マンショントレンドレポート Vol.09東京スカイツリー開業で変わる押上・墨田周辺エリア

Vol.9東京スカイツリー開業で変わる押上・墨田周辺エリア

メジャーセブンが行った『第13回 住んでみたい街アンケート(2010年9月発表)』にて、「今後発展して更に暮らしやすくなりそうだと思う街」で1位を獲得した『東京スカイツリーの建設が進む押上・墨田周辺エリア』。50年に一度の建築物といわれる東京スカイツリーは、電波塔としての役割の他に、地域全体を変えていく影響力があるとメジャーセブンは考えました。東京スカイツリーを基点として、地域の盛り上がりは波紋のように広がるに違いありません。今回は、電波塔としての役割のほかに、その高さや周辺エリアへ与える影響度の高さから大きな関心が寄せられている「東京スカイツリー」と、開業後のエリアの変化を特集します。

vol.9 東京スカイツリー開業で変わる押上・墨田周辺エリア
東京スカイツリーとは? 日本の建築が出会ったことの無い高さ634(武蔵)メートル、世界一の自立式電波塔
誘致のための協力体制 計画のスタート段階から行政・住人・民間企業が協力し合って勝ち取った誘致
建設地、「押上・業平橋エリア」とは? 関東圏で最も注目を集めるエリアのひとつ、東京スカイツリー建設地の紹介

東京スカイツリー開業で変わる押上・墨田周辺エリア マンション一覧はこちら >

世界一の高さの自立式電波塔(イメージ画像)
世界一の高さの自立式電波塔(イメージ画像)

東京スカイツリーとは?

634(武蔵)メートル、自立式電波塔としては世界一の高さに

武蔵(634)

『日本の建築が出会ったことの無い高さ』。この言葉でその高さが窺い知れるというもの。当初は約610メートルと公表されていた東京スカイツリーは、日本人に馴染み深く、過去には周辺エリアが武蔵の国と呼ばれていたことから、『武蔵』に因んで634メートルへ最終決定されました。
「観光タワーとして“世界一”という分かりやすさも考えましたね。」そう明かしてくれたのは、東京スカイツリー 広報の藤澤さん。


電波塔としての役割

東京スカイツリーの開発計画は、2003年12月に在京放送事業者6社が600メートル級の新タワーを求めて『在京6社新タワー推進プロジェクト』を発足したことから始まります。
これは、首都圏を中心に200メートル級の高層ビルが多く建設され、そのビル影の影響で電波が受信しづらくなる可能性のあることが分かってきたこと、また、携帯電話等の普及により移動しながら電波受信をする人が増えたこともプロジェクト発足の要因になりました。
竣工は2011年12月の予定、2012年春の開業が予定されています。

細長い敷地を最大限に活かした三角形の足元

「苦労した点といえば、やはり、狭い敷地にどうタワーを建てるかということですね。」と藤澤さん。線路と北十間川に挟まれた細長い敷地に600メートル級のタワーを建てるのは容易ではなかったそうです。「風の影響も考慮しなければいけません。地上よりも数倍強い風が吹くんです。」
数々の難題を着実に解決していった結果に生まれたのが、塔の足元を正三角形にして、上部にいくにつれ丸くなり、やがて正円となる建設。これにより、634メートルの高さを支える足元の強度と、上空の風の影響を最小限にとどめることの出来る姿が生まれました。

東京スカイツリー建設現場(2010年9月撮影)
東京スカイツリー建設現場(2010年9月撮影)

また、この三角形の足元には市街地に建つタワーならではの周辺地域への配慮も。「円形よりも三角形の方が圧迫感を抑えられるのです。」とのこと。


開業後は浅草の夜景に美しくライトアップされる(イメージ画像)
開業後は浅草の夜景に美しくライトアップされる(イメージ画像)

下町文化との融合

東京スカイツリーが建つのは、日本を代表する観光地である浅草や、相撲文化の発信基地である両国、料亭が軒を連ねる向島を内包する下町の魅力あふれるエリア。このエリアに建つタワーならではの、下町文化を取り入れた工夫が凝らされています。
戸恒浩人氏によるライティングデザインは、江戸で育まれてきた心意気の『粋』と、美意識の『雅』がテーマ。『粋』は隅田川の水を意識した淡いブルーの光が塔の中心を光らせ、『雅』は江戸紫の光がタワーを照らし出すデザイン。


「ツリーの周辺は住宅街なので、派手さではなく、周囲に溶け込むライティングを意識しています。」というように、下町文化を取り入れながら、暮らす方への配慮がなされています。1日ごとに『粋』と『雅』が入れ替わる予定ですが、イベントの時には別デザインも検討中とのこと、楽しみですね。

また、東京スカイツリーの制振システムは、中央部の心柱と外周部を構造的に分離し、中央部の心柱上部を「重り」として機能させた新しいシステムを採用。日本独自の木造建築物である五重塔も同様の構造をしていると考えられており、地震や強風時の揺れへの対策を突き詰めた結果、現代の最新技術と伝統的構法がここで出会ったわけです。

浅草五重塔と建設中の東京スカイツリー(2010年9月撮影)
浅草五重塔と建設中の東京スカイツリー(2010年9月撮影)
(仮称)墨田水族館(イメージ画像)
(仮称)墨田水族館(イメージ画像)

『新・下町流』がコンセプトの商業施設

東京スカイツリーと同時に建設が進んでいるのが、7階・31階建ての2つの商業施設。
現在、プラネタリウムを主体とした最新鋭ドームシアターと、施設面積約77,800平方メートルの水族館の開設が予定されています。


また、下町の魅力体感ゾーンも内包する約300店舗で構成される商業施設もオープン予定です。
「若い方から年配の方まで楽しめる商業施設を目指しています。また、地元の方にもスペースを公開していく予定です。」とのこと。いずれも2012年春、タワーと同時オープンを予定しています。

約300店舗の商業施設がオープン予定(イメージ画像)
約300店舗の商業施設がオープン予定(イメージ画像)

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誘致のための協力体制

2004年10月、墨田区と地元関係者がタワーの誘致活動を始めたことから、東京スカイツリーの歴史はスタートします。ほどなくして長く地元に本社を置き、住人にも親しみ深い東武鉄道に声がかかり、同社の所有している押上・業平橋の操車場跡地にタワーを建設する計画が立てられました。新タワー建設地として、このエリアに決定したのが2006年3月のこと。

誘致が決定した理由を東京スカイツリー 広報の藤澤さんに聞きました。
「まずは、建設できる土地があったこと。また、押上・業平橋エリア周辺には日本を代表する観光地(浅草・両国・向島など)が集まっており、将来的にタワーを観光地化しやすかったこと、交通アクセスが良いこと、地域の住民の方々・民間企業・行政が協力しあって出来た計画であること、などと聞いています。」

業平橋駅からすぐの『東京スカイツリーインフォプラザ』には、東京スカイツリーのパネルや活動の歴史を紹介するコーナーが設けられています。「もともと、この施設は地元住民の方へ向けた情報発信基地としてスタートしたんですが、お蔭様で地元以外からも多くの方に訪れていただき、最大で1日4,000名が来場という日もありましたね。」

押上・業平橋に建設中の東京スカイツリー(2010年9月撮影)
押上・業平橋に建設中の東京スカイツリー(2010年9月撮影)

計画のスタート段階から地域の住民の方々・民間企業・行政が協力し合って勝ち取った誘致だからこそ、幅広いPR活動が可能となり、現在のような盛り上がりに繋がっているのでしょう。

東京スカイツリー 広報の藤澤さん
東京スカイツリー 広報の藤澤さん

今回の取材にご協力いただいたのは、東武タワースカイツリー株式会社 営業計画部 藤澤彬誠さん。広報としての苦労話を聞きました。
「建設当初は皆様もイメージがなかったみたいで、世界一のタワーがここに建つんですよ、といった基本的な説明をすることが多かったですね。」

1:押上通り商店街 2:東京スカイツリー見学広場 3:「業平橋駅」徒歩1分にある「東京スカイツリーインフォプラザ」
1:押上通り商店街 2:東京スカイツリー見学広場
3:「業平橋駅」徒歩1分にある「東京スカイツリーインフォプラザ」

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東京スカイツリーを建設中。「押上・業平橋エリア」とは?

押上・業平橋周辺
押上・業平橋周辺

押上・業平橋は、東京23区の中でも東部に位置する墨田区の中央部にあります。業平橋という地名は、墨田川と吾妻橋付近のことを詠んでいる在原業平の歌が由来となっており、今では下町情緒あふれるエリアとして台頭しています。
現在、東武伊勢崎線 押上駅・業平橋駅間に誕生する東京スカイツリーと隣接する商業施設の開発により、関東圏で最も注目を集めているエリアのひとつとなりました。
元来このエリアが持っている魅力 ~交通利便性の良さや、伝統の息づく成熟した街並み、人懐っこい下町人情のある地元住民~ などの下町文化も改めて見直されてきており、ますます目の離せない地域に成長しています。


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