「住んでみたい街アンケート」第3位の街、自由が丘に20年お住まいの素敵なシニアご夫婦にお話を伺いました。自由が丘は、子育て世代にもリタイア後に趣味を楽しむ世代にも、さまざまな世代にぴったりな街のようです!
20年前、子どもたちから「東急沿線じゃないとイヤ!」と言われて自由が丘へ
自由が丘駅付近の九品仏川緑道。並木の下にはベンチがあり、散策する人の憩いの場です。
MAJOR7が実施した「住んでみたい街アンケート(首都圏)2016年度」で、第3位となった街、自由が丘。前年アンケートでの第5位から、堂々のベスト3入りでした。
自由が丘というと、「おしゃれな街」「マスコミで人気のお店がある街」というイメージが強いかもしれません。今回は、子育てをしていた時期から、ご夫婦二人暮らしになった現在まで、20年間自由が丘にお住まいのご夫婦に街の住みごこちを伺いました。ご主人は74歳、奥様は70歳。お二人ともリタイア後の生活を、趣味や交流に忙しく楽しく暮らしていらっしゃるご様子です。お住まいのマンションのすぐ近くにある喫茶店カフェ・アンセーニュ・ダングルでお話を伺いました。
——20年前に自由が丘に住もうと思ったきっかけは何でしょう?
Mさん(夫)それまで大田区久が原の社宅に住んでいました。そこを出ないといけなくなったので、マンション探しを始めました。当時、息子と娘が社会人と大学生で「東急沿線じゃないとイヤ!」と申しまして(笑)、それで東急沿線で探し始めました。ちょうど自由が丘駅から徒歩6分、奥沢の住宅街にある小規模な低層マンションが売り出されていて、庭付きの1階3LDKの部屋が気に入って、自由が丘に住むことになりました。
——お子さんにとっては、自由が丘への引っ越しは大喜びだったのではないでしょうか?
Mさん(妻)どこへ行くにも便利ですしね。ただ、当時は二人とも仕事やアルバイトに忙しく、街で遊ぶ余裕はなかったかもしれません(笑)。いまはどこも洒落ていますが、20年前はまだ南口は少し古い商店街の雰囲気が残っていました。引っ越す以前、私たちが若い頃にはまだ暗渠(あんきょ)になっていなくて川だった九品仏川緑道も、引っ越したときにはすっかりきれいな緑道になっていました。
二人のお子さんが巣立ち、夫婦二人の暮らしは定年退職後の趣味ライフを満喫中
「これはNYで、これは自由が丘の古書店で買ったもの」と、ご主人が買い集めた画集を見るお二人。
自由が丘住まいを希望した二人のお子さんはそれぞれ家庭を持って巣立ち、現在はMさんご夫婦二人で自由が丘のマンションに暮らしていらっしゃいます。
——お子さんはどちらにお住まいですか?
Mさん(妻)娘は武蔵小杉のマンションに住み、息子は神宮前にカレー店を持っています。どちらも自由が丘から近いので嬉しいですね。私もスイミングスクールのお友達が自由が丘にいますので、楽しく暮らしています。
Mさん(夫)私は定年退職してから、自由が丘や奥沢にある地域の囲碁クラブやコーラスの会、クラシックのCDコンサートの会などに顔を出して、趣味の音楽や絵画を楽しんでいます。
——ご主人は、いま毎月絵画鑑賞会を開催していらっしゃるとか?
Mさん(夫)ええ。学生時代から、カラヴァッジオやレンブラントなどの西洋絵画が好きでして。数年前、ちょうどうちのマンションから歩いて20歩位のご近所に、「シェア奥沢」というコミュニティスペースが誕生しました。多摩美術大学デザイン学科教授の堀内正弘さんが自宅を住み開き、築80年の古民家の自宅を地域住民に開放しておられるスペースです。そこでご縁があって出入りするようになり、以前から好きだった絵画の鑑賞会の開催を提案しました。以降、毎月「西洋絵画を愉しむ会inシェア奥沢」と題した絵画鑑賞会を開催させていただいています。
「西洋絵画を愉しむ会inシェア奥沢」の様子。Mさんによる絵画の解説と交流会の二部構成。
Mさん(夫)昨年末で通算25回、もう2年以上に渡って続けています。毎回テーマを選び、プロジェクターで作品を紹介しながら解説します。絵画に興味のある方々が常時20〜30名ほど集まって聴いてくださいます。
Mさん(妻)交流会では、私がキッチンをお借りして軽食をご用意しています。大勢の方にお出しするので、自分でも「次は何を作ろうかしら」とレシピを調べて、家で試食したりしています(笑)。
Mさん(夫)自由が丘から奥沢にかけては、世田谷の昔ながらの閑静な住宅街があり、昔は軍人が多く住んでいて「奥沢海軍村」と呼ばれていたそうです。「シェア奥沢」のほかにも、いまもクラシックな民家が残っていて、民家を利用した私設図書館「読書空間みかも」や「土とみどりを守る会」などがあり、地域の環境を良くしていこうというさまざまな動きがあるのもいいですね。
——宮本さんのように地域で交流を深めていくにはどうしたらしいのでしょう?
Mさん(夫)区報や公共施設に、趣味の集まりの情報が数多く掲載されていますので、積極的に情報収集することでしょうか。会の趣旨や雰囲気によって、自分に合う・合わないという部分もあります。体験してみるのが一番です。そうやって好きなことや居心地の良い場を見つけていくことが一番ではないでしょうか。
Mさんご夫婦のリタイア後の人生は、自由が丘という街で文化的な地域交流や趣味の世界から豊かに広がっているようです。なんだか素敵ですね!
自由が丘は平面の街、小径に迷い込んで思わぬ発見がある
自由が丘を街歩きしていると、こんな石畳の路地が出現することも!
——お二人にとって自由が丘はどんな街でしょうか?
Mさん(妻)娘夫婦が武蔵小杉に住んでいてよく行くのですが、あちらはタワーマンションの林立する垂直の街。自由が丘は反対に、平面の街なのかなという気がします。ぶらぶら歩いているうちに、思わぬ小径やお店を発見することがあります。大きなショッピングセンターはないけれども、自由が丘にしかないような個性的な小さなお店がいっぱいあって平面的に横に広がっているイメージでしょうか。
駅前にはおしゃれなお店がある一方で、惣菜屋さんや金物屋さん、飲食店などが入った「自由が丘デパート」という少し昭和レトロな商店街があります。自由が丘へ遊びに来る古いお友達は、そんな部分にも喜びます。それぞれに良さがあると思いますが、私達年配の者にとっては居心地がいいというか落ちつきますね。
Mさん(夫)私にとっては、趣味の世界が広がり、知的刺激を受ける街ですね。駅付近には、まだ昔からある古書店が一軒残っていますし、目黒区、世田谷区、品川区、大田区の図書館も近くて便利です。「西洋絵画を愉しむ会」の資料探しに、たくさんの図書館通いが必要なのですよ(笑)。
上野の美術館、武蔵小杉、羽田空港、どこへ出かけるにも足場が良い
東急東横線・大井町線が乗り入れて、どこへ行くにもアクセスが良い自由が丘駅。
——他に、自由が丘の良さはどんなところでしょうか?
Mさん(夫)絵画や映画好きなので、上野の美術館、渋谷の映画館、どこへ出るにも足場がいい点ですね。上野へは大井町線経由、銀座へは中目黒経由と、乗り換えも便利ですから。
Mさん(妻)いま90歳の母が福岡で一人暮らしをしています。心配なのでよく見に帰るのですが、自由が丘からは羽田空港も近いのですごく助かります。私たちのかかりつけの病院も歩いて行ける場所にありますしね。
Mさん(夫)いまお話している喫茶店カフェ・アンセーニュ・ダングルもそうですが、家から駅までの間に飲食店があるのも便利です。二人だったらスペイン料理やイタリア料理、子どもが孫を連れて遊びに来たら大勢で行ける中華料理と、選択肢がいっぱい揃っているのもいいですね。
Mさん(妻)お友達の中には「二子玉川と自由が丘があったら、どこも行かなくていいわ」なんていう方もいますよ(笑)。逆に古いお友達も、自由が丘へ遊びに来やすいようです。パンケーキのお店へランチに行ったり、緑道沿いに歩いて九品仏まで案内したりもします。自由が丘は緑が豊かで歩くのが気持ちいい場所ですから。
子育て中は一戸建てもいいと思ったけれど、いまはやっぱりマンションが一番
こんな風な素敵な年齢の重ね方をしたいなと思わせる、素敵なMさんご夫婦です。
——会社時代は転勤が多かったそうですが、いままで住んだ街の中でどこが一番住みやすかったですか?
Mさん(夫)福岡、千葉、札幌、東京では久が原、自由が丘と住みましたが、やっぱりいま住んでいる自由が丘ですね。一番住み心地がいいです。街のサイズも大きすぎず、小さすぎず、ちょうどいい按配の街なんです。
Mさん(妻)子育て中は一戸建てもいいなと思っていましたが、年を取って二人暮らしになると、いま住んでいるようなマンションがやっぱり便利ですね。
Mさん(夫)うちからたった20歩の「シェア奥沢」で「絵画を愉しむ会」を行う場もありますしね(笑)。やはりマンションの近くに、趣味・嗜好の合う仲間が見つけられたこと、地域交流の場を得たことは大きい価値だと思います。いわゆる地域デビューというのでしょうか。年齢関係なく、共通の趣味の話ができる仲間を見つけられたのは、ここ自由が丘に住んでいたからこそだと思います。
お洒落なセレブ街のイメージが強かった自由が丘でしたが、住民の地域交流の取り組みが根付いた街だということがよくわかりました。自由が丘は、子育てが終わったあとも、充実したリタイアライフが過ごせる街でもあったのでした。
【MAJOR7で自由が丘駅近辺の物件を見てみよう!】
⇒目黒区のマンション一覧を見る
⇒世田谷区のマンション一覧を見る
取材協力
取材内容は2017年1月26日現在のもので変更になる可能性があります