進む渋谷の再開発プロジェクト、未来の渋谷はアクティブな“オトナの街”に変わる!?

駅周辺の大規模再開発プロジェクトが複数同時進行している渋谷。まさにいま大きく変化しようとしている街の住みごこちについて、学生時代から渋谷を愛する「シブヤ経済新聞」の編集長・西 樹さんにお話を伺いました。渋谷の未来の姿は、どんなものでしょうか?

渋谷の移り変わりを記録して19年!シブヤ経済新聞


シブヤ経済新聞編集長の西 樹(にし たてき)さんにお話を伺いました。

——シブヤ経済新聞は2000年に開設されて以来、その後各地の街メディア「みんなの経済新聞ネットワーク」へ広がっていきました。開設のきっかけは何だったのでしょう?

西さん2000年に“シブヤがオトナになる日”というコピーを掲げた渋谷マークシティが、2001年にセルリアンタワーが誕生した。と同時に古い街の姿もなくなっていく。ちょうど今と同じ、街が激変する瞬間でした。渋谷を愛する一個人としてもニュースサプライヤーとしても、街の変化を記録したいという思いから、シブヤ経済新聞を始めました。いわば「まちの記録係」ですね。


シブヤ経済新聞編集長の西 樹(にし たてき)さんにお話を伺いました。

「SHIBUYA BIT VALLEY」でこれからの街の流れが変わる


「駅街区」「南街区」「道玄坂街区」「桜丘口街区」など、
渋谷駅周辺は大規模再開発プロジェクトが現在進行中。

——まさに渋谷駅の改良工事や周辺再開発が進んでいますが、どう変わっていくのでしょう?

西さん人の流れは、かなり大きく変わるでしょう。今年秋に開業する47階建て複合施設「渋谷スクランブルスクエア東塔」が誕生すると、オフィス施設にはサイバーエージェントなどの日本の名だたるIT企業が入居します。また「南街区」に完成した35階建て「渋谷ストリーム」のオフィスフロアには、Googleが将来の人員倍増(約2600名想定)にも対応出来るスペースを確保しました。これまで分断されていた「南街区」ですが、このエリアの活性化が期待できます。

——IT企業が渋谷に集積するんですね。

西さん2000年代初頭の渋谷は、IT起業家が集まった「ビットバレー」と呼ばれていました。しかし企業の成長とともに、オフィスビルの少ない渋谷から出ていきましたが、今や受け皿の大規模オフィスビルがどんどん出来ている。昨年、GMOインターネット、サイバーエージェント、ディー・エヌ・エー、ミクシィが、渋谷をIT分野における世界的技術拠点にすることを目的とした「SHIBUYA BIT VALLEY」プロジェクトを発表しました。今後の渋谷は、国内外のエンジニアが集まるイノベイティブな街になるでしょう。

——数千人規模で昼間人口が増えるのですね。

西さんIT企業やソフト産業は、働き方改革も進んでいるし、会社の領域を超えた人の交流も活発です。アクティブに自己実現できる大人が集まる場として、渋谷で楽しめるエンターテインメントやカルチャーにも影響がありそうです。

渋谷区が推進するダイバーシティ


渋谷区基本構想ハンドブック「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」は、
渋谷区のホームページから電子ブックで閲覧出来ます。

——渋谷区はどんな活動をしていますか?

西さん「多様性を尊重し認め合うダイバーシティ構想」を掲げた長谷部健渋谷区長が40代と若いこともあり、「同性パートナーシップ条例」などの新しい試みを推進しています。渋谷区基本構想「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」に則って、区民や区民以外の人・団体が参加できるさまざまなプロジェクトを展開する「YOU MAKE SHIBUYA」キャンペーンなど、活発な参加の場があります。

——地域コミュニティの活動も活発でしょうか?

西さん渋谷はもともと、大小のコミュニティが多い街なんです。
渋谷区が主催する、地域コミュニティーの活性化を目的にした渋谷版隣人祭り(※1)「渋谷おとなりサンデー」が6月に行われるなどもありますが、町会・自治会、企業、大学、店舗などのさまざまなレイヤーで、開かれたコミュニティが多重的に存在します。「渋谷おとなりサンデー」もそうですが、ちょっとアクションを起こせば、自分が心地いいと思える場や活躍できる場がきっと見つかると思いますよ。

※1隣人祭り:フランスのアパートで起きた高齢者の孤独死をきっかけに、住人達が隣人同士の顔の見える関係性をつくろうと、食事の持ち寄り会をはじめた取り組み。

渋谷区公式ホームページ

街にダイブしてみると、誰もが小さなプレイヤーになれるはず


ご近所SNS「マチマチ」。
個人の情報交換だけでなく各自治体とも提携。渋谷区からの情報発信もあります。

——コミュニティ活動に参加するのは初心者にはハードルが高い気がしますね。

西さんたとえば、渋谷ヒカリエのような商業施設でも何らかのコミュニティイベントが頻繁に開催されています。大小コミュニティの受け皿は数多くありますから、軽く参加してみれば良いと思いますよ。“ちょっと街にダイブしてみるか”くらいの気分でいいんです。街に参加する“小さなプレイヤー”がたくさんいれば、渋谷の街はもっともっと面白くなるはず。その下地が用意されていますから。

——子育て世代が参加しやすいコミュニティはありますか?

西さんご近所SNS「マチマチ」を使ってみたらどうでしょう。子育て情報も多いし、渋谷区からの発信もある。自分の住むエリアを登録したらご近所の人が質問に答えてくれます。渋谷区はITリテラシーの高い住民が多いので、SNSも活発です。


シブヤ経済新聞とジェイノベーションズ主催の
「英語で道を尋ねられても『ひるまない』対応力養成講座」開講風景。
(写真提供:シブヤ経済新聞)

西さんうちのオフィスで時々「英語で道を尋ねられても『ひるまない』対応力養成講座」を開催しているんですが、老若男女さまざまな世代の方が参加されます。ドイツの老舗企業BOSCH(ボッシュ)は、六本木通り沿いの本社ビル1階カフェ「café 1886 at Bosch」を開放してイベントを行っていますし、自由に参加できる場がたくさん渋谷にはありますよ。

——西さんは渋谷にお住まいだそうですが、街の住みごこちはいかがですか?

西さんちょうど近くにポートがある渋谷区コミュニティサイクルを利用して、自宅のマンション近くからオフィスまで10分位で通勤しています。シェアサービスが簡単に利用できるのも、都市の便利さですね。
東京商工会議所さんと一緒に「渋谷一駅散歩」という、一駅歩いて渋谷の魅力を発見しようという運動を推進しているのですが、渋谷はぶらぶら歩いても楽しい街です。街を散歩しながら、自分で住みごこちを探してみるのもいいですよ。

——最後に渋谷の魅力って何でしょう?

西さん渋谷は、一言で括れない魅力や面白さがある街だと思います。さまざまなジャンルが混じり合ったクロスカルチャーというか、これだ!と一言でいえない点が、渋谷の魅力のような気がします。
学生時代から渋谷の変化を見守っていますが、これからますます面白い街になっていくと期待しています。シブヤ経済新聞も、日々記事をアップして、街の変化をリアルタイムにお伝えしていきたいと思います。


各エリアで同時進行している再開発プロジェクトが、徐々に完成に近付きつつある渋谷。ぜひ街に出かけて、渋谷の変化を体感してみてください。渋谷の新しい側面を発見することが、マンション探しの参考になるにちがいありません。

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シブヤ経済新聞編集長・みんなの経済新聞ネットワーク代表
西 樹(にし たてき)さん

広域渋谷圏のビジネス&カルチャーニュースを届けるインターネットの情報配信サービス、シブヤ経済新聞の編集長。株式会社花形商品研究所の代表取締役。シブヤ経済新聞をはじめとした街のメディア「みんなの経済新聞」は、全国各地にネットワークが広がり、現在国内117エリア・海外10エリアで展開している。

シブヤ経済新聞

記事監修:シブヤ経済新聞

取材内容は2019年3月29日現在のもので変更になる可能性があります

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