まるで海外?街と自然、学びと遊びが融合する海浜幕張の住みごこちレポート

今回の「人気の街の住みごこち」は、千葉県・海浜幕張の街をご紹介します。海と川に囲まれた都市型住宅地・幕張ベイタウンや、現在開発計画が進行中の“日本のポートランド”を目指す幕張ベイパーク周辺の住みごこちを、住民の方々に伺いました。美しく計画された街の住みごこちは、住民が「自分で出来ることをする」という、街への思いによって育まれていました。

職・住・学・遊がひとつになったミクストユース(※)の街づくり


「職・住・学・遊」が融合した未来型の国際都市・幕張新都心。

海浜幕張と言えば、幕張メッセやZOZOマリンスタジアム、ホテル、大学、オフィスビル、商業施設が建ち並ぶ、幕張新都心としての顔が有名です。
そこからほど近い幕張海浜公園の東にある住街区・幕張ベイタウンは、テレビや映画のロケ地にもよく使われるほど美しい街並みです。1995年に誕生した幕張ベイタウンは、千葉県(旧:千葉県企業庁)を中心に、大手デベロッパー6社などが緊密なパートナーシップで街づくり計画を推進してきました。

※ミクストユース:「職・住・学・遊」の複合機能が集積した街づくり。

ヨーロッパ風デザインの美しいマンションが建ち並ぶ幕張ベイタウン


幕張ベイタウンについて、千葉県企業土地管理局(旧:千葉県企業庁)
資産管理課の副課長 田中隆一さん(写真向かって左)と
主査 水澤裕子さん(写真右)にお話を伺いました。

水澤さん総面積約84ヘクタールのエリアに建ち並ぶマンションは、街区毎に異なる事業者が建設する住棟デザインでありながら、街全体のデザイン指針を制定した「都市デザインガイドライン」によって統一感を保ち、ヨーロッパのように個性的な雰囲気の沿道型の街をつくりだしました。これまでに9,400戸が供給され、現在約25,700人が住む街として成長しています(2017年3月現在)。住棟は段階的に開発を行ったため住民の年代も多彩で、街づくりへの参加意識が高く、街が気に入っていてエリア内で住み替えされる住民も多いと聞いています。


中庭(パティオ)スタイルの住棟が多く、
パブリックとプライベートの区分けがある。

田中さん千葉市では無電柱化が推進されていますが、それに加えて幕張ベイタウンには廃棄物空気輸送システム(※)が導入されています。街にゴミ集積場がないためカラスによって生ゴミなどが散乱することなく、クリーンな住環境が維持されています。

※廃棄物空気輸送システム:幕張ベイタウン内の施設や各マンションのゴミ投入口から、地下パイプを通じてゴミがクリーンセンターへ運ばれて一括処理される。


街に開かれていて「門も塀もない」海浜打瀬小学校。校舎はオープンスペースになっていて、子供たちが積極的に交流できる。

タウンセンター地区・業務研究地区・文教地区・公園緑地地区・住宅地区の5つにゾーニングされている幕張新都心。幕張ベイタウンは、住宅地区として、オフィスや商業施設のある駅前から明確に区分けして、デザインされています。また、幕張ベイタウンのある打瀬地区には、その教育方針が注目されている海浜打瀬小学校を含め3つの小学校と1つの中学校があり、教育環境が整っているのも特徴です。

次に幕張ベイタウンでボランティア活動を行っている住民の皆さんに、街の住みごこちについて伺いました。

第2日曜日の朝8時、「うたせゴミレンジャー」の活動が始まる

日曜日の朝8時、ベイタウン・コアと呼ばれる公民館に、軍手とゴミ挟みを手にした住民が数人集まってきました。ボランティアとして幕張ベイタウンと周辺のゴミ拾いを行っている「うたせゴミレンジャー」の皆さんです。


この日は、6人のレンジャーでゴミ拾い。
時に小さいお子さん連れの参加もあります。

「うたせゴミレンジャー」は、2000年の発足以来17年間にわたって、幕張ベイエリア周辺でゴミ拾いの活動を続けています。取材に伺った日は記念すべき第160回目の活動でした。隊長の田中敏嗣さんにお話を伺いました。

田中さん私は1999年頃から幕張ベイタウンに住んでいます。その頃知り合った住民の皆さんと、「そういえば空き地のあたりにゴミがあって気になるよね」と言って始めたのが、「うたせゴミレンジャー」発足のきっかけです。
当初はホームページやブログで参加を呼びかけていましたが、いまはSNS経由で。といっても大袈裟なものではなく、毎月第2日曜日の朝8時にやりますと呼びかけて、集まれる人が来て1時間ほど各自ゴミ拾いをして解散するというユルイ活動です(笑)。先月は、隣町の中学生がホームページを見て活動を知り、参加しました。

一度でもゴミを拾ったことがある人は、二度と捨てる側にはならない


「うたせゴミレンジャー」隊長の田中敏嗣さん。
ウェブで毎月の活動を発信しています。

「うたせゴミレンジャー」の皆さんが街区でゴミ拾いをしていると、知らない人から「ご苦労様です」とお礼を言われることもあるそうです。一見するとゴミひとつ落ちていないきれいな街ですが、活動に同行すると、植え込みの茂みや側溝にタバコの吸殻やお菓子の小袋などがポツポツと見つかります。近隣で大きなイベントがあると、ゴミのポイ捨ても増えるようです。

田中さん一度でもゴミを拾ったことがある人は、二度と捨てる側にはなりません。私達も、他の街へ行くと落ちているゴミが気になって仕方がない。17年間活動してきて、依然として「ゴミが減らないこと」は問題ですが(笑)、それでも以前に比べれば、タバコの吸殻は圧倒的に減りました。

街が気に入って、幕張ベイタウン内で引っ越した「ごみレンジャー」隊員も!


「ごみレンジャー」の津久井さんは、
3年前にブログで活動を知って参加するように。

「うたせゴミレンジャー」隊員の津久井さんは、奥様と1歳半のお子さんと一緒に幕張ベイタウンに暮らしています。2011年に結婚を機に都内からこちらの賃貸マンションへ引っ越してきて、2015年に同エリアのマンションを購入しました。幕張ベイタウンでは、街が気に入って、賃貸から分譲マンションを買って住む人が多いそうです。

津久井さん入念に計画された都市で、他に変な建物やお店ができる心配もないし、街区内には大型トラックなどが乗り入れてこなくて、道路幅は広くてゆったりしている。都市なのに、海や川にも近くて、隅々までよく考えられていますよね。
住み始めたら、この街の住みごこちの良さに離れられなくなって、結婚を機に数ブロック先に竣工した新築分譲マンションを購入することにしました。都内でもマンション探しをしましたが、こんな雰囲気の街は他にはなかったですね。


街区の至る所に緑の公園が広がる。

津久井さん子育てしてから気付きましたが、あちこちに緑の公園があって、子どもの遊び場がいっぱいある。うちの子はまだ1歳半ですが、小学校や中学校もすぐ近くにあるし、子育てには最高の環境です。うちの子も、次世代の「ごみレンジャー」に育てなければ(笑)。

海浜幕張の魅力は、新市街・旧市街・昔懐かしい街を行き来できること


公園の芝生が伸びすぎている状況を
スマホアプリ「ちばレポ」でパシャッと撮って報告。
大型ゴミの放棄や街の不具合は、
千葉市が解決に動いてくれます。

——住民として、海浜幕張の住みごこちはどうでしょう?

田中さん海浜幕張は、なにかとイベントが多い街です。幕張メッセでのイベントはもちろん、毎年6月には海浜幕張公園でエアレース世界選手権、8月には約2万発の花火が上がる幕張ビーチ花火フェスタ。街区内では、朝市や自治会主催の幕張ベイタウンまつりもあります。
賑わいもある一方で、自然もすぐ近くにある。海沿いや花見川沿いのコースは、ランニングにぴったりですよ。私もよく走っていますが、花見川沿いに海から山の方へ走って行くと、都市から一気に自然の景色が楽しめます。ランナーにとってはとても走りやすい街ですよ。


2005年の千葉ロッテ優勝時、
監督の名を冠して改称されたバレンタイン通り。
地元球団への愛を感じます。

田中さん京葉線を挟んだ駅の向こう側の若葉住宅地区(幕張ベイパーク)の開発が最近始まって、あちらはタワーマンションを中心にした複合エリアになるようです。ベイタウンとはまた違った雰囲気の賑わいのある新しい街ができると、今から楽しみにしています。
今日参加してくれたゴミレンジャーの富木さんが社長の、クラフトビール店「幕張ブルワリー」がすでに若葉地区にオープンしています。まもなくビール醸造所も併設されるそうですよ。新市街・幕張ベイパークと旧市街・幕張ベイタウンの住民の交流をつないでくれる、ビールが飲めるコミュニティバーみたいな存在になっていくと面白いでしょうね。
それから総武線の「幕張」駅近くには昔懐かしい雰囲気の商店街があり、徒歩圏で昔ながらの幕張の街を楽しめます。それぞれの街の良さが感じられて良いと思いますよ。


住民がふらっと立ち寄れる場がつくりたかったという「幕張ブルワリー」
社長の富木さんは、この日は「うたせゴミレンジャー」の隊員として活動されていました。

——今後の活動のご予定は?

田中さん「うたせゴミレンジャー」はグループで活動していますが、他に一人でゴミ拾いをしている方もいます。それぞれの街にそれぞれのスタイルでゴミ拾い活動をする人がいて、それが全国に広がっていけば、ゴミのない街づくりが出来ていくと思います。これからも自分たちで出来ることを、無理することなく長く続けていきたいですね。


「うたせゴミレンジャー」の皆様、本日はお疲れさまでした!

皆さんのお話を伺うと、官民一体となって周到に計画された街環境に甘んじることなく、個々の住民が「街を良くするために自分たちで出来ることをしよう」という意識が浸透していることを感じました。

また、線路を挟んで隣接した若葉住宅地区(幕張ベイパーク)では、幕張ベイタウンの開発に関わった事業者が結集し、これまでに培ってきた街づくりのノウハウを生かして新たなベイエリアの振興と幕張新都心の街づくりの進化を目指す、15年間にわたる開発計画がスタートしています。

→千葉県「幕張新都心若葉住宅地区・文教地区未利用地マスタープラン」について

この計画は、首都圏最大級、多世代の住民1万人が住むミクストユースの街づくりとしていま話題になっているものです。隣接エリア、幕張ベイパークの街づくり計画の始動によって、さらに海浜幕張の街が活気づいていきそうです。将来が楽しみですね。

【MAJOR7で千葉県のマンションや新築物件特集を見てみよう!】
⇒千葉県のマンション一覧を見る
⇒新築物件特集を見る

幕張ベイタウン周辺のゴミ拾いを行う住民ボランティアグループ。8月を除く毎月第2日曜日8:00〜9:00に活動。誰でも自由に参加できます。

官民パートナーシップのもとに住宅事業者と連携して、幕張ベイタウンの街づくりを推進した担当部署。

取材内容は2017年10月26日現在のもので変更になる可能性があります

編集部のおすすめ記事

カテゴリ一覧

物件をお探しの方へ ※大手不動産デベロッパー7社の物件情報に特化したポータルサイト『メジャーセブン』の物件一覧ページに遷移します