Vol.12プロが語る人気エリアの今 ~中央線沿線エリア~
2012年9月にメジャーセブンが調査、発表した「住んでみたい街アンケート2012年」。
その中の「住んでみたい街」と「住んでみて良かった街」のランキングを比較してみると、街によって順位に大きく差があることが分かりました。
中でも差が大きかったのが中央線沿線の各街。複数の街が「住んでみて良かった街」で上位にランクインしています。
そこで今回は、中央線沿線が「住んでみて良かった街」として選ばれるのはなぜなのか、その理由について街と住まいの解説者である中川寛子氏に語っていただきます。
中央線を他エリアと比べた場合、最大の特徴は足回りの便利さです。首都圏では郊外に向かう路線は放射線状に延びており、都心近くではそれが接続、交差する例はあまりありません。
ところが、中央線の場合、東京メトロ東西線が乗り入れ、同丸の内線が並走、接続しており、さらに吉祥寺駅からは京王井の頭線も利用できます。つまり、一本の路線を中心に行先の異なる複数路線が利用でき、しかも、中野や荻窪、吉祥寺、三鷹のように始発、終電がある駅もあり、利便性が高いのです。
これは早くに開発され、居住人口が多かったことに起因するもの。人口の多いところに鉄道を敷いたほうが利用者が多いと考えられたからであり、他の路線が真似したくてもしようのない点です。
中野サンモール商店街
JR中野駅 北口
たとえば中野駅。ここは新宿から中央線快速で1駅4分で、かつ東京メトロ東西線も利用できます。中央線は各駅停車、快速、特別快速が利用でき、快速、特別快速は平日朝8時台に26本、同9時台に17本も出ており、各駅停車なら始発利用で座って通勤も。東西線も同様に中野始発が多く、通勤時間が短かくて済むだけでなく、ラクできる駅。
以前、この街に住む友人が「妊娠中、毎日座れることがどんなに楽か実感した」と言っていましたが、特に働く女性に人気というのも頷けます。
JR荻窪駅 北口
東京メトロ丸ノ内線 南阿佐ヶ谷駅
同様に荻窪駅は中央線+東京メトロ丸の内線始発が利用できますし、中野駅同様、三鷹駅も中央線+東京メトロ東西線利用可。吉祥寺駅は中央線+京王井の頭線で新宿、渋谷へ直通です。こうして複数路線が利用できると、その日の行先によって使い分けられるのはもちろん、事故があった場合でも他の路線利用で通勤、通学できます。
また、駅自体は離れてはいますが、中野駅、高円寺駅、阿佐ヶ谷駅では青梅街道沿いを走る東京メトロ丸ノ内線も利用できます。加えて中央線と平行して甲州街道、近くに環状八号線、井の頭通りその他の幹線道路が走っているので、車やバス利用も便利です。
プロフィール
(株)東京情報堂
代表取締役
中川 寛子
(なかがわ ひろこ)