第3回 自然あるれる街、中目黒へ散策に

みずみずしい緑に囲まれた、居心地のいいカフェ&バー

中目黒駅から目黒銀座商店街を入ってすぐ、一番街の路地裏に「RA・KU・RA」はある。こぢんまりとした飲食店がひしめくなか、コンクリート打ち放しのビルの1階に置かれた鉢植えと赤い看板が店の目印。地下へと階段を下り店内に入ると、まるで日本庭園のような光景が広がる。床には玉砂利が敷きつめられ、小さな盆栽から天井まで伸びたマキやツゲなど大小織りまぜて並ぶ木々。室内なのに自然のなかにいるような不思議な感覚だ。

店名は「楽座(らくら)」から、居心地のいい場所という意味でつけられた。「自然を感じながらゆっくりくつろげる空間をつくりたい」というオーナーの思いが形となり、自然あふれる癒しの場として2007年にオープン。

写真:タラとエビのグリル バジルソース
「タラとエビのグリル バジルソース」は、ヘルシーでありながらしっかりした
味わいで男性も満足のランチメニュー。ライス・サラダ・ドリンク付きで1,100円

天井には植物を育てるライトが、床には排水溝へ水が流れるよう水勾配がつけてある。室内でも自然のなかと同じようにそのまま水やりができ、充分な光を浴びて植物が育つようつくられている。

昼は自然光がさしこむカフェ。ランチ時はOLやサラリーマンが、昼下がりには年配の方やヨガ帰りの女性も訪れる。夜は落ち着いた照明が緑を彩る隠れ家的ダイニングバー。カクテルやワインなど豊富なお酒のなかから1日の疲れを癒す1杯を選び、緑あふれる空間で料理とともに味わう。まさに至福のひとときだ。

写真:ワイン
ワインは常備120種類。
好みの1本がきっと見つかる
写真:RA・KU・RA店内
穏やかな時間が流れる店内に、
飛石を渡る音が来客を知らせる

庭のないマンションライフに、四季折々の盆栽+インテリアを

駅から歩いて2分、駅前の喧騒が嘘のような穏やかさ。目黒川沿いの「GreenScape」は、インテリアとともに植物を提供するお店。通りからガラス越しになかをうかがうと、インテリア小物と盆栽や苔玉などの組み合わせが、センスよくディスプレーされている。店先にも置かれた鉢の緑と、背景の目黒川と遊歩道を臨む借景がつながり、店内からの眺めは実に見事。花見客でにぎわう桜の季節は、さらに美しい景観を見せてくれる。

焼き物を扱う会社に勤めていたオーナーの清水弘さんが、この店をはじめたのは4年前。全国の焼き物を知り尽くした清水さんが、盆栽の鉢に選んだのは常滑焼。「常滑の窯屋に、感性のいい陶芸作家さんのグループがいて、この店オリジナルの鉢をすべてお任せしています」。植木鉢のほか、湯飲みや急須など常滑焼のモダンな器も並んでいる。

写真:侘助や黒松を乗せたイス型の花台
和洋折衷が魅力的な盆栽。侘助や黒松を乗せたイス型の花台は各11,550円

インテリア小物で人気なのは、イス型の花台と盆栽の斬新なコラボレーション。盆栽と照明の組み合わせも、木製のやわらかな灯りから、コンクリートの奥からこぼれる灯りまでさまざま。「盆栽とは、小さな鉢の中に自然の景色を創り出すもの。庭で育てて、一番いい季節に玄関や床の間などに飾るのです。新緑から紅葉へと移り変わる四季をインテリアとして部屋の中に取り込んでみてください」と清水さん。近隣のお店へのリースや盆栽教室も行っていて、地域に根ざした店づくりは、地元客も惹きつける注目のショップだ。

写真:GreenScape店先
盆栽や苔玉が並ぶ店先から、
ほのかな照明の灯と
盆栽の緑が見通せる
写真:ツクモヒバ
照明の灯りがツクモヒバを
やさしく照らしやわらかな雰囲気に

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