モバイルバッテリーの発火やトラッキング現象、冬の電気火災に注意しよう

MAJOR'S Column

2026年01月20日

最近、モバイルバッテリー製品(リチウムイオン電池)の発火や、コンセントのプラグ周りのほこりが発火して起こるトラッキングなどの電気火災が増えています。新築マンションは火災探知機や延焼防止対策が整備されているとはいえ、火災の原因を未然に防いで安全に暮らすために、普段から備えたいものです。備え・防災アドバイザーの高荷智也さんに、電気火災の原因と安全に使うための方法をアドバイスしていただきます。

●モバイルバッテリー(リチウムイオン電池)発火事故の原因


渋谷区にあるイーオクト直営、エコンフォートハウス表参道店。
掃除用品以外にもKLIPPANなど、暮らしを豊かに彩る製品が揃っています。

今回は、イーオクト株式会社マーケティング本部の
関 純子さん(写真向かって右)と土田美和さん(左)にお話を伺いました。

関 純子さん イーオクトの基本理念は、サステナブル・デザイン・ファンクション(機能)の3つが揃った製品を提供することです。サステナブルな製品というのは基本ですが、「家事を義務ではなく、毎日の暮らしの中で、少しでも楽しく快適なものにしていただきたい」というのが、私たちの願いです。
小さなお子様やペットのいるご家庭では「あまり強い掃除洗剤を使いたくない」、地球に優しい環境を考えるご家庭では「環境に配慮したエコな掃除製品を選びたい」という声を聞きます。そうした声にお応えできるのが、サステナブルクリーニングです。

【サステナブルクリーニング5つの良いこと】

1.誰もができる
2.刺激の強い洗剤を使わないので室内の空気がきれいに
3.家がもっと気持ちよくなる
4.環境にやさしい
5.長く使えてコスパも◎

●モバイルバッテリー(リチウムイオン電池)発火事故の原因


便利なリチウムイオン電池ですが、製品から出火する火災が急増しています。

——最近特にリチウムイオン電池製品の火災事故が増えている理由は何でしょう?

高荷さん まずリチウムイオン電池は、内部に燃えやすい溶媒を含んでいます。充電して繰り返し使える利便性の一方で、取り扱い方や捨て方を間違えると、衝撃や破損で発火する危険性があります。電池ですので、充電時には高温になります。また、取扱説明書を読まずに、間違った使い方をすることで、さらに発火事故の危険性が高まります。

リチウムイオン電池が使われている製品
  • モバイルバッテリー
  • スマートフォン
  • 携帯電話
  • タブレット
  • ノートPC
  • 携帯ゲーム機
  • ハンディ扇風機
  • 電子タバコ
  • デジタルカメラ
  • コードレスクリーナー
  • 電気工具
  • 電動歯ブラシ
  • など

高荷さん リチウムイオン電池は、衝撃に弱いので優しく取り扱ってください。落として、火災が起こることもあります。また、「うちにある」からといって、仕様に合っていない充電ケーブルを使って充電するのも厳禁です。たいていの人は、製品の取扱説明書をちゃんと読んでおらず、間違った使い方により発火事故の危険につながります。

リチウムイオン電池の間違った使い方
「衝撃と高温に注意!」

  • 仕様に合わない充電ケーブルを使っている(必ず取扱説明書を確認)
  • 落下させたり、踏んづけたりする
  • 水没させる
  • 室内の暖房器具の近くに放置している
  • 夏の高温の車内に放置している

高荷さん 電池というのは、充電すると発熱するものです。衝撃や水没、高熱に弱いものだと理解して扱いましょう。
また寝る前にベッドの近くで充電する場合、重なった毛布や布団に包まれると、充電時の熱を逃がせなくなり、発火する可能性もあります。充電する場所の周りに、燃えやすい寝具や衣類を置かないなど、普段から注意します。

●リチウムイオン電池は消耗品! 正しい捨て方


モバイルバッテリーが膨張すると、発火の危険があります。

——リチウムイオン電池が膨張してしまったらどうしたらいいのでしょう?

高荷さん 使用済みリチウムイオン電池には、以下の回収方法があります。膨張してしまっていたら、濡らさないように気をつけて、回収先の指示に従って出してください。
量販店のリサイクルボックスは、お店の担当者に「回収に適合したメーカーの電池かどうか確認してもらう」必要があります。勝手にリサイクルボックスに出せないので注意してください。電池は、一般社団法人JBRCの会員企業の製品をリサイクルするようになっています。会員企業の製品であれば回収できるので、今後リチウムイオン電池製品を購入する上での基準にしてください。

使用済みリチウムイオン電池の回収先

  • 量販店などのリサイクルボックス
  • 自治体による回収(自治体によって回収方法が異なるため、必ず確認)
  • メーカーの回収(購入元メーカーに回収を依頼する)
  • 一般社団法人JBRC(会員企業の製品を回収)

一般社団法人JBRC
※製品を回収できるメーカー名をHPから検索できます。

高荷さん 以下の動画は、Anker×環境省の協力で作成したものです。リチウムイオン電池の危険性をしっかりと紹介していますので、ぜひ参考になさってください。


[Anker×環境省]発火!爆発!事故を防ぐ!リチウム蓄電池の正しい捨て方詳細ガイド
[そなえるTV・高荷智也]より

●コンセントからの発火に注意! トラッキング火災


コンセントに差したプラグの周りに、ほこりが付着していることで、
湿気を帯びたほこりから火災が発生する場合があります。

高荷さん もうひとつ、電気火災で多いのは、コンセントのほこりから発火するトラッキング火災です。2011年の東日本大震災や、2024年の能登半島地震の出火原因の半分以上が、家電や延長コードをはじめとする、電気火災でした。こうした火災は、災害時だけでなく普段の生活においても注意が必要です。台所家電のコンセントをたくさん差した延長コード、家具で断線してしまったコード、消費電力以上の容量をつなげたたこ足配線などから、発火することがあります。
リチウムイオン電池もそうですが、コンセントやコードも消耗品です。特に台所に使っているケーブルは、3〜5年ほどで交換するようにした方がいいですね。最近は安全設計されたコンセントも多く発売されています。タップ自体にブレーカーがついているもの。高齢者向けに、電気容量を規定よりオーバーして使い過ぎると警告音が出るものなどがあります。
リチウムイオン電池もコンセントもケーブルも、消耗品。数年使ったら安全な内に買い替えるのが正しい使い方です。

●火災が起きたら? リチウムイオン電池は水をかけない


【リチウムイオン電池の火災】
①発火したら、離れて安全を確保(水をかけない。布で叩いたりしない)。
②危険がなければ、住宅用消火器で消火する。
③119番通報をして、周りの住戸にも火災の発生を知らせる。

——万一家庭で火災が起きたら、消火方法について教えていただけますか?

高荷さん まずリチウムイオン電池の火災とトラッキング火災とでは、消火の対処方法が大きく異なります。リチウムイオン電池の火災は、花火のように爆発的に炎上することもありビックリしてしまいますが、リチウムは水と反応すると燃える性質を持っているため、慌てて水をかけると、火にガソリンを注ぐのと同じことになり、余計に火が大きくなってしまいます。電池内の燃料がなくなれば、ずっと燃え続けることはないので、火を噴いたら、まず身の安全の確保、そして消火器で消火します。


【トラッキング火災】
①コード火災の場合、室内のブレーカーを落とす。
②身の安全を確保する。
③消火器で消火する。
④119番通報をして、周りの住戸にも火災の発生を知らせる。

高荷さん コンセントやケーブルのトラッキング火災の場合は、電池のように燃えやすいエネルギーがたくさん供給されないので、火花を放ったらすぐ火災が収まること場合が多いです。ただし周囲にほこりや燃えやすいものがたくさんあると、火災が大きくなってしまいます。日頃からの清掃や整理整頓も重要ですね。
またどちらの場合も、消火したと思ってもまた燃える可能性があります。自分でなんとかしようと思わずに、ボヤであっても必ず119番通報をして、余力があれば初期消火を行います。マンションには、住戸ごとに住宅用消火器を設置しているので、どんな火災に適合しているのかを、事前に確認しておきましょう。


住宅用消火器。火災の種類に応じて、消火に適応する火災が絵で表示されています。
普通火災適応、天ぷら油火災適応、ストーブ火災適応、電気火災適応などがあります。

電気火災の危険性についての知識を理解し、正しく製品を使っていきたいものですね。安全に安心して暮らせる新築分譲マンションは、MAJOR7でお探しください。

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備え・防災アドバイザー 高荷智也(たかに ともや)

合同会社ソナエルワークス 代表社員。「自分と家族が死なないための防災」をテーマに、地震・水害・パンデミックなどの自然災害から、銃火器を使わないゾンビ対策まで、堅い防災を分かりやすく伝える活動に従事。防災系Youtuber・Voicyパーソナリティ としても活躍中。
備える.jp
YouTube「そなえるTV」
Voicy「死なない防災!そなえるらじお」

記事監修:高荷智也

取材内容は2026年1月20日現在のもので変更になる可能性があります。

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