第3回 ライフプランと支出入のバランス

ライフプランと支出入のバランス | 資産運用コラム・第3回

前回、前々回は、「資産運用の必要性」「長期投資と分散投資の重要性」について説明してきました。要は、資産運用とはお金の健康を維持管理することであり、先の見えづらい昨今の経済状況下でそれを実現するためには、長期的な視点とリスク分散を前提にした長期投資と分散投資が大切だということになります。

長期的な視点とリスク分散を前提にした長期投資と分散投資が大切

今回からは具体的なアクションプランについて見ていきます。
前回までのコラムで「資産運用をしなければならない!」ということを説明してきましたが、「具体的にどうしたらよいのかわからない」「そもそも資産運用を行う原資を捻出することができない」と言われる方が多いのではないでしょうか。
そこで、今回は「運用するお金~原資をどうやって捻出するか?」を考えていきたいと思います。

何でもそうですが、物事を“効率よく”“うまく”行うには、計画=ライフプランを組み、理解し、実行していくことが大切です(資産運用コラム第一回参照)。

投資を行う場合も、どこがスタート(現状認識)でどこがゴール(目標)か?を明確化しておかないと上手くいくこともなかなか進みません。
「目標は具体的であるほど実現しやすい」という経験則もありますので、まずはこのポイントを知ることが大切になります。

ライフプランに基づいてスタートとゴールを決め

具体的には、ライフプランに基づいてスタートとゴール、さらにA.制限時間とその期間に投資できる金額を把握することによって、B.具体的な目標利回り(ターゲットリターン)が明確にわかり、そこからC.どのような投資を選ぶべきか(行うのか)を知ることができます。最終的に、D.その投資が景気など現状の投資環境から判断して適切かどうかを見極め、投資を実行するか否かを判断することになります。
違う言い回しをしますと、ドライブをするのに、現在位置と目的地を知ることで、その距離と必要な費用や時間を知ることになります。結果として、どれくらいのスピードで進めばいいか、そのためにはどんな移動手段(飛行機、電車、車、徒歩など)を使うのかを知ることになります。自分自身でコントロールできない移動手段を使うと、時間通りに目的地へ到達できない場合があります。

例えば、現在の保有資産が200万円で、15年後に2000万円を得たいと考えて、年96万円(月平均8万円)の積立を行えるとした場合、

  • 複利金利0%で運用した場合は、約1640万円
  • 複利金利1%で運用した場合は、約1778万円
  • 複利金利2%で運用した場合は、約1929万円
  • 複利金利3%で運用した場合は、約2972万円

の積立ができることになります。つまり、iii.の2%超で10年間、複利運用すると目標を達成できることになると言うことです。逆に目標額を決めずにズルズル運用している場合は、i.だと約360万円、ii.だと約222万円、が不足することになります。

それと同時に、ここからどのような資産運用をメインに据えるべきか想像できると思います。つまり、i.のケースなら収益性は0(ゼロ)なので、預貯金を中心にする。ii.のケースなら長期金利を確認しながら1%前後で推移する国債など債券を中心に行い、iii.iv.のケースなら株式市場の動向を確認しながら株式や投資信託などを中心に資産運用を考えるということです。
資産運用を上手くできている方々は意識しているか、していないかに関わらず、この過程を経て、投資を行っているはずです。

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