Vol.12プロが語る人気エリアの今 ~中央線沿線エリア~
2012年9月にメジャーセブンが調査、発表した「住んでみたい街アンケート2012年」。
その中の「住んでみたい街」と「住んでみて良かった街」のランキングを比較してみると、街によって順位に大きく差があることが分かりました。
中でも差が大きかったのが中央線沿線の各街。複数の街が「住んでみて良かった街」で上位にランクインしています。
そこで今回は、中央線沿線が「住んでみて良かった街」として選ばれるのはなぜなのか、その理由について街と住まいの解説者である中川寛子氏に語っていただきます。
右記のランキングは、2012年9月にメジャーセブンがアンケート調査・発表した「住んでみたい街」と「住んでみて良かった街」の上位の駅を抜粋したデータになります。
二つのランキングを比べてみると、中央線沿線の各駅は、「住んでみたい街」ではあまり上位にはランクインしていませんが、「住んでみて良かった街」のランキングでは、上位にランクインしている街が多いのが分かります。また、中野から三鷹までの駅の大半が選ばれており、駅単体としてよりも、沿線全体としての評価が高いようです。
吉祥寺のように「住んでみたい街」でもトップに入る街もありますが、それ以外の中央線各駅はどちらかといえば、比較的目立たない存在。それなのに、「住んでみて良かった街」にこれだけの数が入るということは何か理由があるはずです。
以下、それを探ってみましょう。
「住んでみて良かった街」で上位だった吉祥寺、中野、荻窪、三鷹、阿佐ヶ谷、高円寺の6駅。
左記の調査データから、これらの駅が選ばれた理由を見てみると、大きく2つの理由があるのが分かります。
ひとつは、1位「交通の便が良かったから 67.2%」 、3位「通勤に便利だったから 46.1%」など、足回りに関する利便性がよいという点。そして、もうひとつは2位「日常の生活に便利だったから 57.7%」、4位「飲食店が充実していたから 43.6%」、6位「庶民的な街だったから 34.1%」など、毎日の生活に便利という点です。
「住んでみたい街」の理由と比較すると、上位の順位こそあまり変わらないものの、それぞれの選択率には大きく差が開いています。
住んでみたい理由はどうしてもその街のイメージに偏りがちな部分がありますが、「住んでみて良かった」となると、実際に住んでみて実感した利便性が高く評価されるというわけです。
上記のランキングデータからも分かる通り、中央線沿線の各駅が「住んでみて良かった街」に選ばれたのには「足回りの利便性」「生活の利便性」と、大きく分けて2つの理由があるようです。ここからはさらに、住まいと街のプロの目線から見た「3つ目の理由」を加えて中央線の魅力について解説していきます。
プロフィール
(株)東京情報堂
代表取締役
中川 寛子
(なかがわ ひろこ)