第2回 長期投資・分散投資

分散投資の第一歩として

ポートフォリオを、最適に組もうとするにあたって、すぐに直面する問題があります。それは、個人投資家は運用資金が限られているということです。よって、広く分散投資することは難しいでしょう。そのため、先にあげた3つのリスクを踏まえて、まず比較的簡単に分散投資のできる方法は、外貨資産を持つ、ということになります。

日本の円相場は、戦後GHQが1ドル=360円と定めた時から、現在の1ドル=100円程度になるまで、長期的には円高で動いてきています。そのため円安リスク(為替リスク)についてはほとんど実感がないでしょう。ただ、輸入に大きく依存する日本の経済において、家庭の支出入に少なくない影響を与えますし、中長期で考えると新興諸国の台頭によって日本の国力が相対的に弱まる予想が高いので円安になる可能性があります。円建ての資産のみでポートフォリオを構成している場合、円安リスク(為替リスク)を回避することは非常に困難です。

外貨の資産を持つ方法としては、外国株、外国債券、FX(外国為替証拠金取引)、外貨建て投資信託、外貨MMFなどがあります。もちろん個々人の判断でこれから円高へ進むか円安へ進むかを考えて、保有する外貨の割合を変えるのも良いでしょう。

分散投資を行って、最適なポートフォリオを作った際にも、定期的にポートフォリオを見直すことが大切です。理想的なポートフォリオにしたつもりでも、相場はさまざまな影響で日々変化しているため、理想的な状態は時間と共に自然に崩れていくためです。

将来の安定した生活のために、なるべく早めの行動を

以上をまとめると、ポイントは「時間」を最大限に利用した長期投資を基本に、複利効果の恩恵を受けながら分散投資を行うことです。しかし分散投資と一口にいっても、具体的にどのような行動を取ればよいのか分からない人も多いでしょうし、いきなり外貨の金融資産を持つということに抵抗を感じる方もいるでしょう。そのような時は、金融の専門家が、さまざまな金融商品を複数組み合わせて運用を行っている投資信託を購入すると良いでしょう。投資信託は、日本株だけではなく、日本債券・外国株・外国債券・不動産など、組み合わせは非常に多岐に渡ります。将来、充実した生活を暮らすためには、このような商品を活用しながら、なるべく早く資産運用を始め、お金をしっかり有効活用することが大切なのです。

投資は個人の意思によって自由に行われるものです。個人によって運用できる金額には差があります。決められたルールも存在しませんし、例えあったとしても時勢の変化により一時的にしか有効ではありません。また、文中の複利計算には、手数料、信託料、税金などが含まれておりませんのでご注意下さい。本コラムは、基本的な資産運用の考え方をご紹介するものであり、投資商品の選択、投資そのものについての最終決定は、あくまで自己責任で行われますようお願いいたします。

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