言われるのではなく、自分たちが動く。そういう気概が、鎌倉市民にはある気がします。

渡邉公子さん元々鎌倉市民には、何でも行政任せではなくて、必要だと思ったら自分たちが動くという市民活動の積み重ねがあるんですね。日本でのナショナル・トラスト運動も、鎌倉から始まったと言われています。1960年代の高度成長期に、鶴岡八幡宮の裏山にある「御谷(おやつ)山林」に宅地開発の波が押し寄せてきて、市民が立ち上がって鎌倉風致保存会を設立しました。
その下地の上に、いま「カマコン」という存在ができて、鎌倉をさらに元気にしてくれている気がしています。

生まれ育った鎌倉へUターン!子育てと親子向けマップ「かまくらっぷ」づくりに励む


「鎌倉は、歩道が広くてベビーカーも押しやすい」と尾﨑さん。

現在鎌倉のマンションで子育て中の尾﨑ゆかりさんも、「カマコン」メンバーのおひとりです。
「カマコン」で提案した、親子向けの地域密着型情報マップ「かまくらっぷ」づくりのプロジェクトを現在推進中です。「かまくらっぷ」は、観光用の情報マップではなく、鎌倉に住む子育て世代のために、親子連れで行ける場所・イベント情報や防災情報などを収集しています。

尾﨑さん結婚してから、元住吉、大船に住んでいましたが、昨年秋に鎌倉の実家近くのマンションへ引っ越してきました。元々鎌倉に戻りたかったのは私なので夫を説得しました(笑)。
鎌倉は人も街ものんびりしていて、時間に追われてセカセカしていることもない。そこが魅力かな。サーフィン好きのご主人に引っ張られるかたちで鎌倉に引っ越してきたお友達も、いまでは、鎌倉のスローな生活が気に入ったと言っています。

——子育て環境はいかがですか?

尾﨑さん海でも山でも子連れで行ける場所が多いし、歩道も広くてベビーカーで歩きやすい。それに子どもを連れて歩いていると、すぐ誰かに話しかけられるんです。日中は高齢の住民の方が多いですが、皆さん子どもに優しいですね。

——将来は、ご実家で一緒に住む計画ですか?

尾﨑さんマンションから徒歩5分の実家は一戸建てなので、将来は、「親の一戸建てと、うちのマンションを交換して住みたいね」って言っています。両親はすでに「早くマンションに引っ越したい」と言っています。


親子でマンションと一戸建てを住み替えるのって、どちらにとってもメリットがあって良さそうですね。他にも、鎌倉に引っ越したお子さん夫婦の暮らしぶりに惹かれて、他の地域に住んでいたご両親も鎌倉のマンションの引っ越してきたというお友達もいらっしゃるそうです。

鎌倉は、一度住むと心底好きになってしまう、そういう魅力があるようです。そしてそのベースには、鎌倉の街をもっと盛り上げようと活動する「カマコン」メンバーを始めとした、住民の力が支えているのですね。

【MAJOR7で横浜・川崎・湘南の物件特集を見てみよう!】

記事監修:カマコン(KAMACON)

取材内容は2018年2月27日現在のもので変更になる可能性があります

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