防災タワーマンション!大崎ウエストシティタワーズの3つの防災力

マンションさんぽ

2016年7月28日

地域と連携しながらマンション防災に取り組む、「大崎ウエストシティタワーズ」の自治会にお話を伺いました。居住者の多いタワーマンションならではの、さまざまな防災対策についてご紹介いたします。

JR山手線「大崎」駅西口の再開発事業で誕生した超大型ツインタワーマンション

「大崎ウエストシティタワーズ」は、東京7大副都心のひとつ大崎エリアの再開発事業として2009年に誕生した、総戸数1,084戸・住民約2,500名の超大型ツインタワーマンションです。
こちらのマンションでは、竣工前から自治会を設立。住民がマンションづくりにも積極的に関わると共に、独自の防災対策やコミュニティづくりを行っています。
今回は、自治会長に「大崎ウエストシティタワーズ」の防災活動やコミュニティづくりについてお話を伺いました。


大崎ウエストシティタワーズ自治会長の鈴木雄二さん。もともと大崎にお住まいでした。

鈴木自治会長私はこの地域に住んでいた地権者として再開発事業によるマンション建設計画にも加わってきました。50名ほどの地権者が、現在このマンションに暮らしています。地元のことを一番よく知っている我々が計画に協力することで、地域との橋渡し役を担い、より安心・安全な住みやすいマンションづくり、まちづくりに寄与できると考えました。

「大崎ウエストシティタワーズ」は、マンションができあがる前から、地元住民とのつながりやまちづくりとの関わりを意識して計画が進められてきたのですね。

マンションに必要なトイレ・水・電力の3つを重点的に対策

安心・安全を目指したマンションづくりの中でも、「大崎ウエストシティタワーズ」が特に注力しているのがマンション防災です。
自治会と管理組合が協力して、独自の「地震災害用ハンドブック」を作成して住民に個別配布するほか、災害時に特殊技能や資格を有する住民から協力を得るための「震災時協力者プロファイル」を作成。その取り組みは、東京都が防災活動の活発な団体を表彰する「東京防災隣組」としても認定されているほどです。

「地震災害用ハンドブック」(写真右)は、携帯用のビニールパッケージ入りのコンパクトなサイズ。配付するだけで終わりとならないように、住民に内容を説明してから手渡すことを原則としています。
「震災時協力者プロファイル」(写真左)は、現在90名の住民が登録済み。

鈴木自治会長新潟県中越地震や阪神・淡路大震災の災害を教訓として、災害時のマンションに最も必要なのは、トイレ・水・電力の3つだと考えました。食糧の備蓄などは、各家庭でお持ちの食糧でなんとかなりますが、この3つはマンションが機能するために欠かせないポイントです。

では、「大崎ウエストシティタワーズ」のトイレ・水・電力の備えについて具体的にご紹介していきましょう。
トイレは、各戸に30個の災害用トイレを配備。各フロアに設置されている防災一時保管庫にペットボトルの水とあわせて備蓄されています。棟内の下水配管については、強い揺れでも壊れにくい堅固なものを採用しています。2リットルの水でトイレが流せます。


各フロアに設置された防災一時保管庫。災害用トイレやペットボトルがフロアの住戸分、備蓄されています。

さらにマンホールトイレも含めて41基の仮設トイレを準備。そのうちの数基は、近隣の人々が避難してきた際にも使えるよう、地下駐車場に設置できるようになっています。
各棟には200トンずつの防火水槽を用意し、水の浄化装置を6台完備しており、いざというときの水不足にも備えは万全です。浄水器は、災害時に近隣のビルやマンションに貸し出す約束になっており、地域での助け合いネットワークが出来上がっているそうです。


マンホールトイレ(汚水槽に直結)を地下駐車場に設営したところ。公共の下水管が使用できなくなっても大丈夫なように、地下に5000トン分(25mプール約10.4杯分!)の汚水タンクを完備しています。
※25mプールの大きさを長さ25m×幅16m×深さ1.2m=480トンで換算した場合

鈴木自治会長超高層タワーマンションの場合、災害時に困るのが停電です。そのため、燃料となる重油不足を見越して、品川区と消防署と相談しながら敷地内に2万リットルの重油を備える計画も現在進行中です。


39階建てのタワーマンションで電力が断たれると、エレベーターのみならず、セキュリティや消防設備のすべてに影響を受けます。そのためにも電力確保は最重要課題です。

「大崎ウエストシティタワーズ」は、災害時のトイレ・水・停電に対して着々と備えており、数多くあるマンションの中でもこれほど防災対策を施している物件は、そこまで多くはないと思います。ここまで真摯に防災に備えているマンションであれば、住民としても安心して生活できそうですね。実際、中古物件の市場取引価格は新築分譲時の販売価格と比べて上がっているものもあるそうですが、そこには防災面の配慮や管理のよさなども評価されているようです。

お祭りへの参加や歴史を知って、住民と地元のつながりが深まっていく

「大崎ウエストシティタワーズ」が面している通りは、戦前までは百反坂と呼ばれ、駄菓子屋、銭湯、演芸場など150店もの店が建ち並んだ活気ある商店街でした。昔から住む人が多いエリアに新たに建設された大型タワーマンションが、地元の歴史や人のつながりを吸い上げて、地元との交流をマンションのコミュニティづくりに活用しているのも興味深い点です。

鈴木自治会長もともとあった町内のお祭りを絶やさないため、マンションの集会室は、お祭りの時の神酒所ができる仕様にしました。オートロックのマンションのプライベートエリアとはきちんと区別して、町内の人たちが出入りできるオープンな仕様の集会室を持ったことで、ゆるやかに外とつながることができるマンションとなりました。

また、お祭りの時期にはマンション内にも御神輿を展示しています。当マンションは外国人居住者も多いのですが、外国人の方も含め住民から御神輿の担ぎ手が出てくるなど、地元の祭りへの参加を通じてコミュニティが充実してきました。


「大崎ウエストシティタワーズ」 W棟に展示された御神輿。

鈴木自治会長お祭りだけでなく、住民同士のコミュニケーションづくりのためのマンション内サークル活動も活発です。百反坂は目黒不動へ至る参道でもありました。こうした区内の歴史を知るために近隣を散策する区内歴史散歩サークルの活動もあります。年に2〜3回開催しますが、常時20〜30人の住人が参加して人気です。ほかに、カラオケ、麻雀、ペットなどのサークルがあります。


マンションには100匹ほどのペットがいるので、ペット委員会を設立。獣医さんを招いての「ドッグラン」イベントを開催したこともあります。ペットを介して、住民同士のコミュニケーションが深まります。

マンション内サークルという住民の関心毎の輪がいくつも用意されていることで、さまざまな年代の住民同士がつながり、さらにコミュニティが大きくふくらんでいくのでしょう。

これからはマンション住民が積極的にまちづくりに関わる時代

大崎ウエストシティタワーズ全体管理組合は、大崎駅西口・東口周辺にある約90社の企業やマンション管理組合によって構成された「大崎周辺まちづくり協議会」に加盟。大崎エリアのまちづくりにも積極的に関わっています。この秋には、マンション前の大崎駅西口バスターミナルより成田空港までのバスが運行開始予定。今後は羽田直行便を計画するなど、さらなるまちの発展に寄与しています。


毎年、大崎駅西口センタープラザで行われる「大崎さくらまつり」の様子。
自治会も幟(のぼり)をたてて出店しています。

また、毎年行われている近隣の企業やマンションと合同主催の「大崎さくらまつり」は、大島桜を見ながらバンド演奏や屋台の出店で盛り上がるそうです。エリア内の企業やマンションが連携してまちづくりを実践しているのが嬉しいですね。

鈴木自治会長もともと再開発事業に関わったときから、住居としてのマンションをつくるという発想ではなく、西口にまちをつくろうという発想でした。私たちのマンションが、大崎エリアのまちづくりに寄与するのはごく自然なことです。当初から、安心で安全、ずっと住みつづけたいマンションにしたいという気持ちにブレはなく、そこからずっと住みつづけたい街づくりにつながっています。こうした住民活動を通して、20年、30年経っても、価値の下がらないマンションを育んでいければ嬉しいですね。


これからのマンションは、マンション内のコミュニティづくりだけでなく、外へも向かって、積極的にまちづくりにも関わっていく時代になりつつある。大崎ウエストシティタワーズの活動を伺っていると、そんなフェーズに変わりつつあるのだと強く感じました。

39階・地下3階建て。総戸数1,084戸のツインタワーマンション住民による自治会組織。2009年9月竣工。東京都の東京防災隣組第三回認定団体。

取材内容は2016年7月28日現在のもので変更になる可能性があります

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