第2回 芦屋、百年の時を過ぎてもその憧憬は変わらない

芦屋に愛されたレストランで、最高のくつろぎを

まるでヨーロッパの森のような木々や花々に囲まれた一軒の邸宅。「bellini」の小さなネームプレートだけが、芦屋の老舗イタリアンレストランであることを告げる。

一歩入れば、お屋敷のリビングダイニングのように、上質で落ち着きのある雰囲気。マリー・ローランサンやシャガールのリトグラフがさりげなく壁を飾る。そっと香るのは、店内に飾られた大輪のカサブランカだ。

オープンして22年経ったいまでもベリーニの名が褪せないのは、目も舌も肥えた芦屋の人々をも納得させる料理とホスピタリティが理由だろう。ベリーニに定番料理はない。旬のもの、いま一番美味しいものを仕入れ、毎日とっておきのメニューをくみ上げていくからだ。「レストランはお客様が育ててくださるんです」とオーナーは語る。ゲストがその価値を知っているからこそ、上質なものを提供できるのだと。そのゲストの期待に応える気持ちが、このレストランの品格をつくりあげてきたに違いない。

写真:バスク産マネッシュ豚ローストバルサミコのソース
この日のメインはバスク産マネッシュ豚ローストバルサミコのソース
日によって変わるメニューも、楽しみのひとつだ

窓際の席に座れば、庭の花々の向こうに六甲山まで楽しめる。お客の一人が「まるで絵に描いたようなレストラン」と感動したのもうなずける。過度な装飾のない、しかしすべてが上質で落ち着いた空間で、くつろぎながら最高の食事を楽しめること。これを贅沢と言わずして何と言うのだろう。

写真:ベリーニの外観
一見、レストランと気づかない
ベリーニの外観
写真:ベリーニの店内
上質で落ち着いた雰囲気の中
ゆっくり食事を楽しめる

街ぶらり散歩芦屋マップ

街ぶらり散歩芦屋マップ
  • 1 ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)

    写真:ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)

    住所:〒659-0096芦屋市山手町3-10
    電話:0797-38-1720
    open:10:00~16:00
    定休日:月・火・木・金(祝日の場合は開館)

    マホガニーの複雑な木組みや銅板の飾り金具など、フランク・ロイド・ライトの建築の特徴が見られる。屋上からは、六甲の山並み、市街地や大阪湾も眺望可能。
  • 2アンリ・シャルパンティエ 芦屋本店

    写真:アンリ・シャルパンティエ 芦屋本店

    住所:〒659-0065芦屋市公光町7-10-101
    電話:0797-31-2753
    open:8:30~20:00(ブティック/サロン・ド・テ)
    定休日:年中無休(元日を除く)

    サロン・ド・テでオーダーできる「クレープ・シュゼット」は、コーヒーor紅茶付で1,260円。お土産に人気の「マカロン」は4ケ入りで777円。季節限定のケーキも多数。
  • 1 ビゴの店 本店

    写真:ビゴの店 本店

    住所:〒659-0068芦屋市業平町6-16
    電話:0797-22-5137
    open:9:00~21:00
    定休日:月曜日
    (月曜日が祝日の場合は翌日定休日)

    定番のフランスパンをはじめ、明太子フランス、あんフランスなど、パンの種類は豊富。オリジナルのケーキやジェラートなどスイーツも多数販売。
  • 3 Suomi(スオミ)

    写真:Suomi(スオミ)

    住所:〒659-0094芦屋市松ノ内町4-8-103
    電話:0797-32-5572
    open:11:00~18:00
    定休日:第1・第3火曜日

    玉の音や動きを楽しむドイツNIC社の「ドラムの玉おとし」、スウェーデンMICKI社の「汽車セット」、絵柄を合わせて楽しむスイスNAEF社の「キーナーモザイク」など、木製のおもちゃがいっぱい。
  • 4 リストランテ ベリーニ

    写真:リストランテ ベリーニ

    住所:〒659-0084芦屋市月若町2-17
    電話:0797-32-1777
    open:ランチタイム11:30~14:00(ラストオーダー)
    ディナータイム17:30~21:00(ラストオーダー)
    定休日:木曜日

    昼はランチコース(2,940円)、夜はディナーコースのみ。野菜中心のAコース5,197円、メインディッシュに魚料理か肉料理を選ぶBコース8,085円、メインディッシュが2品になるCコース11,550円、特別コースのDコース17,325円が選べる。
取材後記

今回取材したお店は、芦屋で20年、30年と営業しているところばかり。どこのお店でも共通して聞いた言葉は「芦屋の人は目が肥えている」でした。レベルの高い要求に応えていかなければならない環境で長年続いているお店ですから、それはもう「本物」ですよね。街の取材でしたけれど、ある意味、本物に触れる取材だったとも言えます。もう一度、今度はぜひプライベートで訪れたいです。(ちなみに同行したカメラマンは、後日あらためてSuomiまで、おもちゃを買いに行ったそうです)。印象的だったのは、街中の川とは思えないくらいきれいだった芦屋川。街全体の美意識がとても高いんだなと感じました。

写真:芦屋川
芦屋川

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