資産価値を勘違い?マンションマニアさんと考える、資産価値が下がらないマンションとは?

MAJOR'S Column

2017年4月27日

マンションの購入理由のひとつに、資産価値があります。今回は、数多くの相談者様の悩みに答えるマンション購入アドバイザーのマンションマニアさんに、資産価値が下がらないマンションの選び方についてアドバイスをいただきました。最近は、マンションの資産価値について勘違いしている方が多いようです。その勘違いとは何でしょう?

マンション購入検討理由のトップは、「資産を持ちたい・資産として有利だと思ったから」


誰もが、資産価値の下がらないマンションを購入したいはず。

MAJOR7が2016年12月に実施した「新築分譲マンション購入に際しての意識調査」2016年度アンケート結果によると、マンションの購入検討理由の第1位は「資産を持ちたい・資産として有利だと思ったから」でした。2005年の調査開始以来、初めてトップとなりました。マイナス金利時代のいま、マンションを資産として考える傾向が益々強まっているようです。
では、将来にわたっても資産価値が下がらないマンションを選ぶためにはどうしたら良いのでしょう?

今回は、ブログ読者様からの相談メールが毎日届くという人気の購入アドバイザーでありマンション評論家のマンションマニアさんに、資産価値についてお話を伺いました。これまでにもマンションマニアさんには、以下の記事に登場いただき好評を博しています。

⇒通算700件以上のモデルルームを訪問+6回購入!マンションマニアさんに教わるマンション購入術

⇒マンションマニアが教える!知っておきたいモデルルームの歩き方5つのポイント

メディアの情報に惑わされて、マンションの資産価値に対する勘違いが二極化!?


値上がり? 値下がり? 気になるマンションの資産価値。

——マンションの資産価値に関するご相談では、どんなものが多いですか?

マンションマニアさん「最近の相談メールのほとんどに、資産価値についての何かしらの質問が入っています。ただ、相談の時点では、皆さん資産価値について勘違いしていることが多いです。
資産価値に関する勘違いは二極化していて、
 ①新築マンションを買えば値上がりして儲かる
 ②近郊や郊外のマンションは、10年後には新築時の半額になるほど大きく値下がる
という2パターンの傾向があります」

——確かに両極端ですね。どういう根拠から思われているのでしょう?

マンションマニアさん「①の新築マンションを買えば値上がりして儲かるというのは、テレビやネットニュースなどのメディアで”空中族”という言葉が一人歩きしているせいだと思います。”空中族”というのは、タワーマンションを購入して値上がったところで売却して、また新しいタワーマンションを購入するという繰り返しで売却益を得ている人達のことです。

相談者様の中には、近郊や郊外のマンションでも、”空中族”と同じことができると勘違いされている方が多いです。もちろん購入後に値上がりするマンションもありますが、それはごく僅かです。そもそも投資家でもない一般の方々が、新築マンションを転売して儲けようということ自体に無理があります。まして近郊や郊外のマンションでは、転売による売却益を期待することはほぼ不可能です。相談者様には、そのことを最初にしっかりとお伝えします」

——一方で10年後には購入時の半分に値下がると思っている方の理由は何でしょう?

マンションマニアさん「②の場合も同様で、メディアで取り上げられている、人口減少、空き家問題、ニュータウンの高齢化といった言葉に惑わされて、必要以上に近郊や郊外のマンションの資産価値下落を気にされているパターンです。確かに近郊や郊外で新築マンションを購入すれば、10年後には新築時の価格に比べて2割程度下がることはありますが、これはごく当たり前のことです。10年後に半分に下落したという話は、さすがにバブル時代以外では最近聞いたことがありません。

ニュータウンが高齢化しているというニュースは嘘ではありませんが、メディアで報道されていることだけを鵜呑みにして自分の目で確認せずに、そう思い込むのはどうでしょうか。郊外のニュータウンへ休日に出かけてみてください。駅周辺は他エリアから訪れる人や地元の人で賑わっていて、公園では子ども達が走り回っています。現地に行ってみれば、実は暮らしやすい生活環境が整っていることも多いです」

——どちらも、私達がメディアの情報に惑わされて思い込んでいるせいなのですね。

マンションマニアさん「自分の目で現地を確認しなくてもさまざまな情報がテレビやネットから溢れんばかりに入ってきます。私のブログもそのひとつです。しかし、ご自分で確かめていない情報を鵜呑みにするのはよくありません。ましてやマンションの資産価値をメディアの情報だけで推し量るのは危険です。相談者様に必ずお伝えしているのは、検討しているマンションの現地を実際に見てほしいということです。百聞は一見に如かず。この言葉は、マンション探しのためにあるのではないかと思っています(笑)」

マンションマニアさんは、ブログの記事を書くときには必ず現地を訪れ、街の人に取材し、実際に現地を訪れた人に役立つ情報提供を心がけているそうです。ある物件では現地に前泊して、朝の駅のラッシュ状況を確認されたこともあるという強者ぶり!
そんなマンションマニアさんがブログ記事を書く上で一番大切にしているのは、読者様が現地に出向いたときに「記事に書いてあったことは本当なんだ」と思ってもらえる内容にすることと、一般には知られていない魅力的なマンションの存在を伝えることです。

マンションマニアさん「現地に実際に行くことで、見えてくることは多いです。そこで得られた情報が、マンションの資産価値を形成する要因のひとつにもなります。また、いままで知らなかったエリアにある魅力的なマンションを伝えるのも私のブログの役割の一つだと考えています。数年前の記事で、北赤羽のマンションをブログでおすすめしたときには、北赤羽という街の存在すら知らなかった方が私の記事を参考にして購入したというパターンが多かったようです。入居後に『価格、仕様、利便性などとても満足している』という声をいただき、嬉しく思ったことがあります。
私のブログをはじめとしたネットの情報は、いままで知らなかったエリアやマンションの情報を得るきっかけとして役立ててはいかがでしょうか?」

マンションを選ぶ2つのポイントは、「パワーをもらえるか?」「支払っていけるのか?」


パワーをもらえるマンションは、家族の満足度に通じる。

——実際に現地に行くことを強く推す理由は、何故ですか?

マンションマニアさん「資産価値を気にするのも大切ですが、一番重要視すべき点は、そのマンション、そのエリアはご自身にパワーをくれるのか?ということです。大きな買い物をする訳ですから、そこに住むことで生活が苦しくなったり、資産価値を重視しすぎたために好きになれない街を選んでしまったり、パワーをもらうどころか苦痛に感じるようでは意味がありません

また、そもそもそのマンションの販売価格やローン返済計画が、自分のマネープランの中で無理のないものなのかどうかということも大前提です。以前の記事でも説明しましたが、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談して資金計画を把握しておくことも大事です」

⇒マネーと住まいのプロに聞く賢い選び方!

【マンションマニアさんが大前提とするマンション選び2つのポイント】

□パワーをもらえるマンション、エリアなのか?

□そもそも支払っていける価格・返済計画なのか?

——マンションやエリアからパワーをもらえるというのは、どういう状態ですか?

マンションマニアさん「そこに住むことによって、ドキドキワクワクする生活が送れるか。街の雰囲気との相性が良いかどうか。自分の肌に合うかどうか、ということですね。なんとなく好きだから、という動機で構わないと思います。毎日暮らすことになる場所だからこそ、好きかどうかという感覚が重要になってきます。たとえば、ネットのクチコミで資産価値がないとか悪い面ばかりが書かれているというだけで、検討の選択肢から外すのはもったいないです。人によってメリット・デメリットの感じ方は違いますから、現地でその情報を確かめてみないと」

マンションマニアさんは、現地で気付くことはネットで得られない情報だと言います。
たとえば、事前情報と現地で感じたことはこんな風に違います。

  • 駅から15分の道のりも、商店街を通り抜けるから体感距離としては長く感じない
  • 閑静な住宅街とあったが、抜け道として使われている道路があって意外に交通量が多かった
  • 坂道が大変とクチコミにあったが、高台にあるマンションからの眺望が感動的だった

マンションマニアさん「クチコミでデメリットだと書かれていたことが自分にとっては気にならない、逆に現地に行ってみたらメリットだと感じることはよくあります。だからぜひ足を使って現地に行き、自分の目と耳で情報収集をしてくださいと、相談者様にはおすすめしています」

将来資産価値が下がらないマンションは、開発予定のエリアとブランド力


周辺の中古マンションの価格チェックで、将来の資産価値を考える。

——実際に現地に行ったとして、資産価値の視点でマンションを選ぶ場合には、何をポイントにすれば良いですか?

マンションマニアさん「さきほどの2つのポイントをクリアした上で、ようやく資産価値を考えるスタートラインに立ったと考えてください。資産価値目線でまずすべきことは、検討中のマンション周辺の中古マンションがどの位で売り出されているかを確認することです。周辺の中古マンションの販売価格を見れば、検討中の新築マンションが10年後にはいくら位になるかの目安が見えてきます。将来の資産価値を知ることは、購入への納得材料のひとつです」

——確かにすでにマンションを購入した方でも、手軽にできるネット査定で現在の販売価格をチェックすることが多いですね。

マンションマニアさん「人間ですから少しでも購入したときより高い方が嬉しいですよね。資産価値が下がりにくい、もしくは資産価値が上がるなら、それに越したことはありません。では、どのようなエリアでマンションを買えば値上がりの可能性があるのかというと、いままでどんなエリアで販売されたマンションが値上がりしているのかを調べれば一目瞭然です。たとえば、東京湾岸エリア、武蔵小杉、大宮、本八幡などが、値上がりしているエリアとして有名ですね。5年以上前には武蔵小杉でマンションを買ったと友人に話しても、それほど反応はなかったけれど、いまや武蔵小杉で新築タワーマンションを買ったと言えば、『え!凄い!』という反応が返ってくるはずです」

開発が予定されているエリア、開発計画が進んでいるけれどまだ評価されていないエリアで、新築マンションを購入すれば値上がりの可能性があるということですね。また、万一値上がりしなかったとしても、開発計画によって街が便利になるため、暮らしの満足度は上がるはずです。エリアに縛られない方は、これから伸びる街で購入を検討してみてはどうか、とマンションマニアさんはアドバイスします。

——マンションのハード面が資産価値に影響することはありますか?

マンションマニアさん「躯体の構造や安全性、仕様の面で、ブランド志向が年々高まっているのも事実です。ご自身が中古マンション購入を検討する側になれば、マンションのブランド力の価値に気付くはずです。たとえば、同じ広さ・向き・階数・価格のマンションを、ブランドの有無で比較するならば大手デベロッパーのマンションブランドを選びますよね。中小のデベロッパーさんも頑張っていますが、大手デベロッパーが提供するマンションブランドはそれだけ資産価値の面では有利だと言えます」

ハードの部分に関しては「いまのマンションは何年持つのか?」という相談も一番多いそうです。耐久性についてはマンションそれぞれで違う上、その後のメンテナンス状況によっても異なります。災害などを別にして、新築マンションであれば生きている間に建て替えを経験することはほぼないでしょうし、新築マンションを購入することは長い目で見ても安心できるということは言えるでしょう、ということでした。

「資産価値」って何だろう? 投資? 住まいの満足度?


いつまでも満足して暮らせるマンションとエリア、それが資産価値なのかも?

——これまでにご自身も6回マンションを購入されてきた訳ですが、値上がり・値下がりを気にして売却されましたか?

マンションマニアさん「現在のマンションが6件目になりますが、過去に売却したマンションすべてが新築時より値上がりした訳ではありません。そもそも私の場合は、利益を得るための住み替えではないので、思いのほか資産価値については気にしていなくて、基本的には家賃より安いローン返済であるかどうかということを大切にしている程度です。
それにこれまで購入したマンションやエリアでそれぞれ楽しい生活ができたので、住まい探しに失敗したという気持ちもありません。一般的に資産価値は金額のことですが、住まいの満足度というのも、実は資産価値のひとつではないかという気がします」

——最後に、新築マンションを購入検討するにあたって、資産価値はどの程度に考えておくべきでしょうか?

マンションマニアさん「繰り返しになりますが、一番大切なのは、自分にパワーをくれるマンション、エリアなのかということです。利益を追求してマンションを購入するのは投資家の方で、一般の方々は、ご自身や家族の生活環境を向上させるために、少しでも広くて便利な場所にあるマンションを購入する訳です。資産価値は大切ですが、それを第一目的にするのではなく、住まいの満足度がどの位得られるのか、先に挙げた2つのポイントをよく考えてみていただければと思います」


マンションマニアさんのお話を伺っていて、少し資産価値に対する意識が変わりました。資産価値ありきでマンション選びをするのではなく、補足的な意味で将来の資産価値を知った上で、自分自身や家族が満足できるマンション選びをしたいですね。

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マンション評論家・アドバイザー マンションマニアさん

年間約80件、通算800件以上のマンションのモデルルームを訪問してきたマンション評論家でありマンション購入アドバイザー。18歳からモデルルームに通い始め、20歳に初めてマンションを購入して以来、6回のマンション購入経験がある自身の体験を活かし、2011年のブログ開設以来、公平な立場で分譲マンション探しのアドバイスを行う。不動産関連メディアの記事寄稿、コンテンツ協力など多数。

⇒マンションマニアの住まいカウンター

記事監修:マンションマニア

取材内容は2017年4月27日現在のもので変更になる可能性があります

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